ピアノ歴20年以上のWEBライターです。コンクールや受験、さらにピアノ指導経験を活かした記事作成を行っています。
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毎日ピアノの練習をしているのに上達が実感できない、思い通りに弾けないというお悩みはありませんか?
ピアノの上達には個人差があり、習い始めた年齢によっても習得度が変わってきます。
さらに、ピアノ曲の難易度が上がると、練習量や高度なテクニックが必要になりますね。
しかし、ピアノは長時間練習すれば上達するわけではありません。
また、集中力や楽譜・教本のレベルなど、上達を妨げる要因はさまざまです。
そこで今回の記事では、ピアノが上達しない理由や効果的な練習方法、モチベーションについて解説いたします。
ピアノが上達しない原因とは?
まず、ピアノが上達しない主な原因を考えてみましょう。
上達を妨げる要因を理解することで、ピアノの向き合い方も変わると思いますよ。
練習時間が適切ではない
ピアノが上達しないのは、日頃の練習時間を効果的に使えていないことが原因だと考えられます。
例えば、集中力を欠いた状態で5時間以上もピアノの練習をしても、成果はほとんど見られないケースが多いです。
他のことに気を取られて、楽譜をよく見ていなかったり、自分の音を聞いていない練習では上達は難しいでしょう。
私も、毎日6時間以上ピアノの練習をしていたのに、レッスンで思うように弾けない時期がありました。
先生に相談すると、長時間なんとなく練習していても上達しないと言われ、見直した経験があります。
短時間でも、目標を立てて集中して練習することも大切なのです。
練習方法に問題あり
間違ったピアノの練習方法として、以下のポイントが挙げられます。
- 通し練習ばかりを繰り返す
- 弾けないテンポで練習している
- 練習の目的が明確ではない
- 楽譜を有効活用していない
通し練習ばかりを繰り返す
曲の冒頭から弾き始め途中で間違えて止まった場合、もう一度最初から弾いていませんか?
ここで大切なのは、間違えた箇所を丁寧に練習することです。
なぜ弾けなかったのかを考えて、部分練習を繰り返す方が効果的な練習と言えます。
何度も間違えて苦手意識を感じてしまうとスムーズに弾けないので、早めに部分練習を取り入れてください。
弾けないテンポで練習している
練習曲やテンポが速い楽曲を練習する際に、いきなり指定されたテンポで弾くと逆効果です。
指使いが決まらない、テンポ感やリズムが崩れてしまうなど、上達の妨げになります。
弾きやすい部分とつまづきやすい難しい箇所を見極めるためにも、まずは一音ずつゆっくり弾く練習から始めてみましょう。
練習の目標が明確ではない
ピアノの練習をする際に、なんとなく楽譜を開いて弾き始めても成果は現れにくいです。
ノープランよりも、どの部分を練習すべきか・テンポはどうするといった目標を立てることが効果的な練習と言えます。
楽譜を有効活用していない
ピアノの楽譜には、演奏に必要な記号や音楽用語が記載されていますよね。
さらに詳しく練習方法を提案してくれる改訂版もあります。
しかし、楽譜をあまり重視せず練習を続けると、上達するまでに時間がかかってしまうかもしれません。
上達のヒントを見落とさないように、楽譜を有効活用することも大切です。
さらに、ピアノの練習に欠かせない楽譜には、先生からのアドバイスや間違えやすい箇所に印をつけるなど、いろいろ書き込んでおくと役立ちます。
基本のテクニック不足
練習しているピアノ曲の難易度に対して、自分の基本テクニックが追いついていないと上達が難しくなります。
ちなみに、ピアノの基本とは音階(スケール)や分散和音(アルペジオ)、オクターブ奏法やペダリングなど。
完成度の高い演奏を目指すためにも、まずは自分の実力を理解して、足りないテクニックを強化する練習を並行してみてください。
ピアノの楽譜・教本が合っていない
ピアノの練習やレッスンで使用する楽譜や教本の選び方も、上達に大きく影響します。
例えば、大人の初心者の方が原典版の楽譜を使用するのは難しいと思います。
なぜなら、原典版にはほとんど指示記号が書かれていないからです。
一方で初心者向けの教本には、弾き方のアドバイスや指使い、練習方法などが記載されているので、ピアノの上達を目指す方に最適と言えます。
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ピアノが上達する効果的な練習方法をご紹介
ここからは、ピアノの上達につながる効果的な練習方法をご紹介します。
片手ずつ練習
初めて取り組むピアノ曲は、片手ずつ譜読みをすることが多いですね。
しかし、両手で弾けるようになったら片手練習は必要ないと思われがちです。
特に、ミスが多い難しい箇所は、速いテンポであっても片手ずつ丁寧に練習してみてください。
大切なのは、両手で弾いていると気付けないクセや改善点を発見することです。
さらに、見落としやすいのは暗譜で弾く段階。
両手だけではなく、片手ずつでも暗譜で弾けるように練習しましょう。
