4歳よりピアノを習い、20歳より電子オルガン・コード理論を学びました。 現在は、20年以上継続している自宅でのピアノ教室で2歳からの子どもたちと一緒にピアノの練習をしています。 保育士資格を独学で取得し、保育園にて子どもたちとリトミックや季節の歌を楽しんできました。皆さまのピアノライフのお役に立てるようにピアノの魅力をたっぷりお届けします。
目次
- 暗譜とは?
- 暗記をする必要性は?
- 正しい暗譜の仕方を丁寧に解説!
- ステップ1「楽譜や曲を覚える」
- ステップ2「演奏をするために覚える」
- ステップ3「暗譜で演奏してみる」
- 【暗譜が怖い人必見】暗譜のコツ5選
- 1. 曲の始めから通すだけの練習をしない
- おすすめ練習方法
- 2. トライ&エラーを繰り返す
- おすすめ練習方法
- 3. 曲のイメージを持つ
- おすすめ練習方法
- 4. 楽譜を隅々まで確認する
- おすすめの練習方法
- 5. 自分の得意な覚え方を練習の中で見つける
- ピアノ発表会で曲が飛ばないようにするには?
- 強制的に最後まで弾く練習をする
- 本番までに誰かに聞いてもらう機会を作る、演奏を録音する
- 本番と同じ状況で練習する
- 緊張するのは頑張っている証拠と捉える
- 練習のコツを知って暗譜に挑戦してみよう
あなたは、
- 暗譜は難しい
- 暗譜の練習がうまくいかない
- 失敗したらどうしよう
このような暗譜についての不安をお持ちではないですか?
暗譜でサラッと楽器を演奏できたらかっこいいですし、憧れますよね。
結論からいえば、暗譜はポイントをおさえて繰り返し練習を重ねれば可能です。
この記事を読むことであなたは「暗譜のステップ」「暗譜をするための練習方法」「リカバリーの方法」を知ることができます。
暗譜は難しいものと決めつけずに、できる練習を積み重ねて楽しく演奏してみませんか?
暗譜とは?
暗譜とは、楽譜に書いてある内容を覚えること、つまり「暗記」することです。
楽譜の内容を覚えて、楽器で演奏する場合は「暗譜で演奏する」といいます。
暗記をする必要性は?
楽器を演奏する上で、暗譜は「必要」とはいえません。
なぜなら、暗譜をして演奏しているのは、楽器のソリストやピアニストくらいだからです。
オーケストラでは、楽譜が奏者の前に置いてありますよね。
ただ、暗譜をするメリットは2つあります。
- 楽譜を覚えると視覚に使う集中力を聴覚など他のことに回せる
たとえば、耳を澄まして音を聞こうとしたら目を閉じませんか?
ピアノを弾くときに、脳は全体の領域を使います。
忙しい脳の働きを一部分だけでも休ませると、その分他の領域に集中させることができるので、より音楽に向き合いやすくなります。
- 練習量が増える
暗譜は楽譜の内容を覚えることなので、繰り返し練習が必要です。
自然と練習量が増えるので上達にもつながります。
ピアノ初心者にとって暗譜が緊張や不安の材料になるようなら、無理に暗譜をしなくてもよいでしょう。
暗譜をして演奏できるとかっこよく見えますが、必ずしも「必要」とはいえません。
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正しい暗譜の仕方を丁寧に解説!
暗譜のやり方は、さまざまです。
ここでは、ポイントをおさえて3つのステップを考えてみましょう。
- ステップ1「楽譜や曲を覚える」
- ステップ2「演奏をするために覚える」
- ステップ3「暗譜で演奏してみる」
それぞれ説明します。
ステップ1「楽譜や曲を覚える」
ステップ1の「楽譜や曲を覚える」とは「見る」「聞く」「身体を動かす」それぞれ感覚を使って曲を覚えることです。
感覚 | 練習方法 |
---|---|
見る | ・音名を読む ・曲のまとまりを見つける(※) ・記号を確認する ・曲の特徴を見つける ・指番号の確認 |
聞く | ・デモ演奏を聞いて曲を覚える ・曲のイメージを膨らませる |
身体を動かす | ・実際に弾いてみる ・部分練習を行う(※) |
※ 「曲のまとまりを見つける」のまとまりとは、例えば楽譜に「A、B」と書かれているところ「イントロ、テーマ、コーダ」にわかれているところなどを指します。
※ 「部分練習を行う」とは、例えば和音が複雑なところやリズムが細かくて弾きにくいところなどを取り出して練習することを指します。
ひとつずつを丁寧に取り組むことで正しい内容が覚えられます。
ステップ2「演奏をするために覚える」
ステップ2の「演奏をするために覚える」とはステップ1で覚えたものを関連づけて覚えることです。
感覚 | 練習方法 |
---|---|
見る+聞く | ・楽譜を見ながらピアノを弾く ・ピアノを弾きながら楽譜を見る |
見る+身体を動かす | ・デモ演奏を聞いて曲を覚える ・曲のイメージを膨らませる |
聞く+身体を動かす | ・曲を聞きながら弾いているように指を動かす ・曲を聞きながら指揮をして拍子やリズムを感じる |
