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【経験者が伝授◎】暗譜のコツ3選!これで苦手を克服しよう!

Written by
2024.04.30
山崎由芽
【執筆・監修】山崎由芽

3歳から12歳までピアノ教室に通っていました。その後は中学・高校でコンクールや行事で伴奏をしていました。現在は趣味で弾き語りや基礎練習を続けて、兄弟に教えています。 音楽の楽しさと壁の乗り越え方を、経験をもとに伝えていきます。

「ピアノ演奏で暗譜をしたくても全然覚えられない」という悩みは多いです。
テストや仕事の成績が良いから覚えるのが得意、というわけでもないのが難点ですよね。

今回はピアノ演奏で暗譜をする必要性や、できない人の課題とコツを伝授します。
課題とコツを知れば誰でも暗譜できるので、気負わずに見ていきましょう。

暗譜をする必要性はある?

暗譜をする必要性はある?

どんなに練習しても覚えられないと、「そもそも何で暗譜しなきゃいけないの」と放棄したくなりますよね。
まだ始めていない人でも、「暗譜が大変」と聞くと当然やる気も落ちてしまいます。

暗譜が必要な理由は、主に4つです。

聴覚やパフォーマンスに注力できる

暗譜をしていれば、楽譜をめくったり読む動作が省けるので、聴覚やパフォーマンスに注力できます。
ここでいう聴覚とは、表現技術や和音などで生まれる音の響きを指します。
その日の天候や会場の広さによって響き具合が変わるので、極力その瞬間の音に集中したいものです。

さらに視覚的なパフォーマンスも大切になってきます。
楽譜を見てめくっていると、どうしても姿勢が丸くなったり無駄な動きも多くなります。
大きい舞台に立つほど、演奏中の姿勢や動作が観客の心を掴むのです。

暗譜ができているだけで、観客を虜にする技術が向上すると思うと、攻略しておきたいです。

タッチや区切りがより丁寧になる

暗譜をしていれば、タッチやフレーズの区切りがはっきり分かり、より丁寧な演奏ができます。
楽譜があると、どうしても追うことに集中し、タッチやフレーズの乱れに気が付けません。
聴覚の集中と似ていますが、音に向ける意識が多いほど表現の幅も広がります。

指揮者や共演者がいても最低限の情報で大丈夫

指揮者や共演者がいる舞台でも、暗譜をしていれば最低限の情報で演奏ができます。

実際に伴奏として舞台に立っていた頃、指揮者に慣れていない時期はかなり大変でした。
周りと合わせながら楽譜を追って抑揚も付ける、そんなこと数か月の練習で身に付くわけがありません。
どうしても何かが抜けて、噛み合わなくなってしまいます。
しかし暗譜が身に付いてからは、意識を持って行かれやすい動作がなくなったので慌てずに演奏できています。

忠実に演奏できるようになれば、楽譜を追う動作は「無駄な動き」です。
容赦なく省いていきましょう。

「いつでも」「どこでも」が実現する

1曲でも暗譜をしていれば、「いつでも」「どこでも」演奏ができます。
少し前から流行りのストリートピアノ、これも暗譜をしているからこそできることです。
じっくり練習をした成果を出す舞台ではなく、「楽しむ」に重点を置くのも大切です。
自分が楽しめるように仕上げていれば、聞いている人も自然と乘ってきてくれます。
暗譜ができると、会話をしながら演奏する余裕も作りやすくなります。

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暗譜ができない人の課題は何でしょうか。
様々なタイプでも練習できるよう、8つの課題を紹介します。

3つの感覚を使う

「見る」「聞く」「弾く」の3つの感覚を使うと、覚えてからも忘れにくいです。
また、この方法と相性が良い人なら、1ページ1週間で覚えられます。

私は無意識にこの方法を行っていて、「1ページにつき最短当日」で暗譜していました。
合唱コンクールの伴奏では、歌とも合わせる必要があるので何度も原曲を聞きます。
この「聞く」ときに、私は必ず楽譜とにらめっこをしていたのです。
そうすれば、すでに「聞く」と「見る」は達成しているので、あとは弾くだけです。
練習しつつ、分からない箇所は再び聞きながら楽譜を見ています。
さりげなく正しい音を拾う耳も育つので、最もおすすめしたい方法です。

身体の動きを叩き込む

ダンスと同じように、身体の動きを叩き込む方法です。
練習方法は単純でひたすら弾き続けるだけですが、意識を変えていきます。

音で覚えられなかったのならば、身体の動きを意識すれば良いのです。
運動や家事などもそうですが、身体の動きは癖になりやすいので気が付いたら無意識にできていたということもあります。

ただし、動きを覚えるということは、音を把握していないので1度ミスをすると立て直せない可能性が高くなります。
「ちょっとした趣味で覚えたい」という人なら良いですが、発表会など何かの本番として使うのであれば、あまりおすすめはできません。

短時間・高頻度

長時間練習しても覚えられない人は、いっそのこと短時間・高頻度を取り入れると良いです。
集中しているつもりでも、脳は疲れてしまっている可能性があります。

私も難しい曲で、なかなか進まない時に取り入れている方法です。
1回4時間以上行っていた練習を、1回30分まで減らします。
それを自分の予定と照らし合わせて、スキマ時間に入れていくのです。
すると疲れてボーっとしていた頭は、練習が終わっても軽く、練習もはかどりました。

水分補給と同じで、こまめに行った方が身に付く場合もあります。

とにかく区切る

「まず通しでできるまで」「1ページごとにやってみてるのに」という人は、もっと区切ると覚えやすいです。
フレーズの途中でも気にせずに、4〜8小節ごとに区切ってみてください。

