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もう失敗しない!ピアノの基礎練習方法を徹底解説|オススメの教本もご紹介◎

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2023.08.04
ナイス
【執筆・監修】ナイス

私は、小学校2年生から5年生までピアノ教室に通ったのがピアノとの出会いです。その後、高校2年生のときに保育士を目指し、再び子どもの頃に通っていた教室で短大卒業まで習いました。保育士になってからは毎日ピアノを弾きながら子ども達と歌ったりポピュラーピアノを習ったり、自作の曲でピアノの弾き語りをして活動していた時期もあります。現在は音楽教育であるリトミック講師の資格を持ち、ライターのほかにリトミック講師としても仕事をする毎日です。

こんにちは。元保育士Webライターのナイスです。

社会人になったばかりの頃は、ほとんどの人が仕事に慣れるのが精いっぱいですが、仕事に慣れて余裕ができると、何か趣味を見つけたいと考える人は大勢います。
そこで、「ずっとあこがれていたピアノを弾けるようになりたい」という気持ちで、大人になってからピアノ教室に通い始める人はたくさんいるでしょう。

 

私は、ピアノを習っていた姉の影響で、小学校2年生から5年生までピアノ教室に通った経験があります。
そして、高校2年生のときに保育士を目指し、子どもの頃に通っていたピアノ教室に再び通い、短大卒業まで習いました。
保育士になってからは毎日ピアノを弾きながら子ども達と歌うほかに、ポピュラーピアノを習ったり、自作の曲でピアノの弾き語りをして活動したりしていた時期もあります。
現在は音楽教育であるリトミック講師の資格を持ち、ライターのほかにリトミック講師としても仕事をする毎日です。

 

今回の記事では、これからピアノを始めたいと考えている人や始めたばかりの大人の人に、最初に心掛けるべきことや練習方法などを解説します。

ピアノ初心者の方が、最初に心がけるべきこと

初心者 基礎練習

ピアノの初心者が、最初に心掛けるべきことを紹介します。
ピアノを始めたばかりの人やこれから始めようとしている人は、よく読んで参考にしてください。

ピアノを弾くときの姿勢

ピアノを演奏するときは、姿勢がとても大切です。

ピアノは、指で鍵盤を押すことで楽器の中のハンマーが弦を打ち、音が出ます。
弾く人の姿勢によって音に影響が出るのです。
また、強い音を出すには力が必要なため、正しい姿勢で弾かないと疲れやすくなり、長時間弾き続けることができません。
そのうえ腰痛や肩こりなどの体の不調にもつながりやすくなります。

ピアノを弾くときの正しい姿勢のポイントは以下の通りです。

ピアノ 弾く 姿勢

出典元:ピアノの基本姿勢を客観的に確認しよう - イスの高さ、姿勢、距離は大事だよ♪ | ピアノレッスン☆音楽の魔法♪ (jugem.jp)

肘の高さが鍵盤と同じくらいになるように座る

手首や肘が鍵盤よりも下がってしまうと、ピアノが弾きにくくなります。
そのため、肘の高さが鍵盤と同じくらいになるように椅子の高さを調節して座りましょう。
目安は、肘の角度が90〜100度で、椅子には浅めに座りましょう。
体と鍵盤との距離も遠すぎず近すぎず、適度な距離を調整してください。

背筋を伸ばし、リラックスする

椅子に浅めに腰掛けたら、背もたれから背中を離して背筋を真っすぐ伸ばしましょう。
背筋はまっすぐ伸ばしますが、身体の力は抜いてリラックスすることがポイントです。
足は楽にして、かかとからつま先まで足の裏全体が床に付くようにしましょう。

手首から肘の下までをまっすぐ伸ばして鍵盤に手を置く

肘と鍵盤の高さが同じくらいに座っていれば、自然に腕はまっすぐ伸びるはずです。
力を抜いてリラックスすることは大切ですが、手首の力を抜きすぎるあまりに手首が鍵盤から上がったり下がったりしないよう注意しましょう。
鍵盤に指を置いたときは手の平に卵をもっているようなイメージで指を少し曲げてください。
指が伸びていると、スムーズに鍵盤を押すことができません。
子ども達にピアノの指導をするときには、指を曲げられるように「猫の手にしましょう」という表現を用いることもあります。

