7歳からピアノ。13歳から打楽器。他にもテナーサックスや沖縄三線、合唱に挑戦し幅広く取り組む。現在は飲食店での接客調理、WEBライターや打楽器指導を行っている。 尚美ミュージックカレッジ専門学校打楽器専攻卒業。大阪芸術大学通信教育部音楽学科卒業。中学校・高等学校教諭一種免許(音楽)取得。
目次
- 〜ピアノ上達のために練習曲が必要な理由〜
- 基本的な指使いが学べる
- 全ての指をバランスよく鍛えられる
- 入門から上級まで確実に上達できる
- 楽譜の読み方に慣れる
- さまざまな曲調に対応できるようになる
- 【初心者向け】練習曲を進めていく順番は?
- 聴いたことある簡単な曲で上達!有名な練習曲は?
- メヌエット ト長調(バッハ)
- 人形の夢と目覚め(オースティン)
- エリーゼのために(ベートーヴェン)
- 貴婦人の乗馬(ブルグミュラー)
- カノン(パッヘルベル)
- 効率的に上達する!教本の順番は?
- バイエル
- ハノン
- ブルグミュラー
- ツェルニー
- 教本まとめ
- 弾きやすい楽譜を自分で見分けるポイント5つ
- 正しい指使いがわかる
- わかりやすい解説が書かれている
- 指使いや手の動きに無理がない
- 両手の動きに差がない
- #や♭の数が少ない
- まとめ
「ピアノが上達する練習曲を知りたいな」
「たくさん練習曲があるけど進める順番は?」
ピアノが上手になりたいものの、練習曲をどのように進めたらいいのか悩んでいる人が多いのではないでしょうか。
この記事では、ピアノ経験者の筆者がピアノの教本や練習曲を進める順番をわかりやすく解説しています。
- ~ピアノ上達のために練習曲が必要な理由~
- 【初心者向け】練習曲を進めていく順番は?
- 弾きやすい楽譜を自分で見分けるポイント5つ
この記事を読むことで練習曲を進めていく順番がわかり、ピアノが上達する道筋が見えるようになるでしょう。
〜ピアノ上達のために練習曲が必要な理由〜
練習曲はピアノ曲に比べてなんとなく退屈に感じる人が多いと思います。
筆者も「曲の演奏は楽しいけれど、練習曲は退屈だ」と思い、真剣に取り組まなかった時期があります。
なぜ練習曲に取り組む必要があるのでしょうか?ここではピアノ上達のために練習曲が必要な理由を5つ紹介しています。
- 基本的な指使いが学べる
- 全ての指をバランスよく鍛えられる
- 入門から上級まで確実に上達できる
- 楽譜の読み方に慣れる
- さまざまな曲調に対応できるようになる
ピアノ上達のために練習曲が必要な理由を知ることで、目的を持って練習曲に取り組めるようになるでしょう。
基本的な指使いが学べる
練習曲では基本的な指使いが記載されている場合が多く、無理のない正しい指の動きが学べます。
楽曲だけ取り組んでいると変な癖がついてしまい、スムーズに弾けなかったりフレーズを無視した弾き方になったりする場合があります。
練習曲で正しい指使いを身につけておけば、楽曲に取り組む際に自然と正しい指使いで弾けるようになるでしょう。
全ての指をバランスよく鍛えられる
練習曲では全ての指をバランスよく鍛えられます。
楽曲だけでは自分が弾きやすい指使いで弾きがちで、薬指や小指は弱い指のままになることが多いです。
練習曲では1本1本の指が鍛えられ、しっかり鍵盤が弾けるようになります。
練習曲にきちんと取り組んでいれば、楽曲に取り組む際に細かいリズムが出てきても均等に弾けて、力強く弾く場面でもしっかり音を出せるようになります。
入門から上級まで確実に上達できる
練習曲を取り入れると、入門から上級まで確実に上達できるでしょう。
特に教本に入っている練習曲は、無理のないステップアップができるように順番が組まれています。
道のりが長く退屈に感じるかもしれませんが、ひとつひとつ丁寧かつ確実に一通りのテクニックが身につけられます。
テクニックがしっかり身につけば、楽曲の仕上がりが速くなるので練習曲は大切です。
楽譜の読み方に慣れる
練習曲に取り組むと楽譜の読み方に慣れます。楽譜には調号や強弱記号などさまざまな指示が書かれています。
練習曲でさまざまな調号や強弱記号に慣れておけば、楽曲に取り組む際にすぐに対応できるようになるでしょう。
私は特に調号に苦手意識があり、いつも楽曲で苦戦した経験があります。
しかし練習曲でさまざまな調号に取り組んだ結果、楽曲で♯や♭が多い調号が出てきても、すばやく頭を切り替えて弾けるようになりました。
楽譜の読み方に慣れるためにも練習曲は必要です。
さまざまな曲調に対応できるようになる
さまざまな曲調に対応できるようになるので練習曲は大切です。
ピアノ曲にはゆったりしたバラードや軽やかに弾む曲、哀愁漂う曲などさまざまな曲調が存在し、それぞれ弾き方が異なります。
練習曲をとおしてさまざまな曲調に触れると、指のコントロールができるようになり、表現力が身につきます。
楽曲に取り組む際もすぐに対応できるので、上達が速くなるでしょう。
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【初心者向け】練習曲を進めていく順番は?
