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【体験談も紹介】音楽留学成功のカギ!先生選びのコツ◎

Written by
2024.08.19
dilella
【執筆・監修】dilella

日本の音楽大学声楽科を卒業後、イタリアに留学。現在、イタリア在住18年目になりました。自分の留学経験を生かし、これから留学をされる方にとって、本当にためになる情報を発信できればと思っています。 現役の留学生や国立音楽院の教授の声も積極的にご紹介させていただきます!

この記事では、音楽留学を検討中の方に向けて、先生選びのコツをご紹介します。
音楽留学で確実に実力をつけ、将来へのステップにするために、もっとも大切なのは先生選びと言っても過言ではありません。
貴重な留学のチャンスを最大限に生かすためにも、先生は慎重に選びたいものです。

今回は、私自身の留学経験を踏まえた上で、音楽留学で先生を選ぶコツをご紹介します。
記事の最後では、音楽留学が成功した方の体験談もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

音楽留学、先生選びが重要な理由とは?

音楽留学、先生選びが重要な理由とは?

音楽留学をしたい方の中には、「どうして先生選びが大切なの?」「大学の名前で選んではだめ?」と疑問に思われている方もいるかもしれません。
そこで、まずは、音楽留学で先生選びが大切な理由を解説します。

  • 音楽大学・院に入学する足掛かりになる
  • 自分が学びたい分野を掘り下げられる
  • 人脈が広がり将来につながる

それぞれ詳しくお話していきます。

音楽大学・院に入学する足掛かりになる

音楽留学をしたい方の中には、海外の音大や院への入学を検討されている方も多いと思います。
日本では、音大・院に入学したい場合、入学試験を受けて合格すれば入学できますが、海外の場合はやや事情が異なります。

欧米の場合、通常は希望する音大・院の教授のレッスンを受けて、教授が受け入れを許可してくださるのが、最初の一歩です。
その上で入学試験を受け、合格すれば無事入学ができます。
なぜこのようなシステムかと言うと、教授たちはそれぞれ音大・院に自分の「クラス」を持っており、受け入れ可能な学生数が決まっているためです。

いくら入学試験でよい成績をとっても、教授のクラスに空きがないと、入学が保留になってしまう可能性が大!

「〇〇音大に入りたい」という強い希望がある方も、いきなり入試を受けるのではなく、その音大で教えている教授を調べ、師事するのが近道です。

自分が学びたい分野を掘り下げられる

音楽留学をする方の中には、漠然と「ピアノを勉強したい」「海外で声楽を学びたい」など漠然とした夢ではなく、専門分野を掘り下げたい方が多いはずです。
例えば、私はイタリアオペラを専門に勉強したかったため、イタリアに留学して、自分と同じ声種の先生に師事しました。

自分が専門的に勉強したい分野のスペシャリストの先生に師事すれば、これまで学んだことをさらに掘り下げ、それは将来のための大きなステップとなるはずです。

人脈が広がり将来につながる

海外留学で先生選びが大切な理由としては、師事する先生次第で、得られる人脈が違ってくることもあげられます。
音楽大学で重要なポストに就いている先生や、演奏活動を精力的にされている先生は顔が広く、先生を通じて色々な人と知り合えます。
結果的に、演奏の機会に恵まれたり、優先的にオーディションに読んでもらえたりと様々なメリットがあるのです。
師事する先生を選ぶ際は、留学期間を終えた後の仕事のことまで考えるとより良い選択ができるはずです。

音楽留学で理想の先生を見つける方法

音楽留学で理想の先生を見つける方法

音楽留学で先生選びが大切な理由はご理解いただけたはずです。
しかし、実際に理想の先生を見つけるにはどうしたらよいのでしょうか?

ここでは、音楽留学で理想fの先生を見つける方法をご紹介します。

  • 日本で師事している先生に紹介してもらう
  • マスタークラスに参加する
  • 好きな演奏家の師事歴を確認する

それぞれ解説していきますね。

日本で師事している先生に紹介してもらう

音楽留学で師事する先生を見つけるには、まずは、現在指導を受けている先生に紹介をお願いするのが一般的です。
留学経験がある先生であれば、ご自分が師事されていた先生などを紹介してくださるでしょう。
礼儀としても、まずは先生に相談することは大切です。

先生ご自身に留学経験がなくても、門下生で留学している先輩を紹介してもらえることもありますよ!