第三者に見てもらい、感覚で覚える

自分でよくわからなければ、ピアノの指導者や経験者など第三者に見てもらうことをおすすめします。
最初に姿勢や座り方の変な癖がついてしまうと、後で修正するのは大変です。
正しい姿勢を確認してもらったら、感覚で覚えておくとよいでしょう。

オクターブの指使いを覚える

正しい姿勢を理解したら、実際にピアノを弾いてみましょう。
ピアノを弾くときには鍵盤を抑えるために指番号が決められています。
指番号は、右手も左手も親指が1で、小指が5です。
“ドレミファソラシド”の1オクターブの音階を弾く際にも、正しい指使いを使うとスムーズに弾くことができます。

初心者用の楽譜には弾きやすいように指番号が書いてあるので、最初は指番号を守って弾くようにしましょう。
初歩的な曲では指使いを守らなくても弾けるかもしれませんが、上達してきて少し複雑なメロディーを弾くときにこそ指使いが大切になってきます。
弾きやすい指使いで弾くことで、メロディーが途切れず、スムーズに演奏できるからです。
そして、腕や手首、指への負担が軽減されます。

最初に弾きやすい指使いで何度も弾いておくことで、少し難しい曲を弾くときにも自分でスムーズな指使いで弾くことができるようになるでしょう。

楽譜を読む

音符 種類

出典元:[保存版]楽譜の読み方の基本!音符の種類や読み方を紹介 | ビギナーズ (rere.jp)

ピアノを弾く人の中には楽譜が読めず、独学でピアノを練習し、耳コピーしたり即興演奏したりできる天才的な人もいます。
しかし、ほとんどの人は楽譜を見ながらピアノを弾くので、ピアノが弾けるようになるためには楽譜が読めるようになることが必要です。

小中学校の音楽の授業で楽譜の読み方を教わったと思いますが、遠い昔のことで覚えていないという人もいるでしょう。
まずは簡単な楽譜の読み方を理解し、楽譜を見ながら弾けるようになりましょう。
最初のうちは、パッと見て何の音かわからないという人は多くいます。
慣れるまでは音符にカタカナで音の名前を記入するなど工夫し、徐々に楽譜をスムーズに読めることを目指すのも1つの方法です。

また、楽譜には音符だけではなく、いろいろな記号も書いてあります。
音楽には、ニュアンスもとても大事な要素です。
強弱やテンポ(速度)、滑らかに弾いたり弾むように弾いたり、繰り返したり転調したりなど、楽譜にはさまざま情報が書いてあります。
わからない記号や表記は検索しながら、少しずつ覚えていきましょう。

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継続できる!ピアノの基礎練習法とは?

ピアノ 基礎練習法

ピアノは誰でも鍵盤を押せば簡単に音が出せる楽器です。
しかし、すぐに曲が弾けるようにはなりません。
あこがれのピアノが弾けるようになりたいと張り切って始めても、なかなか弾けるようにならず、上達する前に諦めてしまう人も少なくありません。

せっかく始めたピアノをすぐに諦めず、継続して練習に取り組める基礎練習の方法を紹介します。

指使いの練習をする

まずはいろいろな音階を弾き、鍵盤を弾く指使いに慣れることが大切です。
ピアノを始めた人には、「弾いてみたい」「弾けるようになりたい」と思うあこがれの曲があると思います。

また、“テンポが速い曲”“メロディーに起伏がある曲”など今後さまざまな曲を弾いていくにあたり、最初に指使いをしっかりと練習しておけば、より早くスムーズに弾きこなせるようになるでしょう。

指使い 練習

出典元:楽譜を使ってピアノの基本的な弾き方・リズムとテンポを学ぼう | PianoFan

毎日練習する

仕事や育児、家事などで毎日忙しく過ごしていると毎日練習することが難しく、休みの日などまとまった時間が取れる日に長時間練習するという人もいるでしょう。
しかし、週に1日2時間弾くよりも、わずかな時間でも毎日弾くほうが早く上達するのです。
1日5〜10分でもよいので、鍵盤に触れるようにして、毎日弾くことが習慣になるようにしましょう。
毎日は難しくても、できるだけこまめにピアノに触れることを意識してください。