ピアノの練習曲を進めていく順番は重要です。
簡単すぎると進み具合は早いもののピアノ技術の向上につながりません。
反対に、難しすぎると1曲が完成するまでに長い時間を要し、挫折の原因につながります。
ここでは練習曲を進めていく方法を2つに分けて紹介していきます。
- 聴いたことある簡単な曲で上達!有名な練習曲は?
- 効率的に上達する!教本の順番は?
練習曲の進め方を理解することで、挫折せずにピアノが上達する道筋を見つけられるようになるでしょう。
聴いたことある簡単な曲で上達!有名な練習曲は?
練習曲を進めていくには聴いたことがある簡単な曲で上達する方法があります。
ピアノ曲に比べて練習曲は退屈に感じる人が多いでしょう。「聴いたことがある曲」「馴染みのある曲」の場合、楽しく取り組めます。
ここでは聴いたことがある簡単で、有名な練習曲を5つ紹介します。
楽しみながらピアノを上達したい人は以下に紹介する曲に取り組むのがおすすめです。
メヌエット ト長調(バッハ)
バッハ作曲「メヌエット ト長調」はピアノ練習曲で誰もが練習する定番曲です。
「メヌエット」とは3拍子で2小節が1つのフレーズで、ゆったりとした舞曲です。
メヌエットというタイトルがついた曲は多く作曲されていますが、メヌエット ト長調はリズムが単純でペダルを踏む必要がないため、初心者でも取り組みやすい曲といわれています。
筆者はピアノを始めた頃にメヌエット ト長調を発表会で演奏しました。
ゆったりとしたテンポで弾きやすいものの、右手のメロディーより音量を抑えなければならない左手のコントロールが難しかったです。
人形の夢と目覚め(オースティン)
オースティン作曲「人形の夢と目覚め」は3部構成で楽章ごとに曲調が異なります。
第1楽章はゆりかごを表現し、ゆったりした3拍子の曲調です。
第2楽章は4拍子で人形の夢を表現し、テンポが速くなります。
第2楽章の最後には人形の目覚めを表現した力強い和音が現れます。お風呂が沸いた通知音にも使われているので聴き馴染みがある人も多いのではないでしょうか。
第3楽章は2拍子で人形のダンスを表現し、強弱の差や指の軽やかさが求められます。
筆者もピアノを習っているときに人形の夢と目覚めを弾いた経験があり、楽章ごとに異なる曲調を楽しみながら速いフレーズの弾き方や表現力を学んだ記憶があります。
楽しみながら上達したい人にはおすすめです。
エリーゼのために(ベートーヴェン)
「エリーゼのために」はクラシック音楽に馴染みがない人も一度は聴いたことがある有名曲です。
筆者はピアノを習い始めた頃の最初の目標が「エリーゼのためにを弾いてみたい」でした。
曲は憂鬱な雰囲気から始まり、明るく軽やかな部分や低音が激しい部分に移り変わり、再び主題に戻り静かに終わります。
右手は細かいリズムがあるため指をスムーズに動かす練習になり、左手は1オクターブ以上のアルペジオの練習になります。
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貴婦人の乗馬(ブルグミュラー)
ブルグミュラーの教本には初心者に適した曲が多く収録されていて「貴婦人の乗馬」はブルグミュラー25の練習曲の中の1曲です。
貴婦人の乗馬は、以下5つの要素が盛り込まれています。
- 歯切れのよいスタッカート
- 滑らかなに弾くテクニック
- 細かい強弱記号の表現
- 変化するリズムを弾き分けるリズム感
- クレッシェンドしながら弾く音階
さまざまな要素の習得により表現力をしっかり身につけたい人にはおすすめです。
カノン(パッヘルベル)
カノンは、「3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーク ニ長調」の中にある曲です。
曲調は一定のテンポでゆったりした美しい楽曲で、同じメロディーが重なっていきます。
しかし、元々弦楽四重奏の曲なので、ピアノ1台で演奏すると難易度が上がります。
音域が広く指の移動が大きいなかで一定のテンポを保たなければならないので、初心者から中級者向けの曲といえるでしょう。
効率的に上達する!教本の順番は?