マスタークラスに参加する

先生を探す方法としては、マスタークラスに参加するのもおすすめです。
海外でのマスタークラスの他、先生が来日して日本国内で開催されるものもあります。
また、近年は「オンラインマスタークラス」も盛んに開催されていますので、留学エージェントのHPなどでチェックしましょう。

マスタークラスは、聴講も可能ですので、積極的にいろいろな先生のマスタークラスに参加することをおすすめします。

好きな演奏家の師事歴を確認する

海外の先生のつてが全くない方は、好きな演奏家の師事歴を確認するのをおすすめします。
演奏家のプロフィールには、現在までの師事歴が記載されているのが一般的です。
先生が現役の場合は、海外の音大・院で教えていらっしゃる可能性も十分あります。

好きな演奏家の師事歴を見ていると、一人の先生にたどり着く、というケースも珍しくありません。
先生選びの決め手にはならないかもしれませんが、多くの先生を知るきっかけにはなるでしょう。

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先生選びで注目すべきポイント

先生選びで注目すべきポイント

次は、実際に先生を選ぶ上で注目すべきポイントをご紹介していきます。
先生を選ぶ際は、以下の4つのポイントをチェックすることをおすすめします。

  1. 経歴や実績
  2. 教育スタイルと指導方法の相性
  3. 留学先での文化的適応力
  4. 門下生のレベル

経歴や実績

先生を選ぶ際のもっとも大切なポイントの一つが、経歴や実績です。
インターネットで先生の名前を検索するだけで、かなりの情報を得られるはずです。
経歴や実績を見るときは、以下に着目しましょう。

  • コンクール入賞歴
  • コンサート出演歴
  • 指導歴
  • コンクールの審査員としての実績

経歴や実績が華やかな先生が、全員が名教師と言い切れるかと言えば、そうではないこともあります。
また、先生と生徒の関係であっても「相性」はつきまといますので、先生を選ぶ時は、最初から一人に絞らないことをおすすめします!

教育スタイルと指導方法の相性

教育スタイルと指導方法の相性の確認も大切です。
まず教育スタイルですが、これは実際にレッスンを受けてみないとわからない部分も多いです。
1度レッスンを受けてみるのが理想的ですが、レッスンを聴講したり、マスタークラスに参加するだけでもかなりのことがわかります。

指導方法は、先生によってはかなり個性的で独自の方法を実践されている方も。
私の体験談になりますが、イタリアである有名なオペラ歌手のレッスンを受けた時、グループレッスンしかされないことに驚きました。
20分程度のサイクルで、レッスンを受ける生徒が変わり、自分がレッスンを受けていない間は、レッスン室で聴講するのがルールでした。

そして、お互いに意見を交換したり、同じ箇所を別の生徒が歌ったりと、レッスンは始終グループで進み、半日、時には丸一日レッスン室にいることもありました。

このスタイルが苦手で、やめていく留学生や学生もいたので、指導方法は、非常に大切なポイントと言えるでしょう。

留学先での文化的適応力

先生を選ぶときは、文化的適応力も大切なポイントです。
その最たるものが、先生がお話しになる言語です。
留学生を積極的に受け入れている先生の中には、英語が母国語でなくても、英語でレッスンをしてくださる先生も多数いらっしゃいます。
しかし、留学生受け入れ経験が少ない先生や、年配の先生の場合は、母国語しか話されない先生も珍しくありません。

この場合、先生は母国語でレッスンできる生徒を優先的にとることも多いため注意が必要です。

門下生のレベル

個人的に先生選びの上で非常に大切だと思うのが、門下生のレベルです。
どの先生の門下でも、トップクラスの学生は非常に優秀です。
しかし、門下全体で見るとレベルにばらつきがあるのが一般的でしょう。

門下生全員のレベルが高い先生は、きめ細かく丁寧な指導をされているケースが多いです。
受験したい音大・院は決まっているが、つく先生が決まっていない方は門下生全体のレベルをチェックしてみましょう。

音大・院では、頻繁に学内コンサートが開催されていますので、渡航するのが可能であれば、足を運んでみることをおすすめします。

留学中のサポート体制とトラブル対策

留学中のサポート体制とトラブル対策

ここでは、留学中のサポート体制やトラブル対策についてお話します。

留学中のサポートについて

留学中のサポートは、留学エージェントを利用すれば受けることが可能です。
私自身、最初に海外で受けたマスタークラスは、留学エージェントを通して申し込みました。
(AIMSです)

当時は、イタリア語に不安があったため、すべて日本語で申し込めるのはとてもありがたかったです。
現地での送迎・翻訳もサポート内容に含まれていたため、安心して渡航してマスターコースを受講することができました。

私は、マスタークラスを足掛かりにして、その後、1年間語学学校に通いつつ、国立音楽院の受験のための準備をしました。
しかし、マスタークラスで知り合った日本人の方は、帰国後にエージェントの「海外留学準備コース」を受講して、実技、ソルフェージュ、語学をまとめて準備していました。

何をどう準備してよいかわからない方は、こういったサービスを利用するのを検討してみてもよいのではないでしょうか。

留学中のトラブル対策について

留学にはトラブルはつきもの、と言っても過言ではありません。
しかし、留学中にありがちなトラブルを把握しておくと、未然に防ぐことができるでしょう。

留学中のトラブルで多いのは以下です。

  • 家が見つからない・練習していたら苦情が来た
  • 言葉の問題
  • 先生とうまくいかない

少し詳しく解説していきますね!