片手ずつ練習する

ピアノを始めると、早く曲を弾いてみたいと考えるものです。
しかし、いきなり最初から両手で弾こうと思ってもうまく弾けません。
そのため、片手ずつ練習することが大切です。
片手ずつしっかりと弾けるようになれば、いきなり両手一緒に弾くよりも早く曲が完成するでしょう。
ピアノの曲は、ほとんどの曲で右手がメロディー、左手が伴奏なので、多くの人が右手のメロディーから練習するでしょう。
しかし、メロディーから練習しなくてはならないと決まっているわけではありません。
利き手から練習する、弾きやすい左手から練習するなど、自分に合った練習を行うとよいでしょう。

部分ずつ練習する

1曲の中には弾きやすい部分と難しい部分があります。
練習するときには1曲通して弾きたくなるものですが、よく間違えてしまう箇所や難しいと感じる部分を繰り返し練習することが大切です。
難しい部分を重点的に練習して克服できれば、曲の頭から最後までスムーズに弾けるようになります。

いろいろなテンポで弾いてみる

テンポが速い曲を、最初から速いテンポで弾くのは難しいので、初めはゆっくり弾き、徐々にテンポを上げていくようにしましょう。
また、テンポが遅い曲をゆっくり弾くことも案外難しく、指が走ってしまうこともよくあることです。
最初は自分の弾きやすいテンポで弾き、徐々に本来の遅いテンポにして弾くという練習も効果があります。

曲によって最適なテンポは違うので、メトロノームを使いながら、同じ曲でもいろいろなテンポで弾いてみることも効果的な練習法です。
遊び感覚でテンポを変えてみるのも楽しいでしょう。

録音して聴いてみる

ピアノを弾くときは、自分が演奏している音が聴こえますが、なかなか客観的に聴くことができません。
そのため、ときどき自分の演奏を録音して聴いてみるのがおすすめです。
録音した音を聴いてみると、思っていたよりテンポやリズムが崩れやすかったりタッチが強すぎたりなどの自分の欠点や修正点が見つかることがあります。
反対に、思っていた以上に上手に弾けているなど、自分の演奏のよさが発見できることもあるので、自信につながる場合もあるのです。
録音して聴いて感じたことを、次の練習に活かしてみてください。

ピアノ練習法の裏テクニック

ここからは、ピアノの練習法の裏テクニックを紹介します。
自分に合った方法があったら、ぜひ試してみてください。

大好きな曲を弾く

大好きで弾いてみたいと思う曲が難しければ、初心者が弾きこなせるようになるまでは時間がかかります。
しかし、遊びとして右手でメロディーを弾いてみるだけでも楽しさや嬉しさが感じられ、モチベーションが上がるものです。
いつか、両手で弾きこなせることや一人前で演奏する日のことなどを夢見ながら弾くことで、さらに基礎練習に励む意欲が湧いてくるでしょう。

ピアノ教室に通う

時間や経済的な事情などで、独学で練習する人も多いでしょう。
もちろん独学で学ぶこともよいですが、可能であればピアノ教室に通って先生に指導してもらうことをおすすめします。
1人で練習しているとついついサボりがちになりますが、教室に通うと次のレッスンまでに弾けるよう練習するものです。
何より、先生から具体的にアドバイスをもらったり褒めてもらうことで、喜びや楽しさが倍増しモチベーションにつながるでしょう。

イメージトレーニングをする

ピアノを始めた当初から思い通りに弾ける人はいません。
最初は演奏がたどたどしく、自信を失くしてしまうこともあるでしょう。
そんなときはYouTubeでいろいろなピアニストが演奏している動画を見る、CDなどで大好きな曲を聴くなどしながら、自分がピアニストになったところをイメージしてみましょう。
たとえ、たどたどしい演奏だったり間違えたりしても、演奏する楽しさを実感できるはずです。

ピアノ初心者にありがちな失敗

初心者 失敗

ピアノの上達には練習あるのみですが、練習の方法によっては遠回りになるものもあるのです。
できるだけ最短で上達するために、ピアノの初心者の人が陥りやすい失敗を紹介します。

毎日練習しない

ピアノの上達には、コツコツ練習する地道な努力が必要です。
毎日練習することが大切であることはすでに紹介しましたが、現実問題としてなかなか難しい人もいるでしょう。
しかし、短い時間でも毎日練習することが、上級者への近道となるのです。
数日サボってしまうとサボり癖がついて、そのまま挫折してしまったというケースもあるので、習慣になるまで毎日少しでも鍵盤に触れるよう意識しましょう。