楽譜を見ながら、曲を聞きながら、指を動かしながらそれぞれをバランスよく練習に取り組むと正しい内容で覚えられます。
ステップ3「暗譜で演奏してみる」
暗譜の仕方ステップ3の暗譜で演奏してみるとはステップ1とステップ2で練習して覚えた楽譜の内容を実際に暗譜で演奏することです。
「できない」「難しい」と感じる方は、ステップ1やステップ2に戻り確認を繰り返しましょう。
「覚えたら暗譜で弾いてみる」を繰り返しながら、少しずつ暗譜して演奏できるようになっていきます。
【暗譜が怖い人必見】暗譜のコツ5選
暗譜はただ楽譜の内容を覚えて、演奏するだけではありません。
暗譜にはコツが5つあります。
- 曲の始めから通すだけの練習をしない
- トライ&エラーを繰り返す
- 曲のイメージを持つ
- 楽譜を隅々まで確認する
- 自分の得意な覚え方を練習の中で見つける
それぞれ説明します。
1. 曲の始めから通すだけの練習をしない
普段の練習でやりがちな「曲を始めから通すだけ」の練習は、おすすめしません。
なぜなら、曲をざっくりと全体的にしかとらえられていないからです。
暗譜が飛んでしまうのは曲の途中がほとんどです。
そこからリカバリーができずに演奏が止まるため、暗譜は失敗と考えられます。
おすすめ練習方法
難易度 | 練習方法 |
---|---|
⭐️ | 構成ごとに弾く、順番は変えること |
⭐️ | フレーズのまとまりごとに弾く |
⭐️⭐️ | ダーツのように始まりをランダムに決めて弾く |
⭐️⭐️ | 「弾く」と「歌う」を小節ごとに交互に繰り返す(※) |
⭐️⭐️⭐️ | メロディと伴奏の曲ならば、伴奏を弾きながらメロディを歌う |
「弾く」と「歌う」を小節ごとに交互に繰り返す(※)とは、奇数小節をピアノで弾き、偶数小節はメロディを歌う手法。
演奏が途中で止まってしまった場合でも、メロディを思い出して続きから弾けるようにするために有効な練習です。
2. トライ&エラーを繰り返す
普段の練習で、譜面台を閉じた状態でいきなり弾いてみます。
演奏途中に暗譜して弾けなかったら楽譜を開き、止まった場所を確認します。
そのとき、なぜ止まってしまったのか原因を探しましょう。
印をするなどして楽譜に記録を残すのも効果的です。
おすすめ練習方法
原因 | 対策や練習方法 |
---|---|
音名を曖昧に読んでいた | ・止まった「音」を特定し、音を読み直す ・前後のメロディを音名で歌う ・テンポを落として、片手・両手で弾く |
指番号を守れていない | ・楽譜に記載されている指番号を確認する ・片手ずつ弾きながら指番号を覚える |
リズムが難しい | ・リズムだけを取り出してメトロノームを使ってリズムを打つ ・拍子を意識する ・テンポを落として両手で弾く |
上記の練習を繰り返すことで「止まってしまう場所」は減っていくでしょう。
3. 曲のイメージを持つ
練習している曲のイメージを持ちましょう。
なぜなら、本番では緊張するためいつもは考えないことを考えてしまい暗譜が飛んでしまいがちだからです。
「この音はこんな音だった?」
「このリズムは間違えやすいんだよね」
など、緊張するといつもは気にしないことが気になり、暗譜は飛びやすくなります。
おすすめ練習方法
イメージを持つ場所 | 方法 |
---|---|
曲全体を物語のように流れを イメージする |
・短い曲の場合、タイトルからイメージする ・絵が得意な方は絵を描くことも有効 |
構成ごとにイメージする | ・構成ごとに曲のイメージは変わるため、構成ごとに 「明るい」「暗い」「飛び跳ねるように嬉しい」など 具体的なイメージを持つこと |
筆者も舞台で演奏したとき「曲の始まりはこんな風に弾くんだったよね」といつもは考えないことを頭の中で確認して弾き始めた途端、暗譜は消えました。
演奏のときに考えることをあらかじめ決めておくと頭の中は混乱を避けられるでしょう。
4. 楽譜を隅々まで確認する
楽譜には音符をはじめとするさまざまな記号が書かれています。
ピアノを弾きながら読んでいると「見えていないところ」は存在します。
ピアノから一旦離れて楽譜を読む時間を作りましょう。
おすすめの練習方法
- 指で楽譜をなぞりながら音名を確認する
- 音楽記号や音楽用語を確認する。意味を確認し楽譜に書き込むのも効果的
- メロディを歌う
- 曲の音源があれば、聴きながら楽譜を読む
- ※音楽理論を理解し楽譜を読み込む
※音楽理論とは「楽譜を読む」「演奏する」「作曲をする」など音楽を深く理解するための知識です。
音楽のジャンルや音楽の要素など、内容は多岐にわたります。
ピアノ音楽であれば、まず「楽典」を学ぶのをおすすめします。
著者轟千尋先生の楽典本は、内容がわかりやすく演奏に活かすポイントも書かれています。
轟千尋(2013)「いちばん親切な楽典入門」新星出版。
5. 自分の得意な覚え方を練習の中で見つける
あなたは、学生時代の勉強をどのような方法で暗記しましたか?
