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【弾けたらかっこいい】ピアノのグリッサンド奏法!指を痛めずに弾くコツを解説

Written by
2024.07.19
syotata
【執筆・監修】syotata

ピアノ歴20年以上のWEBライターです。コンクールや受験、さらにピアノ指導経験を活かした記事作成を行っています。

ピアノの鍵盤の上で指を滑らせるように弾くグリッサンド奏法は、クラシックやジャズなど、あらゆるピアノの楽曲に使われる高難度のテクニックです。

ピアニストにとって見せ場とも言えるグリッサンドですが、指を痛めるリスクが高く練習方法も工夫が必要です。 私自身、指の痛みに耐えながら練習をしていた記憶があります。

しかし、グリッサンド奏法のコツを掴むと、指やピアノのダメージを軽減し、ハープのような美しいグリッサンドが弾けるようになります。

今回の記事では、ピアノのグリッサンド奏法のコツや楽曲・楽譜の表記の仕方などを解説しますね。

グリッサンド奏法とは?

グリッサンド奏法とは?

イタリア語で「滑る」という意味のグリッサンド。 グリッサンド奏法は、その名の通り、鍵盤の上で指を滑らせるように弾くテクニックのことです。 ピアノやエレクトーンといった鍵盤楽器をはじめ、ハープやマリンバなどにも使われます。

白鍵と黒鍵それぞれのグリッサンド奏法

ピアノでグリッサンドを弾く場合は、白鍵の方が指の痛みも少なく弾きやすいです。 一方で、ラヴェル「水の戯れ」などに出てくる黒鍵のグリッサンドは、指が鍵盤の角に当たりやすくコツを掴むまでは痛みを伴います。

白鍵のグリッサンド奏法

まず、ピアノの白鍵でグリッサンドを弾く場合は、爪を添える ように置いて滑らせる練習から始めると良いです。 何かをすくう時の手の形をイメージして、爪から第1関節までを鍵盤に当てて滑らせます。

黒鍵のグリッサンド奏法

黒鍵は鍵盤の間に隙間があるため、当てる手の面積を広げる必要があります。 手の甲を使う場合は、鍵盤と指の角度をより浅くして指全体を使うことをイメージしてください。

グリッサンドの演奏法

ここからは、高音から低音・低音から高音のグリッサンド奏法のポイントをご紹介します。

高音から低音へのグリッサンド

右手 指先を丸めて爪の部分で滑らせましょう。
人差し指、または中指を使うと弾きやすいです。
一方で、手が小さい方は、親指の爪を使いましょう。
左手 手を裏返して爪の部分を使うと弾きやすいです。
小指や薬指側を鍵盤に当てましょう。

低音から高音のグリッサンド

右手 手のひらを上に向けて、爪を使って滑らせます。
指を立てすぎず、鍵盤に対して浅めの角度をイメージしましょう。
左手 指先を丸めて爪または皮膚の部分で滑らせます。
2本の指を使うと弾きやすいです。

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ポルタメント奏法との違いは?

鍵盤の上で指を滑らせるように弾くグリッサンドに対して、ポルタメントとは音と音をなめらかにつなげる奏法です。 メロディを表情豊かに歌わせる時に表記されることが多く、主にヴァイオリンやチェロなど弦楽器の楽譜に書かれています。

グリッサンドは一定の速度で弾きますが、ポルタメントは抑揚をつけて弾く点が大きな違いと言えます。

楽譜では、グリッサンドが"gliss."でポルタメントが"port."と表記されていますが、ピアノ曲ではほとんど見ることはありません。 なぜなら、ピアノ演奏においてポルタメント奏法は、楽器の構造から考えて不可能と言われているからです。

グリッサンド奏法はピアノのダメージが気になる?

グリッサンドを弾く時は、指の爪を使うこともあるため鍵盤に傷がついてしまう可能性があります。 そのため、爪のケアや鍵盤のメンテナンスをして、ダメージを最小限に抑えるように工夫してみてください。

グリッサンド奏法が使われているかっこいい楽曲!

グリッサンド奏法が使われているかっこいい楽曲!

ここからは、実際にグリッサンドが使われている楽曲をご紹介します。 華麗なグリッサンドは、見た目もかっこよくて一度は弾いてみたいですね。

楽譜での表記は?

楽譜での表記は?