できないところの部分練習や反復練習をしていない

曲の練習を始めると、弾けるようになる前に最初から最後まで通して弾こうとする人が多くいます。
好きな曲であれば尚更、1曲通して弾きたくなるものです。
しかし、1曲の中には難しい部分や弾きにくい部分があり、弾くたびに間違えて弾き直すことがあります。
1曲を完成させるには、その難しい部分を繰り返し練習することが大切です。

根気よく部分練習や反復練習を行うことが、1曲を完成させる近道になります。

片手ずつ練習していない

片手ずつ練習することが大切であることは前述しましたが、メロディーを弾く右手は楽しいけど、伴奏を弾く左手は練習していてもつまらなく感じてしまうことがあります。
そのため、いきなり両手で合わせようとしたり、片手ずつ弾けていないのに無理やり両手で弾いたりしてしまうと、なかなか曲は完成しません。

片手ずつの練習は地味に感じるかもしれませんが、1曲を完成させるためには大切なプロセスです。

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基礎練習にぴったりの教本とは?

ピアノの基礎練習に最適な教本と言えば、有名なのがハノン教則本でしょう。

“ハノン”とは19世紀に活躍したフランスの作曲家の名前で、21世紀の今でもピアノの基礎練習の教則本として最も活用されているのです。
教則本の冒頭には、「5本の指を平均して訓練すれば、ピアノのために書かれた曲はなんでも弾くことが可能になるはず」とのハノン自身の言葉か書かれている通り、両手の10本の指全てを動かす練習になります。

ハノン教則本

出典元:ハノン楽譜の練習方法!ピアノ基礎練習教材としてのメリットと活用法 [ピアノ] All About

単調な音階をひたすら練習するので、退屈に感じてしまう人もいますが、初心者のうちに『ハノン』をしっかり弾き込むことで鍵盤の感覚を理解し、一定のテンポで指を動かす訓練ができる優れものです。

『ハノン』を使って練習する効果としては、主に次の3つがあります。

  1. 指が鍛えられる
  2. 音階の練習になる
  3. 強弱の練習になる

『ハノン』の楽譜には指番号が記載されているので、指定された指使いで弾くようにしましょう。
しかし、あまりにも根を詰めて練習すると、指や肘、腰を痛める原因にもなりかねません。
リラックスして弾くように意識してください。
また、最初から速いテンポで弾くのではなく、ゆっくりしたテンポから始めて徐々に速くしていくようにしましょう。

初心者におすすめの曲5選

『ハノン』の練習曲は1番から60番までありますが、その中から初心者におすすめの曲を紹介します。

初心者におすすめの曲① 1番

一番初めの曲だけあって、最も基本的な全ての指を動かす訓練になる曲です。

1番 楽譜

出典元:ハノン楽譜の練習方法!ピアノ基礎練習教材としてのメリットと活用法 [ピアノ] All About

初心者におすすめの曲② 5番

親指や人差し指が使いやすく、おろそかになりがちな小指の訓練ができます。

初心者におすすめの曲③ 27番

薬指と小指のトリルの練習ができます。
トリルとは、2つの音を交互にできるだけ早く弾く演奏法のこと。
小指に次いで使いにくい薬指も鍛えることができるのでおすすめです。

初心者におすすめの曲④ 39番

“スケール”の練習になります。
スケールとは音階のこと。
弾きやすい調と弾きにくい調がありますが、弾きにくい調を根気よくコツコツ練習すると、テクニックが身に付くでしょう。

初心者におすすめの曲⑤ 41番

和音を1音ずつ弾く“アルペジオ”という奏法の練習ができます。
スケール同様、弾きやすい調と弾きにくい調がありますが、繰り返し練習することでスムーズに弾けるようになるでしょう。

まとめ

基礎練習 まとめ

ピアノを始めたばかりの人が、失敗しないためのポイントや練習法について解説しました。
最初から全て実行するのは難しいかもしれません。
何より音楽やピアノを弾くことを楽しいと感じられることが、上達への一番の近道かもしれません。
今回紹介した中から、まずは実行できそうなものを選んでぜひ実践してみてください。

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