私は、小学校2年生から5年生までピアノ教室に通ったのがピアノとの出会いです。その後、高校2年生のときに保育士を目指し、再び子どもの頃に通っていた教室で短大卒業まで習いました。保育士になってからは毎日ピアノを弾きながら子ども達と歌ったりポピュラーピアノを習ったり、自作の曲でピアノの弾き語りをして活動していた時期もあります。現在は音楽教育であるリトミック講師の資格を持ち、ライターのほかにリトミック講師としても仕事をする毎日です。
目次
- ピアノの練習を始める前に必要なマインドセット法!
- 短時間で上達するにはこれを抑えておくべし!
- ピアノが短時間で上達する方法① 毎日練習する
- ピアノが短時間で上達する方法② 基礎練習をしっかりとする
- ピアノが短時間で上達する方法③ 片手ずつ練習する
- ピアノが短時間で上達する方法④ ゆっくり弾く
- ピアノが短時間で上達する方法⑤ 苦手な部分を練習する
- ピアノが短時間で上達する方法⑥ 自分の演奏を録音して聴いてみる
- ピアノ初心者にオススメの練習曲とは?
- ピアノ初心者にオススメの教本 『ハノン』
- ピアノ初心者にオススメの曲の見分け方
- ピアノ初心者にオススメの練習曲① クラシック編
- 『メヌエット ト長調』(ベツォールト)
- 『エリーゼのために』(ベートーヴェン)
- 『パッヘルベルのカノン』(パッヘルベル)
- ピアノ初心者にオススメの練習曲② ポップス編
- 『Let It Be』(ザ・ビートルズ)
- 『少年時代』(井上陽水)
- 『世界で一つだけの花』(SMAP)
- ピアノ初心者にオススメの練習曲③ アニメソング編
- 『美女と野獣』(ディズニー)
- 『人生のメリーゴーランド』(ハウルの動く城)
- 『ひまわりの約束』(STAND BY ME ドラえもん)
- ピアノ初心者がよくやってしまう練習方法とは?
- 1時間の効率的な時間の使い方とは?
- まとめ
こんにちは。元保育士Webライターのナイスです。
ピアノは練習によって上達しますが、短い期間で簡単に弾けるようにはなりません。 独学でピアノを弾けるようになりたいと考えている人は、どのように練習をしたらよいのか迷うことでしょう。 ピアノにはさまざまな練習方法があるため、同じ時間練習をしても内容や方法によって上達に差がつくことがあります。
今回の記事はピアノ初心者に向けておすすめの、効果的なピアノ練習法を解説します。 独学でピアノを練習している人は、ぜひ練習の参考にしてください。
ピアノの練習を始める前に必要なマインドセット法!
大人がピアノを始めるときは、「ピアノを弾けるようになって人に聴かせたい」「大好きな曲を弾きたい」など、個々に目標があると思います。 そして、仕事や家事、育児などの合間の時間に、ピアノ教室に通わず独学でピアノを習得しようと考える人は情熱や意欲があることでしょう。
その情熱と意欲こそが、ピアノを始めるにあたって最も重要なマインドセット(思考や価値観)です。 「初心忘るべからず」という言葉がありますが、ピアノを始めようとしたときの「弾けるようになりたい」という気持ちを忘れずに取り組んでください。
同時に、ピアノは一朝一夕で習得できるものではないということも忘れず、根気よく取り組むことが大切です。
音楽は楽しいものです。
ぜひ、音楽やピアノの楽しさや素晴らしさも感じながら、練習に取り組みましょう。
短時間で上達するにはこれを抑えておくべし!
