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【ピアノ留学する方必見】ビザの取得方法は?体験談も交えて解説◎

Written by
2024.10.03
dilella
【執筆・監修】dilella

日本の音楽大学声楽科を卒業後、イタリアに留学。現在、イタリア在住18年目になりました。自分の留学経験を生かし、これから留学をされる方にとって、本当にためになる情報を発信できればと思っています。 現役の留学生や国立音楽院の教授の声も積極的にご紹介させていただきます!

この記事では、ピアノ留学を検討中の方のために、ビザの取得方法を解説します。
音楽留学を含め、海外留学をする際はビザが必要です。

ビザは国によっては、取得に時間がかかることがあるため、時間に余裕を持って準備することが大切です。
本記事では、音楽留学に必要なビザの種類や、短期滞在でのビザの必要性、申請に必要な書類などを徹底的に解説します。
記事の最後では、音楽留学のビザに関する質問で多いものをピックアップしてご紹介しますので、ぜひお役立てください。

ピアノ留学をする予定の方は必読ですよ!

音楽留学のビザについて知ろう

音楽留学のビザについて知ろう

それでは、まずは音楽留学のビザの基本的な事柄について解説します。
ここを読めば、以下の3つがわかります。

  1. 音楽留学に必要なビザの種類
  2. 短期滞在のビザの必要性
  3. 留学ビザの種類の違い

それぞれ詳しく解説していきます。

音楽留学に必要なビザの種類

音楽留学に必要なビザの種類は>「学生ビザ」と呼ばれる、就学を目的とした滞在者に対して発給されるビザです。
そのため、学生ビザを取得するためには、現地の学校への入学証明書が必要になり、学生ビザを保有するには、一定以上の出席が条件になります。

プライベートレッスンを受けるために留学を考えている方もいると思いますが、一般的に90日以上海外に滞在する時は、ビザが必要です。
プライベートレッスンでは、学生ビザは発給されませんので、語学学校に入学するなど、教育機関に在籍することが必要です。

短期滞在(数週間)のビザは必要?

短期滞在、特に入試のためなどに数週間滞在する際は、基本的にはビザは必要がありません。
音楽留学に多い、アメリカ、イギリス、ヨーロッパはほとんどの国で短期滞在の際のビザは不要となっています。
しかし、世界の国の中には、渡航目的に関わらず入国にビザが必要な国も。
ピアノで留学するなら、ロシアを検討している方もいるかもしれませんが、2023年8月1日から、ロシアへの入国の際は目的に関わらずビザが必要です。
ロシアのビザ情報は、後程各国のビザ情報と一緒にご紹介します。

ビザの種類と違いを解説

基本的に、音楽留学で必要なビザは学生ビザであることがわかっていただけたと思います。
音楽大学や音楽学校に入学する方は、学生ビザを取得することになりますので、計画的に準備しましょう。
ここでは、ご参考までに他のビザについても簡単にご紹介します。

就労ビザ ・居住を予定する国で申請する
観光ビザ ・日本国籍者は不要な国多数
・就労はできない
ワーキングホリデービザ ・最長1年(国による)
・就労制限あり

学生ビザとは、そもそも滞在の目的が異なり、滞在できる期間もまた異なります。
音楽留学をされる方は、就労ビザやワーキングビザは直接的には関係ないと思いますが、知識として覚えておいて損はないでしょう。

音楽留学ビザの取得方法は?

音楽留学ビザの取得方法は?

次は、音楽留学のビザの取得方法について解説していきます。

ビザ申請に必要な書類と手順

ビザ申請に必要な書類は、国によって若干異なる可能性がありますが、基本的には以下です。

  • パスポート
  • 証明写真
  • 入学許可証
  • 住居に関する書類
  • 滞在期間をカバーする海外旅行保険のコピー
  • 経済状態を証明する書類
  • 学費支払い証明
  • 申請費用の支払い完了証明

それぞれ詳しく見ていきます。

パスポート

パスポートは、有効期限が90日以上残っている状態で提出しましょう。
原本に加えて、表と裏表紙、顔写真と住所のページをカラーコピーして準備しておきます。
パスポートの住所は、入学許可書に記載されている日本の住所と一致する必要がありますので、注意しましょう。

証明写真

証明写真は、パスポート用と同じサイズで正面を向いている写真を用意します。
写真に関する規定は、外務省パスポート申請用写真の規格を参考にしてください。
外務省パスポート申請用写真の規格(令和5年8月10日更新)

入学許可証

入学許可証は、留学先の音楽大学や音楽院、語学学校などが作成した原本とコピーを準備しましょう。
入学許可証には、入学するコース、氏名、生年月日、日本の住所などが正確に記載されている必要があります。

住居に関する書類

住居に関する書類とは、入寮許可証や大家さんからの受け入れが確認できる書類のことです。
留学先での住居を確保していることを証明する必要があるため、ビザ申請時には家を見つけておく必要があります。