本番で予想外のハプニングが起きた時も、暗譜を徹底していればなんとか乗り切れます。
ミスのないテンポ設定
Allegro(快速なテンポ)やPresto(急速)といったピアノ曲に取り組む際は、いきなり速いテンポで練習することは避けましょう。
まずは、全体的にゆっくり弾いて自分の中でミスをしないテンポを決めておきます。
メトロノームを使うとよりテンポ感が安定するので、おすすめです。
そして、楽譜が頭に入ってきたら少しずつ目標のテンポに近づけて、弾きにくい箇所があれば部分練習。
テンポを崩さず弾けるようになったら、通し練習とテンポアップという流れで演奏の完成を目指してください。
難しい箇所から取り組む
楽譜に一通り目を通した時、難しい箇所や自分の苦手なテクニックが含まれていたら、その部分から取り組むと効果的です。
最も難しい箇所をピンポイントで取り出して練習したら、少し前から弾いてみます。
そこでスムーズに弾けるようになったら、冒頭から通してみましょう。
また、自分が苦手とするテクニックには、ハノンやツェルニーなどの練習曲を併用して強化すると良いです。
万が一つまづいてしまったら、再び部分練習に戻ることも大切ですよ。
この繰り返しがピアノの上達につながっていくので、焦らず練習を続けてくださいね。
楽譜の書き込みを工夫する
ピアノの練習に使用する楽譜には、先生からのアドバイスや自分で気がついたことなど、いろいろな書き込みがありますね。
そこでおすすめしたいのは、書き込みを色分けすることです。
例えば、外しやすい音には目立つ赤色で印をつけたり、表現に関するコメントは青色など。
このように色別に注意点などを書き込んでおくと、楽譜を開いた時にすぐ確認できます。
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楽しみながらピアノを練習するコツ
ここからは、ピアノが苦にならないために楽しみながら練習するコツをご紹介しますね。
自分が好きなピアノ曲を練習する
ピアノの上達には、テクニックだけではなく「ピアノが好き。楽しい!」
という気持ちが大事です。
そこで、まずは自分が弾きたい曲を選んでみましょう。
(もちろん、自分のレベルに合った無理のない楽曲が望ましいですが。。)
ハノンやツェルニーといった練習曲はどうしても退屈に感じてしまうので、レッスン曲の中に、好きな曲を入れると練習も楽しくなりますよ。
指の強化練習も大切ですが、実践的な楽曲練習は好きなジャンルのピアノ曲を取り入れてみると表現力の幅も広がります。
もしレッスンに取り入れるのが難しい場合は、練習の合間の気分転換になるようなピアノ曲をサラッと弾いてみても良いですね。
SNSを活用
InstagramやTikTok、YouTubeなどのSNSをピアノ練習に活用してみると、楽しみ方の幅が広がります。
例えば、日頃のピアノ練習の様子をInstagramにアップしたり、演奏の仕上がりをYouTubeで公開するなど。
また、ピアノ愛好家の投稿を見つけて参考にするのも良いですね。
SNSでピアノ練習の各段階を記録しておくと、上達したと実感できる良い機会にもなります。
ピアノ練習のモチベーションを上げる方法
ピアノの上達には、練習のモチベーションを上げることが大切です。
ここでは、ピアノ練習のモチベーション維持について例を挙げてみます。
ピアノグレードテストやコンクールに挑戦
ピアノの練習を続けるために、グレードテストやコンクールに挑戦してみるのも良いでしょう。
例えば、ヤマハやカワイのピアノグレードテストは級分けが細かく、自分の実力を試したり目標を明確に立てることができます。
さらに試験内容も多彩なので、総合的な音楽力のレベルアップが可能です。
一方、ピアノコンクールも参加スタイルが多様化し、アマチュア向けや大人の初心者でも挑戦できるコンクールが増加してきました。
予選通過や入賞を目標に掲げると、ピアノ練習のモチベーションも上がりますよね。
目標達成のご褒美を決めておく
子どもの生徒さんに限らず、大人でも目標達成したあとのご褒美は嬉しいものです。
私の経験ですが、コンクールや発表会で良い演奏ができた時は、少し高めのスイーツをご褒美として購入していました。
本番が終わるまで我慢という気持ちが、時にはピアノ練習のモチベーションを上げることもあるのです。
そのため、ピアノ練習のモチベーションが下がりそうな時は、グレードテストやコンクールといった目標を立てるとともに、終わったあとのご褒美を決めておくと良いでしょう。
まとめ
今回は、ピアノが上達しない原因や対策、効果的な練習方法について解説してきました。
ピアノの習得度には個人差がありますが、何よりも「ピアノが好き」という気持ちが大切です。
そのため、自分を追い詰めるような練習は避けて、楽しくピアノに向き合えると良いですね。
一方で、グレードテストやコンクール、ピアノ発表会といった、練習の成果が発揮できるステージを活用してみるのもおすすめ。
目標達成に向かってピアノの練習を続けるだけでも、上達していると言えますよ。
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