ピアノ歴20年以上のWEBライターです。コンクールや受験、さらにピアノ指導経験を活かした記事作成を行っています。
目次
- シャープの基本を理解しよう!
- シャープとは?
- シャープの音の特徴
- 調号として使われるシャープ
- 臨時記号として使われるシャープ
- シャープの楽譜記号
- 各音のシャープの位置と特徴
- ソのシャープの位置
- ラのシャープの位置
- シのシャープの位置と特徴
- ドのシャープの位置
- レのシャープの位置
- ミのシャープの位置と特徴
- ファのシャープの位置
- シャープを使った練習方法
- 鋭い音を正確に出すコツ
- シャープを使った簡単な曲の練習
- 練習における注意点
- シャープ音の注意点
- 指使いのコツ
- シャープが特徴の人気の曲を紹介
- シャープが印象的なクラシック
- リスト〜ラ・カンパネラ パガニーニ大練習曲第3番嬰ト短調〜
- バッハ〜平均律クラヴィーア曲集第1巻より第3曲嬰ハ長調〜
- ショパン〜別れの曲 12の練習曲Op.10-3ホ長調〜
- シャープが印象的なポップス
- 春よ、来い(嬰ニ短調アレンジ)
- YOASOBI「アイドル」(嬰ト短調アレンジ)
- まとめ〜ピアノのシャープの基本を学ぼう〜
ピアノを習う過程で必ず通るシャープやフラット。 楽譜上では臨時記号や調号と呼ばれ、多くの楽曲に使われています。
ピアノの楽譜を見た時に、シャープがたくさん並んでいるだけで難しいと感じてしまいますよね。 私自身、ピアノを習い始めた頃はシャープに印をつけて譜読みの訓練をしていました。
今回の記事では、ピアノの楽譜に出てくるシャープについて、鍵盤上の正確な位置や練習曲、練習方法を解説いたします。
シャープの基本を理解しよう!
まず、シャープの基本を解説いたします。 特徴や楽譜記号を覚えてしまえば、譜読みも早くなりますよ。
シャープとは?
シャープとは、楽譜上で「半音上げる」という意味を持つ音楽記号のことです。 ピアノをはじめ、あらゆる音楽ジャンルの楽譜に使われています。
ちなみに、シャープの逆で「半音下げる」と指示する音楽記号はフラットと呼ばれます。
さらに、シャープやフラットがついた音をもとに戻すナチュラルという記号も一緒に覚えておきましょう。
シャープの音の特徴
シャープの音には2つの特徴があり、楽譜の読み方も変わってきます。
- 調号として使われるシャープ
- 臨時記号として使われるシャープ
調号として使われるシャープ
引用:バッハ平均律クラヴィーア曲集第1巻(ウィーン原典版)
楽譜の左端にあらかじめシャープが記載されている場合は、調号と判断します。 調号とは、ハ長調やト長調といった楽曲の調性を表す記号のことです。
例えば「ファ」にシャープがつくト長調は、楽譜上のすべての「ファ」にシャープがついていると考えてください。 実際は、楽譜の左端にのみシャープが記載されます。
以下は、シャープが使われている調とシャープの数をまとめています。
ト長調/ホ短調(シャープ1つ) | ファ |
---|---|
ニ長調/ロ短調(シャープ2つ) | ファ・ド |
イ長調/嬰ヘ短調(シャープ3つ) | ファ・ソ・ド |
ホ長調/嬰ハ短調(シャープ4つ) | ファ・ソ・ド・レ |
ロ長調/嬰ト短調(シャープ5つ) | ファ・ソ・ラ・ド・レ |
嬰ヘ長調/嬰ニ短調(シャープ6つ) | ファ・ソ・ラ・ド・レ・ミ |
嬰ハ長調(シャープ7つ) | ファ・ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ |
臨時記号として使われるシャープ
引用:バッハ平均律クラヴィーア曲集第1巻(ウィーン原典版)
シャープが臨時記号として使われる場合は、音符の左側に「♯」という記号が記されています。 調号がないハ長調やイ短調の楽譜を見てみると分かりやすいですよ。
臨時記号のシャープがついている音は同一小節内だけ半音上げて弾き、同じ小節内にナチュラルがあれば元の音に戻します。
また、1小節内にシャープがつけられた音とオクターブ上の同じ音がある場合は、シャープが記された音だけを半音上げて弾くのがルールです。
シャープの楽譜記号
楽譜上でシャープを表す記号は「♯」です。 複雑な楽曲では、ダブルシャープ(Xのような記号)も出てきます。
ダブルシャープとは、シャープ2個分つまり半音上げるを2回実行することです。 ダブルシャープは臨時記号として扱われ、調号には使われません。
各音のシャープの位置と特徴
シャープは「半音上げる」という意味ですが、そもそも「半音」とはピアノの鍵盤上で隣り合った音のことです。 つまり、「ド」と「ド♯」や「レ」と「レ♯」のような位置関係。
では実際に、各音のシャープの位置を見ていきましょう。
ソのシャープの位置
ラのシャープの位置
シのシャープの位置と特徴
シのシャープ音は特殊で、シとドの間に黒鍵がないため隣のドがシのシャープ音になります。
ドのシャープの位置
レのシャープの位置
ミのシャープの位置と特徴
ミのシャープはシと同様で、ミとファの間に黒鍵がないため隣のファがミのシャープ音になります。
ファのシャープの位置
シャープを使った練習方法
シャープを弾くとなると、ピアノの鍵盤上では黒鍵を使うことが多いです。 黒鍵は白鍵よりも位置が高いため、指を滑らせて音を外したり、音がきれいに鳴らないというリスクがあります。
さらに、シャープが6つ以上つく嬰ヘ長調や嬰ハ長調は、黒鍵ばかりを弾くことになります。 そのため、シャープ対策に効果的な練習も必要ですね。
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鋭い音を正確に出すコツ
ピアノの白鍵と黒鍵のタッチは、基本的に同じです。 スタッカートのように音を短く切って鋭い音を出すコツは、指を振り下ろす瞬発力を鍛えること。
黒鍵の音を正確に出すためには、鍵盤上で指先の位置を決めることから始めてみましょう。
指が常に同じ位置を捉えて弾くことで、タッチが安定してミスタッチの防止にも効果的です。
また、単音だけではなく黒鍵のみの和音や重音奏法を取り入れて、手のポジションを覚える練習も取り入れてみてください。 これは、指使いのパターンを覚えて速いパッセージをクリアな音で弾くために必要な練習と言えます。
シャープを使った簡単な曲の練習
引用元:ハノン(全音楽譜出版社)
シャープの弾き方を習得するおすすめの曲は、ハノンです。 初見で弾ける単純な指運動だからこそ、自己流にアレンジすることもできます!