暗譜は「楽譜の内容を覚えること」なので、暗記方法は勉強と似ています。
暗譜は練習を繰り返すことで自分なりの得意な方法が見つかるでしょう。
優位部位 | 練習方法 |
---|---|
視覚 | ・楽譜を読み込む ・イラストや文字を楽譜に書き込む |
聴覚 | ・曲の音源を聴く ・録音して演奏を聴く ・歌う |
身体感覚 | ・弾く回数を増やす ・曲のイメージを身体で表現しながら歌う ・指揮をしながら歌う ・机の上などピアノから離れたところで指を動かし、 曲をイメージする |
覚え方は人によって違います。
自分のやりやすい方法を見つけて楽譜の内容を覚え、暗譜で演奏してみましょう。
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ピアノ発表会で曲が飛ばないようにするには?
ピアノ発表会では、どんなに練習を頑張って暗譜をしても曲が飛んでしまうことはありませんか?
ピアノ発表会本番までにできることは4つあります。
- 強制的に最後まで弾く練習をする
- 本番までに誰かに聞いてもらう機会を作る、演奏を録音する
- 本番と同じ状況で練習する
- 緊張するのは頑張っている証拠と捉える
それぞれ説明します。
強制的に最後まで弾く練習をする
ピアノ発表会本番までにできること1つ目は、暗譜を練習しているときに途中で忘れてしまっても、強制的に最後まで弾くことです。
演奏の途中で止まることに慣れないようにしましょう。
癖は無意識のときに現れやすいです。
最後まで弾き切る練習を重ねると自信にもつながります。
本番までに誰かに聞いてもらう機会を作る、演奏を録音する
ピアノ発表会本番までにできること2つ目は誰かに聞いてもらう機会を作る、演奏を録音することです。
人前で演奏するのは誰でも緊張します。
本番までに聞いてもらう機会を作って練習するのは緊張をコントロールする練習にもなりますよ。
演奏を聞いてもらう人がいない場合は、自分の演奏を録音する方法も効果的です。
合わせて、自分の演奏を聞いて振り返ると改善場所を見つけられます。
本番と同じ状況で練習する
ピアノ発表会本番までにできること3つ目は、本番と同じ状況で練習をすることです。
- 発表会本番の演奏時間と同じ時間に演奏する
- 本番で着るドレスやスーツを着て演奏する
- 靴を履いて演奏する
筆者も本番1週間前から、本番の演奏時間と同じ時間に弾く練習をします。
「この時間に演奏するんだな」と緊張感を味わっています。
ピアノ発表会本番まで頑張るぞと言う意気込みも出てきますよ。
当日の緊張の中で、普段と同じ行動ができると少し落ち着きます。
緊張するのは頑張っている証拠と捉える
ピアノ発表会本番までにできること4つ目は、緊張するのは頑張っている証拠と捉えることです。
人前での演奏は誰でも緊張します。
「緊張することでより良い演奏を届けることができる」「頑張っているから緊張する」と気持ちを切り替えることも大切ではないでしょうか。
たとえうまくいかなかったとしても、やってみないとわからないことはたくさんあります。
「暗譜の練習が上手くいった方法」「上手くいかなかった方法」を知るのは、次のステップへの経験になります。
暗譜の失敗は、音楽の流れが止まることです。
焦って演奏を止めないようにする、間違えても暗譜が飛んでしまっても演奏を続けましょう。
気にしているのは自分だけで、案外聞いている人にはわからないものです。
練習のコツを知って暗譜に挑戦してみよう
暗譜とは楽譜の内容を覚えることです。
暗譜の仕方は3ステップあります。
- ステップ1「楽譜や曲を覚える」
- ステップ2「演奏をするために覚える」
- ステップ3「暗譜で演奏してみる」
暗譜をすることと、暗譜した曲を演奏することを分けて練習する、関連づけて練習するとより深く楽譜を理解できます。
一つの練習だけをするのではなく、バランスよく楽譜を理解して演奏しましょう。
暗譜の練習にはコツが5つあります。
- 曲の始めから通すだけの練習をしない
- トライ&エラーを繰り返す
- 曲のイメージを持つ
- 楽譜を隅々まで確認する
- 自分の得意な覚え方を練習の中で見つける
暗譜を怖がらずに繰り返し練習を積み重ねましょう。
ピアノ発表会で暗譜が飛ばないための対策も大切です。
- 強制的に最後まで弾く練習をする
- 本番までに誰かに聞いてもらう機会を作る、演奏を録音する
- 本番と同じ状況で練習する
- 緊張するのは頑張っている証拠と捉える
発表会本番までにできる練習は何度もやってみましょう。
暗譜にはコツがあります。
暗譜や練習のコツを知って怖がらずに挑戦し、あなたの素敵な演奏を聞いている人に届けてくださいね。
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