ピアノは練習方法によって、上達までの期間が変わります。
それだけ練習のやり方や内容はとても重要です。
ここでは、上達への近道となり得る練習方法を6つ紹介します。
ピアノが短時間で上達する方法① 毎日練習する
仕事や家事で毎日を忙しく過ごしている大人は、毎日練習する時間を確保するのは難しいものです。
仕事の後は、疲れてピアノを弾く気力がないという人も多いでしょう。
そのため「平日は仕事があってピアノの練習ができないから、休みの日にまとめて練習しよう」と考える人はたくさんいます。
それが絶対にいけないわけではありません。
しかし、「休みの日だけ長時間弾く」人よりも、「1日15分だけでも毎日必ず弾く」という人のほうが、早く上達する場合が多いのです。
たとえば「平日は全く弾かず土日にまとめて3時間ずつ弾く人」が、土日に旅行などの予定があると次の土日まで2週間近く空いてしまいます。
しかし、短時間でも毎日弾く習慣がある人が土日に旅行へ行ったとしても弾かない日はたった2日だけです。
もちろん残業やデート、飲み会など予定があって弾けない日があるのは仕方ありませんが、できるだけ毎日弾く習慣を身につけましょう。
ピアノが短時間で上達する方法② 基礎練習をしっかりとする
ピアノは基礎練習が非常に重要です。
独学でピアノを習得しようとする人の中には、早く曲が弾けるようになりたいために基礎練習をせずにいきなり最初から曲の練習を始める人がいます。
しかし、最初に基礎練習をしっかりと行うことが大切です。
初心者用の教則本を購入したりインターネットで検索したりしながら、「ピアノを弾く姿勢」「指の形」「指使い」などを最初にしっかりと練習することで、ピアノのテクニックの習得や上達につながります。
基礎練習はピアノを始めたときだけではなく、毎回の練習時にも短時間でよいので最初にすることをオススメします。
基礎練習の積み重ねがしっかりできると、テンポの速い曲や音が上下する幅が広い曲など難易度が高い曲も弾きこなせるようになるでしょう。
ピアノが短時間で上達する方法③ 片手ずつ練習する
ピアノの上級者になると、初見の曲でもいきなり両手で弾きこなすことができます。
しかし、初心はそう簡単に弾くことはできません。
早く曲を弾けるようになりたくて、最初から両手で練習を始めてもなかなか弾けるようにはならず、挫折してしまうのはよくあることです。
片手ずつしっかりと練習をしてしっかり弾けるようになってから両手一緒に練習するというように段階を踏んで練習することが、1曲を完成させるための近道になるでしょう。
ピアノが短時間で上達する方法④ ゆっくり弾く
ピアノ初心者の中には、最初から原曲通りの速いテンポで弾こうとする人がいます。
また、焦ってしまうのかテンポがスローな曲でも走ってしまいがちです。
しかし、初めはゆっくり練習し、しっかり弾けるようになってから徐々にテンポを上げていくほうが上達するでしょう。テンポの練習には、メトロノームを使うのが効果的です。
メトロノームのアプリもあるので、活用してください。
ピアノが短時間で上達する方法⑤ 苦手な部分を練習する
ピアノ初心者には、1曲を最初から最後まで通して弾こうとする人も多くいます。
しかし、1曲の中には弾きやすい部分と弾きにくい部分があり、毎回必ず間違えたりつっかえたりしてしまうフレーズがあるでしょう。
そのため、通し練習ばかりではなく間違えやすい苦手な部分を集中的に練習しましょう。
その際は、苦手な部分の前後も含めて練習すると曲のつながりが意識できるので、オススメです。
ピアノが短時間で上達する方法⑥ 自分の演奏を録音して聴いてみる
ピアノのテクニックは楽譜どおりに間違えずに弾くだけではなく、強弱などの表現力も大切です。
表現力を磨くためには自分の演奏を客観的に聴くことが必要ですが、弾いているときは夢中なので自分の演奏を客観的に聴くことはできません。
そのため、録音して聴いてみるのも効果的な練習法です。
録音して聴いてみると強弱をつけているつもりなのにあまり差がなかったり、途中からテンポが速くなったりなど、自分の演奏の課題に気付くことができます。
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ピアノ初心者にオススメの練習曲とは?