家が見つからない・練習していたら苦情が来た

留学中の家のトラブルは決して少なくありません。
ロンドン、ニューヨーク、ミラノ、ベルリン、パリなどの大都市は家賃が高騰しており、留学生向きのアパートを探すのは簡単ではありません。
また「楽器可」と不動産屋で言われて入居したのに、練習をすると苦情が来て悩む留学生も少ないのが現状です。

対策としては、SNSの日本人コミュニティに参加しておきましょう。
帰国や引っ越しのタイミングで、次の借主をSNSで探す人が多いからです。
音出し可能物件も多いため、渡航前からチェックしましょう。

言葉の問題

言葉の問題は、留学生の多くが経験しますが、こればかりは時間が必要です。
最初はまったくわからないレベルでも、三か月目くらいから聞き取れる単語が増え、半年程度で日常会話レベルになるケースが多いでしょう。
日本人とばかり行動していると、なかなか現地の言葉が入って来ないため注意しましょう。

先生とうまくいかない

音大・院に在籍している場合は、他の先生のクラスに空きがあればとってもらえます。
ただし、師事している先生の了解を得ずに、他の先生にコンタクトを取るのは、あまり良いことではありません。
これは、日本も海外も同じですので、先生を変えたい時は、まずは先生と直接話すのが先決です。
日本人はあまり感情を表に出さない傾向があるため、先生によっては、生徒が悩んでても気づかないことも。
先生にうまくいっていないと感じている、伸び悩んでいる気がする、など思っていることを話すことで、レッスンのやり方が変わることも少なくありません。

成功事例と体験談

成功事例と体験談

最後に、留学生の成功事例と体験談をご紹介します。

ミラノヴェルディ音楽院(国立)に留学中のAさんの例

Aさん(仮名)は、日本の音楽大学の声楽科を卒業後に、ミラノのヴェルディ音楽院のCorso Accademio secondo livello(修士過程)の入学試験を受けました。
Aさんは、もともと大好きなイタリアオペラを本場であるイタリアで学びたいという夢を持っていましたが、当初は卒業後は大学院に進学するつもりでした。

そんなAさんの転機は、大学4年の時に受けたマスタークラスです。
先生に気に入られて卒業後にイタリア留学を勧められ、当初の予定を繰り上げ留学することを決意したのです。

マスタークラスの先生に、ヴェルディ音楽院の教授を紹介され渡伊、まずは3か月語学学校に通いつつ、レッスンに通ったAさん。
イタリアの国立音楽院は、日本から出願する必要があったため、1度帰国し翌年6月に入試を受け無事合格されました。

現在、修士過程2年目ですが、すでに数々の学内公演で主役の座を射止め、さらに、国内外のコンクールで入賞し、ナポリの歌劇場でのデビューが決まっています。
ちなみに、Aさんは、現在もマスタークラスで出会った先生のレッスンは継続しており、先生が主催するコンサートにも出演し、イタリア国内での活躍の場を広げています。

Aさんは、良い師に恵まれ留学が成功したケースと言ってよいでしょう。
成功のポイントは、なんと言っても早い時点で留学を意識し、マスタークラスを受けたことでしょう。
これによって、イタリアにツテができて、一気に留学実現に拍車がかかりました。

海外の音大・院は年齢制限を設けていない学校もありますが、学士は25歳、修士は30歳など制限している学校もあります。
留学したいと思っている方は、情報収集だけでも早めにすることをおすすめします。

自分にあった先生を見つけて音楽留学を成功させよう

自分にあった先生を見つけて音楽留学を成功させよう

今回は、音楽留学をご検討中の方に向けて、先生選びの大切さと、自分にあった先生を探す方法をご紹介しました。
音楽留学が成功するかどうかは、先生選びにかかっていると言っても過言ではありません。
幸いにも、現代はインターネットで日本にいながらにして、いろいろな情報を集めたり、オンラインでマスタークラスに参加することができます。

ぜひ、できるだけたくさん情報を集めて、自分にとって理想の先生を探し、音楽留学を成功させましょう。

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