滞在期間をカバーする海外旅行保険のコピー

ビザを申請する際は、滞在期間をカバーする海外旅行保険のコピーも必要です。
長期留学の場合は、初年度をカバーする年間契約書のコピーを準備しましょう。
ちなみに、保険証明書は英文に訳されたものが必要な場合もありますので、確認の上保険会社で作成してもらいましょう。

経済状態を証明する書類

留学先がどの国であってもビザ申請の際に必ず提出が必要な書類です。
銀行口座の残高証明や、通帳のコピーが一般的ですが、奨学金をもらっている人は、それを証明する書類が必要です。
ちなみに、提出できる書類が銀行残高証明だけの場合は、最低でも200万円程度の預金が必要とされています。

学費支払い証明

ビザを申請する際は、留学先の学校の支払いが完了していることを証明する書類の提出を求められることもあります。
銀行送金のページをダウンロードしてPDFにしたり、受領書が送られてきた場合は、そちらを提出しましょう。
申請前に各国の大使館などのHPで確認してください。

申請費用の支払い完了証明

ビザ申請時には、申請料金の支払いが完了していることを証明する書類が求められることもあります。
窓口で支払う場合や、オンライン申請ページで支払いをする場合は必要ありませんので、事前に確認しておきましょう。

申請時の注意点

ビザを申請する際の注意点は、大きく分けて2つです

  • 時間に余裕を持って申請する
  • 書類に不備がないようにする

ビザの申請から受け取りは通常は最長でも1か月程度です。
ただし、申請が混み合っている場合などは、時間がかかることも。
追加料金を支払うと、申請までの時間が短縮できるケースもありますが、すべての機関が対応しているわけではありません。

また、書類に不備があると何度も申請に足を運ぶことになり、時間がかかる上コストもかさみます。
ビザ申請は、一度で終わるよう、しっかりと書類を確認しましょう。

オンライン申請の方法と流れ

ビザのオンライン申請ですが、国によってオンラインでできる内容が異なります。

  • 申請手続きのためのアポイントが取れる
  • 必要書類のアップロードまでできる
  • 申請料金の支払いまで完了できる

上記の3つのケースがありますので、事前に確認して計画的にしましょう。

いずれにしても、受け取りは発行先の大使館、領事館に出向きます。
現在、カナダは申請から発給までに3か月程度かかるという情報もありますので、カナダに留学予定の方は、早め早めの準備が必要です。

音楽留学における国別のビザ情報

音楽留学における国別のビザ情報

ここでは、音楽留学における国別のビザ情報をご紹介します。
今回ご紹介する情報は、2024年9月時のものですので、実際にビザを申請する際は、各国の最新情報を確認してください。
 

アメリカでの音楽留学ビザ

アメリカに長期で音楽留学をする際には、滞在が3か月を超える場合は学生ビザが必要です。
申請に必要な書類は先ほどご紹介した「ビザ申請に必要な書類と手順」を参考にしてください。
ビザの申請料金は、185ドルとなっています。

一方、受験のために渡航する、マスタークラスや、講習会に参加するなどの場合は、滞在が90日を超えなければビザは不要です。

ただし、アメリカでは90日以内の滞在には「ESTA」と呼ばれる短期滞在者向けの査証が必要です。
オンラインで申請でき、通常は72時間以内に認証されますが、申請料が21ドルかかります。

在日米国大使館と領事館ビザサービス

イギリスでの音楽留学ビザ

イギリスは、6か月以上の留学をする際に学生ビザ(Student Visa)が必要です。
申請に必要な書類は先ほどご紹介した「ビザ申請に必要な書類と手順」を参考にしてください。
イギリスの学生ビザの有効期限は、学位レベルの場合は、最長5年間、学位レベル未満の場合は、最長2年間有効です。
申請費用は、490ポンドとなっています。
受験や、マスタークラスなどで渡航される場合は、6か月までの滞在であればビザは不要です。

英国学生ビザ申請者向けのアドバイス

ヨーロッパ諸国のビザ事情

ヨーロッパ諸国の音楽留学に必要なビザは、国によって異なりますが、基本的には、3か月以内の滞在であれば、ビザは必要ありません。
一方、音大や音楽学校に入学したり、語学学校に3か月以上通いつつ、プライベートレッスンを受ける場合は、学生ビザの申請が必要です。
必要な書類は、ヨーロッパ以外の国と同様ですが、銀行口座に必要な残高最低額などは、国によって異なりますので、各国の大使館・領事館のHPで確認しましょう。

ロシアのビザ事情

音楽大学や音楽院の受験でロシアに渡航する場合は、90日以内の滞在であってもビザが必要です。
学校に「招待状」を作成してもらい、個人ビザを申請する必要があります。
個人ビザでは、最長90日間の滞在しかできないため、合格した場合は学生ビザへの切り替えが必要になります。