区切っても出来ないというのは、「ここまで出来るようにならなきゃ」と意識をするからなんです。
矛盾しているように思えますが、より細かく区切ると焦って見逃していた小さな休符や音に気が付きます。
この小さな気付きが、譜読みや暗譜へのスピードを速めてくれます。
叩き込む時点で細かく見れているので、通しで演奏をしても鮮明に脳に流れてくれるんです。
万が一ミスをしてしまっても、立て直しやカバーが上手にできる事にも繋がります。

ドレミで歌う

楽譜とにらめっこをしても覚えられない人は、ドレミで歌ってみてください。
歌の上手さは全く関係なく、自分の弾く音を声に出すことが重要になります。
家族がいて恥ずかしい人は、ぼそぼそと小さな声でドレミを音読してみましょう。
何気ない会話や約束を覚えているのと同じで、声に出すだけで面白いほど脳が覚えてくれます。

1人暮らしや防音設備の整っている環境など、周りを気にしなくても良い人は、思う存分ドレミで歌ってみてください。

曲調のつなぎ目を徹底する

曲調やテンポのつなぎ目を、徹底的に繰り返します。
一見変化を感じなくても、どんな曲にも「つなぎ目」があるんです。
テンポが変わったり、弾む表現から滑らかになったりと種類は様々です。
このつなぎ目の前後2小節を徹底的に練習します。

本番で緊張すると、「ここで雰囲気を変えなきゃ」と気負いすぎて失敗しがちです。
しかし、練習の時に徹底しておけば、暗譜が飛んでしまっても身体は動いてくれます。
他にも表現に意識を持って行っても、スムーズに流れを変えられます。

ランダムでスタート位置を決める

目を瞑った状態で、楽譜を指さしてみてください。
ランダムに決めた位置から、練習を始めます。
その位置から最後まで演奏しても良し、つなぎ目練習のように数小節を繰り返しても良いです。

突然暗譜が飛んでしまっても、すぐに立て直す力を付けられます。
明らかにフレーズの途中から始まるときも当然あります。
そんな弾きにくい部分こそ、迷いなく演奏できるように繰り返しましょう。
共演者がいる場合、ピアノだけ区切りの悪い小節から始まるのはよくあることです。
練習から本番まで、常にスムーズで心地良い演奏ができるようにしましょう。

ミスした部分を分析する

暗譜をする前でもおすすめな方法で、ミスした部分を徹底的に分析してみてください。
「どこで、どういうふうに間違えたのか」を書き出すことで、より意識できます。

まずは暗譜をした状態と、していない状態の録音をします。
最後まで弾ききったら、録音を聞く前に自覚しているミスを書き出してみてください。
その後、録音を聞いてミスを書き出します。
丸付けの要領で照らし合わせ、自覚できていない部分が特に苦手だと知りましょう。

特に苦手な部分は暗譜もなかなか進まず、ミスを繰り返しがちです。
それを徹底的に分析・自覚することで、正しい暗譜が身に付きます。

暗譜が怖い人必見!コツ3選

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暗譜が上手くいかない、怖い人におすすめのコツを3つ伝授します。
実体験も踏まえているので、是非参考にしてみてください。

①左手だけは止めない

暗譜したての時期は、ミスをしてしまうと恥ずかしさや戸惑い、焦りから止まってしまいます。
しかし、リズムの基盤となる左手は止めないように意識してみてください。
カラオケでも伴奏が流れ続けることで、途中から再開できる人は多いです。
それと同じで、伴奏が止まらなければ無意識に覚えていた音やリズム、アクセントでメロディを再開できるのです。

暗譜の練習から焦らないためにも、左手は止めないよう意識してみてください。
個人差もあるので、右手を止めないよう意識しても良いです。
その場合は、和音を含むメロディでも1音だけ覚える方法もおすすめです。
最低限のメロディが辿れれば止まらず、練習を重ねるうちに楽譜通り弾けるようになっています。

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②片手ずつ確認する

最初から最後まで通せるようになったら、片手ずつ練習してみてください。
「何故弾けるようになってから片手にする必要があるの」と思う人もいますよね。
両手で通せるようになっても、片手だけにされると突然弾けなくなってしまうんです。

私も経験があるのですが、暗譜用の練習に入ってから片手にすると、全く分からなくなってしまったのです。
いわゆる「手癖で演奏していた」ということになります。
「暗譜をしたふり」が手癖で弾くということなので、練習のうちに改善しておきたいポイントです。

③譜読みの時点で意識する

譜読みを始める時から、暗譜を意識してみてください。
全て通して弾けるようになってから暗譜をすると、一気にたくさん覚えないといけません。

しかし、譜読みの時点で暗譜を意識していれば、毎日少しずつ頭に入ります。
全て通せるようになった時には、ほんの少しだったとしても暗譜が進んでいるんです。
一気に覚えるのが苦手な人は、是非譜読みを始める時から、復唱など声に出して覚える意識をしてみてください。

ピアノの暗譜は怖くない!自分に合った練習で暗譜を攻略しよう!

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ピアノの暗譜は、演奏面と視覚的パフォーマンスのためにも持っておきたい技術です。
いつでも場所を選ばずに観客を楽しませられる人を、目指しちゃいましょう。

最後に、暗譜ができない人への課題とコツをおさらいします。

【暗譜の課題】

  • 3つの感覚を使う
  • 身体の動きを叩き込む
  • 短時間・高頻度
  • とにかく区切る
  • つなぎ目を徹底する
  • ランダムでスタート位置を決める
  • 自分のミスを分析する

【暗譜のコツ】

  • 左手(右手)だけは止めない
  • 片手ずつ確認する

以上を活用して、少しでも楽に暗譜をしてみてください。

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