- バイエル
- ハノン
- ブルグミュラー
- ツェルニー
効率を重視してピアノを上達させるには教本の順番が重要です。
順番を間違えると、上達するまでに長い時間がかかります。
ここでは効率的に上達する教本の順番を紹介しています。
各教本の概要や特徴、使い方のコツなどをまとめているので、効率的にピアノを上達したい人は参考にしてみましょう。
バイエル
バイエルはピアノの入門から初心者用の教本です。
バイエルには2種類あり、「子供のバイエル上巻・下巻」と「(大人用・標準)バイエル」があります。
バイエルは似たような音型で、全体的に右手がメロディーで左手が定型的な伴奏の曲が多いのが特徴です。
バイエルの使い方のコツを2つ紹介します。
- 指番号を見て、正しい指使いで弾く
- メロディーと伴奏の音量バランスを考えて練習する
バイエルは分量が多く、モチベーションを保つのが大変ですが、ピアノの基礎力を着実に身につけたいコツコツ努力型の人におすすめの教本です。
ハノン
ハノンは、指の強さを鍛えるにはおすすめの教本です。
ハノンは同じ音型を繰り返すため退屈に感じやすいですが、日々取り組めば指の柔軟性や筋力が鍛えられるなど多くの効果を得られます。
使い方のコツを以下に2つ紹介します。
- メトロノームを使う 速さにはこだわらず一定のテンポの中で正確に弾けるようにする。
- リズム練習を取り入れる 一定のテンポの中にさまざまなリズムパターンを入れて、粒をそろえて弾けるようにする
筆者はピアノ曲を練習する前にハノンに取り組むと、曲の演奏のときに力強く弾けると感じ、ハノンを準備体操として取り入れていました。
1本1本の指を鍛えるなど基礎固めするには最適な教本です。
ブルグミュラー
ブルグミュラーは、テクニックだけでなく音楽的表現を学べる教本です。
ブルグミュラーには「25の練習曲」「18の練習曲」「12の練習曲」の3冊の教本がありますが、なかでも「25の練習曲」は初心者向けに書かれています。
ブルグミュラーの25の練習曲は短い曲の中に音楽的な情景や感情の変化が入っているのが特徴です。
また、調や拍子の種類が多いため表現力を支えるテクニックが身につけられます。
練習する上で意識することは3つ挙げられます。
- 旋律を心の中で歌いながら弾き、曲に表情をつける
- フレーズを意識して、呼吸に気を配る
- 一通り弾けるようになってからペダルを入れる
テクニックだけでなく旋律やフレーズの歌い方など表現力を学びたい人にはおすすめの教本です。
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ツェルニー
演奏に必要なテクニックを幅広く学べる初心者から中級者向けの教本です。
ツェルニーには「100番練習曲」「30番練習曲」「40番練習曲」などがあり、徐々に難易度が上がっていきます。
初心者には100番練習曲がおすすめですが、ブルグミュラーを一通り練習してきた人はツェルニー30番から取り組むと良いでしょう。
ツェルニーは指を正確に速く弾けるように訓練し、難易度が高い曲に対応できる基本を学べます。
練習のコツは以下の2つです。
- ゆっくり正確に弾けるようにしてからテンポを上げる
- 指の故障につながるので、脱力を意識して弾く
ツェルニーは今後難易度の高いピアノ曲に挑戦するために効率良く練習したい人におすすめです。
教本まとめ
効率的に上達する教本の順番を表にまとめました。
表を見て上達する道筋をイメージしましょう。
概要 | 特徴 | 使い方 | どんな人におすすめか | |
---|---|---|---|---|
バイエル | ピアノの入門から初心者用の教本 |
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ピアノの基礎力を着実に身につけたい人 |
ハノン | 指の強さを鍛える教本 |
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ブルグミュラー |
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テクニックだけでなく表現力を学びたい人 |