必要な書類は、他の国とほぼ同様ですが、申請時は、公式ビザセンターのHPで確認しましょう。

日本のロシアの公式ビザセンター

【体験談付き】ビザ取得の際のアドバイス

【体験談付き】ビザ取得の際のアドバイス

ここでは、実際に私がイタリアに音楽留学をした際のビザ取得体験談をご紹介したいと思います。

実際の留学体験談とビザ取得のポイント

私がイタリアに留学した時は、語学学校に通いながら、マスタークラスに参加したり、プライベートレッスンを受けていました。
語学学校は1年コースだったため、1年間有効の学生ビザを取得できました。
オンライン申請はできないため、まずは必要な書類を揃えてから、アポイントを取り、イタリア大使館に出向いて申請しました。

申請時の住所によって、東京のイタリア大使館か、大阪の領事館で申請するかが決まりますのでしっかり確認する必要があります。
申請に必要な書類は以下でした。

  1. ビザ申請書
  2. パスポートサイズの写真
  3. パスポート
  4. 住民票
  5. 海外傷害保険の契約書(医療補償額が無制限である)
  6. 留学の資金が入金されている本人名義の銀行口座の通帳およびコピー
  7. イタリアの住居に関する証明書(家主の受け入れ承諾証明書など)
  8. 留学先の発行する入学許可証の原本とコピー
  9. 留学先の学校がイタリアの教育監督局の認可を受けていることを証明する書類

正直、すべての書類を準備するのは簡単ではありませんでした。
特に大家さんのレスポンスが遅く、かなり難航したのを覚えています。
最後は、知り合いのイタリア人に間に入ってもらい、なんとか必要な書類を全て揃えることができました。
でも、とにかくイタリアに行きたい一心で準備しました。
国によって、時間に端する感覚が日本とは違うということを実感した期間でした。

失敗しないビザ申請のためのアドバイス

ビザ申請は、もし書類に不備があれば、出直しになります。
大使館や領事が遠方の場合は、特に、徹底したチェックで不備がないようにしましょう。
また、これから家を探す方は、最初は語学や音楽院が提携している家や寮に入るのがおすすめです。
住居証明を速やかに入手できるので、ビザ申請の書類集めのストレスが大幅に軽減されますよ!

ビザ申請後の流れと留学前の準備

ビザ申請をして、書類に不備がなければ申請完了となり、あとは発給を待つだけです。
最短1週間と言われていますが、国によっては2か月前後かかることもあります。
発給を待つ間に、留学に持っていくものの準備をしましょう。
私が、留学先に持って行ってよかったと思ったものをご紹介しておきます。

  • フリーズドライの和食
  • 常備薬
  • 生理用品
  • 先生へのお土産

イタリアは、この数年の和食ブームで、普通のスーパーにもお醤油や味噌、うどん、そば、日本米が置かれています。
イタリア以外でも、留学生が多くいくような大きな街には、日本食材を扱うアジアンショップも豊富ですので、日本から多量の食品を持っていく必要はないと思います。

扇子、和柄の小銭入れなど、小さくてかさばらないものを、師事する先生のお土産として持っていくと、非常に喜んでもらえますよ!

音楽留学ビザに関するよくある質問

音楽留学ビザに関するよくある質問

最後に、音楽留学ビザに関するよくある質問をまとめてご紹介します。

留学ビザ申請にかかる時間と費用は?

ビザ申請にかかる時間と費用は国によって異なります。
一般的には、最長でも1か月程度ですが、一部の国では2〜3か月かかるケースも報告されています。
費用も国によって異なりますが、2万円前後の国が多いでしょう。

ビザ申請に関するトラブルで最も多いのは?

ビザ申請に関するトラブルでもっとも多いのは、申請時に必要書類が不足するトラブルです。
また、留学先の機関や、居住予定の家の大家さんから必要な書類が送られてこないトラブルも珍しくありません。

出発予定日や、授業開始する日に間に合わないということがないよう、時間に余裕を持って必要書類は集めたいものです。
請求しても送られてこない場合は、メールではなく電話で交渉するとスムーズですよ。

ビザが取れなかった場合はどうする?

もしビザが取れなかった場合の対処法ですが、出発を遅らせるのが最善でしょう。
90日以内の滞在であれば、ビザが不要な国もありますが、就学するとなれば滞在には学生ビザが必要です。

入学許可が降りていれば、始業日に出席できなくても大きな問題にはなりません。
ただし、規定の出席日数をクリアしないと、進級できない、試験が受けられないこともありますので、大幅な延期はおすすめできません。

計画的にビザの準備をして音楽留学をスタートさせよう

計画的にビザの準備をして音楽留学をスタートさせよう

今回は、音楽留学に必要なビザの種類や取得方法について解説しました。
せっかく良い先生を見つけて、希望する音楽大学や音楽学校の入試に合格しても、ビザの申請が間に合わないと渡航を延期したり、最悪の場合、入学できないことにもなりかねません。
ピアノ留学を考えている方は、先生探しや受験準備と一緒に、ビザに関する情報もチェックして計画的に準備をしましょう!

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