例えば、第1番。最初の音は「ド」ですが、スタート音を「ド♯」「レ」「レ♯」のように半音ずつ上げてみてください。
白鍵だけではなく、黒鍵も混ざってくるので良い練習になりますよ。 もちろん、最初はテンポを上げずに正確なタッチで弾くことを心がけましょう。
練習における注意点
ピアノの練習をする際に注意することは、ミスタッチも練習されてしまうこと!
つまり、練習だから間違えても大丈夫だと思ってミスタッチを繰り返すと、そのミスも練習したことになってしまいます。
日頃のピアノ練習でも、ミスタッチを軽く考えず集中して取り組むことが大切です。
シャープ音の注意点
シャープ音は、臨時記号または調号の2種類あります。 譜読みをする際は、まずシャープの種類を見極めてください。
臨時記号の場合は、元の音に戻すタイミングやオクターブなどのルールに注意して、音間違いに気をつけましょう。
指使いのコツ
シャープやフラットがつく音をピアノで弾く場合、黒鍵を使うことが多いです。 また、指の構造上、親指以外の指で黒鍵を弾くことが基本とされています。
なぜなら、親指は鍵盤を指の側面で捉えるので、手のポジションが崩れたり音質が変わってしまうリスクがあるからです。
どうしても親指を使わざるを得ないパターンもありますが、基本的には黒鍵を親指で弾くのは避けましょう。
シャープが特徴の人気の曲を紹介
ここからは、シャープが多いピアノ曲(クラシック・ポップス)をご紹介します。
シャープが印象的なクラシック
まずは、シャープが多く使われているクラシック曲を3曲ご紹介しますね。
リスト〜ラ・カンパネラ パガニーニ大練習曲第3番嬰ト短調〜
超絶技巧で知られるリストの「ラ・カンパネラ」は、シャープが5つの嬰ト短調の曲です。 鐘の音からインスピレーションを得た楽曲としても有名で、高音域の響きやオクターブの連打が特徴的。
また、黒鍵を多く使う曲で弾くことも難しいですが、聴き映えする人気曲です。
バッハ〜平均律クラヴィーア曲集第1巻より第3曲嬰ハ長調〜
24すべての調の前奏曲とフーガからなる平均律クラヴィーア曲集は、音大受験やコンクールでも課題になるピアノ学習者にとって大切な曲集です。
その中でも第3番は、シャープ7つの嬰ハ長調。 譜読みが難しい曲ですが、シャープが多い楽曲に慣れるための課題におすすめですよ。
ショパン〜別れの曲 12の練習曲Op.10-3ホ長調〜
ピアノの詩人と呼ばれたショパンの代表曲。 「別れの曲」という表題の美しい曲ですが、実は練習曲として作られた楽曲なのです。
シャープが4つのホ長調で3部形式の「別れの曲」は、叙情的で優雅なメロディと劇的で荒々しい中間部分の対比が特徴的。 演奏難度も高い曲ですが、ピアノ学習者にとって憧れの一曲と言えます。
シャープが印象的なポップス
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春よ、来い(嬰ニ短調アレンジ)
「春よ、来い」は、嬰ニ短調(シャープ7つ)をはじめ、さまざまな調や難易度のピアノアレンジ楽譜が存在します。
また、ピアニストが好んで弾くことも多く、ポップスのピアノカバー曲として有名です。 聞き馴染みのある切ないメロディが印象的。
YOASOBI「アイドル」(嬰ト短調アレンジ)
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まとめ〜ピアノのシャープの基本を学ぼう〜
今回は、ピアノの楽譜に登場するシャープについて詳しく解説してきました。 単純な音楽記号ですが、楽曲の調を構成したり曲調を変化させる重要な役割も担っています。
シャープを掘り下げてみると、楽譜の読み方も変わってくるかもしれませんね。
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