出典元:筆者撮影「ヘンレ版Debussy ピアノのために」

ピアノの楽譜では"gliss"と表記されています。

グリッサンドの開始音から頂点の音を波線で繋ぐ表記方法

出典元:ぷりんと楽譜「応答せよ」

また、グリッサンドの開始音から頂点の音を波線で繋ぐ表記方法もあります。

メフィスト・ワルツ~リスト~

ピアノの魔術師と呼ばれたリストの人気曲です。 躍動感のある連打で始まり、序盤で両手のグリッサンド奏法が使われています。 グリッサンドの直前には3小節にわたる休符があり、テンポを失速させずに弾くのが難しいです。

グリッサンドが出てくるのは1ヶ所だけですが、聴衆を一気に惹き付ける重要な場面と言えますね。

パガニーニ大練習曲第5番「狩り」~リスト~

同じくリストの超絶技巧が散りばめられたパガニーニ大練習曲の第5番で、グリッサンド奏法が使われています。 しかも、単音ではなく6度の重音という高難易度のグリッサンドです。 重音の場合は、手の形を変えずに滑らせなければなりません。

片手で重音のグリッサンドを弾くのは至難の業なので、私は両手で弾く方法をおすすめしますが、重音のグリッサンドを片手で弾けるピアニストもたくさんいますよ。

組曲「ピアノのために」よりプレリュード~ドビュッシー~

フランス音楽特有の色彩豊かで疾走感のあるドビュッシーの代表曲です。 ダイナミックなクレッシェンドを伴ったグリッサンドが5ヶ所あり、頂点の音にアクセントがついていて引き締まった曲調が印象的です。

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実際にどう打ち込めばいい?

実際にどう打ち込めばいい?

DTMでグリッサンドを打ち込む場合は、細かく分割した16分または32分を順次進行のように打ち込みます。 グリッサンドは音と音を滑らかに繋げるので、被せながら打ち込むとより効果的です。

さらに、素早い速度で駆け上がるようにすると、他のパートと差がついて面白い効果が得られます。

グリッサンドは痛い?

グリッサンドは痛い?

ピアノでグリッサンドを弾く時に最も痛みを感じるのは、鍵盤が木材で作られているアコースティックピアノです。 鍵盤に重みがあるので、初めてグリッサンドを弾くと強い痛みを感じるかもしれませんね。

一方、ポピュラー音楽で多用されるキーボードは鍵盤が軽いので、グリッサンドでも少し指の痛みを感じる程度です。 (個人差はあります)

指を痛めずに弾くコツ!

指を痛めずに弾くコツ!

どうすれば指を痛めずにきれいなグリッサンドが弾けるのか、ポイントを整理してみましょう。

  • 上から押し込まず撫でるように
  • ハーフタッチをイメージ
  • できるだけ脱力

上から押し込まず撫でるように

グリッサンドは鍵盤の上で指を滑らせて弾く奏法ですので、押すのではなく撫でる動きをイメージしてください。 最初は音を出さずに、鍵盤の上で指を滑らせてグリッサンド奏法のシミュレーションから始めると良いです。

慣れてきたら、少しずつ指の重みをのせて音を出していきます。 この時、どこで痛みを感じるのか確認しながら弾いて、指の負担を軽くすることが大切です。

ハーフタッチをイメージ

通常は、ピアノの音をクリアに出すために下までしっかりと打鍵します。 一方、柔らかい弱音を出したい時は、ハーフタッチといって下まで押さない打鍵法を使います。 グリッサンド奏法は、そのハーフタッチをイメージして弾いてみましょう。

できるだけ脱力

グリッサンド奏法に限らず、すべてのピアノ演奏法に必要な脱力。 言葉で説明すると「無駄な力を抜く」とシンプルですが、ピアノ演奏で実践するのは意外と難しいのです。

とはいえ、身体がガチガチに固まっていたり、肩に力が入っているなど自分で気づけることも多いので、意識しながら練習を進めてみましょう。

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グリッサンド奏法の体験談

実際にグリッサンド奏法を練習した方の声を集めてみました。どのような点が難しいのか、練習の参考にしてみてください。

  • 速度のコントロールが難しく、勢いをつけると曲の雰囲気を壊してしまいそうです。また、グリッサンドだけが不自然に目立たないように気をつけました。
  • 指の力を一定に保てず、音がブレてしまいます。バランスのよい力加減が意外と難しいです。
  • グリッサンドを練習しすぎると、指の皮膚がヒリヒリと痛みます。我慢しながら練習してしまうと、鍵盤に触れるだけで痛みを伴うので要注意です。

まとめ~華やかなグリッサンド奏法を習得しよう♪~

まとめ~華やかなグリッサンド奏法を習得しよう♪~

今回は、ピアノのグリッサンド奏法について解説してきました。 演奏の中で華やかなグリッサンドが出てくると、かっこよくて盛り上がりますよね。

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