ツェルニー |
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難易度の高いピアノ曲に対応できる基本が 散りばめられている |
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弾きやすい楽譜を自分で見分けるポイント5つ
ピアノ教室で習っている人は、基本的に講師の指示で練習曲や教本などに取り組んでいきます。
しかし独学で学ぶ人は、弾きやすい楽譜を自分で見分けなければなりません。
多くの練習曲や教本があるなかで自分にあった弾きやすい楽譜はどのように見つけたらいいのでしょうか。
ここでは、弾きやすい楽譜を自分で見分けるポイントを5つ紹介しています。
- 正しい指使いがわかる
- わかりやすい解説が書かれている
- 指使いや手の動きに無理がない
- 両手の動きに差がない
- ♯や♭の数が少ない
弾きやすい楽譜を自分で見分けるポイントを知ることで、ピアノ独学者でも適切な楽譜を選べるようになります。
正しい指使いがわかる
弾きやすい楽譜を選ぶ際には正しい指使いが記載されている楽譜を選ぶのがおすすめです。
初心者は正しい指使いがわからない人が多いと思います。
正しい指使いの記載がないと人差し指などの使いやすい指だけで連続して弾いたり、指が足らず次の音にスムーズに移動できなかったりします。
正しい指使いがわかると弾きやすくなり、他の曲でも応用が利かせられるようになるので正しい指使いがわかる楽譜を選びましょう。
わかりやすい解説が書かれている
ピアノ初心者は楽譜を見るだけではどのような曲なのか、リズムのとり方や楽譜の読み方などわからないことが多いです。
わからないことが多いと、なかなか上達せず嫌になって挫折することがあります。
わかりやすい解説が書かれていれば、どのような曲なのか、どのように練習すればよいかの道筋が見えてきます。
楽器店で楽譜を選ぶときは、わかりやすい解説があって、自分で読んで解説を理解できるか見て選びましょう。
指使いや手の動きに無理がない
初心者は指使いや手の動きに無理がない楽譜を選ぶのがおすすめです。
ピアノには指使いが複雑だったり、1オクターブ上に大きく移動したりする楽譜があります。
初心者は楽譜を読むだけでも必死なので、指使いが複雑で手の動きが大きいとより一層混乱します。
楽譜を手に取ったら、音符と音符の間隔を見て、音があまり離れていない楽譜を選びましょう。
両手の動きに差がない
ピアノ初心者は両手の動きに差があるほど、頭の中が混乱して上手に弾けません。
日々練習を重ねれば乗り越えられるともいえますが、乗り越える前に挫折してしまうことが多いです。
では両手の動きに差がない楽譜とは具体的にどのような楽譜なのでしょうか。
楽譜を手に取ったら左手側の五線譜を見て、和音や音符の数が少ないか、右手の動きに対して複雑な動きをしていないか確認します。
「頑張ればできそう」と感じるレベルの楽譜でしたら購入してみましょう。
#や♭の数が少ない
楽譜を選ぶときには♯や♭の数が少ない楽譜を選ぶのがおすすめです。
楽譜には調を表す調号があり、調によって♯や♭の数が変わります。
ハ長調のように♯や♭がない調もありますが、多い調の場合7つの♯や♭が付きます。
♯や♭が多くなるほど、難易度が高くなるので初心者のうちは調号が♯や♭1つまでの楽譜を選びましょう。
まとめ
この記事では、ピアノの練習曲を進める方法や順番について解説してきました。
「【初心者向け】練習曲を進めていく順番は?」では有名な練習曲と教本の順番を紹介しました。
有名な練習曲- メヌエット ト長調(バッハ)
- 人形の夢と目覚め(オースティン)
- エリーゼのために(ベートーヴェン)
- 貴婦人の乗馬(ブルグミュラー)
- カノン(パッヘルベル)
- バイエル
- ハノン
- ブルグミュラー
- ツェルニー
練習曲に取り組んで、ピアノを上達させていきましょう!
オススメ記事
意外と知らない?ピアノの正式名称|意味や歴史も合わせて解説します!
ピアノの正式名称は?名前の由来って知ってますか?ピアノの知識を増やしたい人に向けて、ピアノの正式名称や誕生までの歴史を丁寧に解説します!