ピアノ初心者向けに、さまざまな種類の教則本や楽譜集が数多く出版されています。
高難度な曲でも弾きやすいアレンジで掲載されている楽譜集はいろいろありますが、楽譜によってアレンジが違うので実際に見比べて弾きやすいものを選びましょう。
弾いてみたいと思う曲の難易度が高い場合、最初は簡単なアレンジで練習してから徐々に難易度を上げていくのも1つの方法です。
いきなり難しいアレンジで弾こうとして挫折するよりも、弾きやすい楽譜で弾けるようになって達成感や満足感を味わうと、さらに意欲の向上にもつながるでしょう。
ここでは初心者に最適の教本に加え、オススメの曲をジャンル別に紹介します。
ピアノ初心者にオススメの教本 『ハノン』
『ハノン』は、昔から現在まで長きにわたりたくさんの人達に活用されているピアノの教本の定番です。
ハノンとはフランスの作曲家の名前で、教本の正式名称は『60の練習曲によるヴィルトゥオーゾ・ピアニスト』といいます。
『ハノン』には数多く練習曲が掲載されており、指の練習に最適です。
中には難しい曲もあるので、初心者には決してハードルが低くはありません。
そのため、初心者に限らずピアノ上級者でもテクニック向上のために『ハノン』を使って基礎練習を続けている人はたくさんいます。
まずは弾きやすい練習曲から始めて、ピアノが上達してからも『ハノン』を使って練習を続けることをオススメします。
ピアノ初心者にオススメの曲の見分け方
楽譜を見比べて弾きやすい曲を選ぶとよいと言いましたが、初心者にとっては楽譜を見てもどの曲が弾きやすいのかよくわからないこともあるでしょう。
弾きやすい曲を見分けるポイントは、次の4つがあります。
- リズムがシンプル
- 音の高低の幅が少ない(狭い)
- 和音が難しくない
- 調号や臨時記号が少ない
十六分音符などの速いリズムが多い曲や高音と低音を激しく行き来する曲は、初心者には難易度が高いでしょう。
また、「和音がたくさん出てくる」「和音の音の数が3つ以上ある」曲も弾きにくいです。
ピアノソロでメロディーを弾く右手にも和音がたくさんあると、難しくなります。
#や♭などの調号がたくさんついている曲も難しいですが、簡単な調に転調している楽譜もあるので探してみてください。
そして、知らない曲を最初から楽譜を見て弾くよりも、知っている曲のほうが断然弾きやすいです。
人気曲をたくさん集めて、弾きやすいアレンジの楽譜を掲載している楽譜集やピアノ雑誌を活用するのもオススメです。
ピアノ初心者にオススメの練習曲① クラシック編
ピアノ初心者がクラシックを弾くなら、誰でも知っているような有名な曲を選ぶのがよいでしょう。
『メヌエット ト長調』(ベツォールト)
難易度:🌕 🌑 🌑 🌑 🌑 (1.0)
ト長調の調号はファに#が付くだけなので、弾きやすい調です。
おそらく多くの人が子どもの頃から聞き覚えのある優しくかわいらしいメロディーは、親しみやすさを感じるでしょう。
ゆったりとしたテンポで、右手にも左手にも和音がありません。
そして、十六分音符もないので初心者には弾きやすい曲です。
『エリーゼのために』(ベートーヴェン)
難易度:🌕 🌕 🌑 🌑 🌑 (2.0)
この曲も、子どもからお年寄りまで多くの人に聴きなじみがあるクラシックの定番曲です。
イ短調のこの曲は、調号が何も付いていません。右手と左手を交互に弾くため、片手ずつの練習をしっかりすることが大切です。
中盤以降は難しい箇所もありますが、初めはゆっくり弾くようにすることで初心者でも十分弾くことができるようになるでしょう。
『パッヘルベルのカノン』(パッヘルベル)
難易度:🌕 🌕 🌕 🌑 🌑 (3.0)
卒業式などでおなじみの美しいメロディーは、曲名を知らない人も聴き覚えがあるでしょう。
カノンとは、複数の同じメロディーをずらしたり追いかけたりしながら進行する曲のことです。
曲の初めはシンプルで、徐々に複雑に展開していきますが、ゆったりとした曲なので少ないフレーズずつ片手練習をしっかり行っていくことで弾けるようになります。
原曲どおりではなくハ長調など弾きやすい調に転調した楽譜や複雑な部分を簡単にアレンジした楽譜など種類は豊富なので、弾きやすい楽譜を探してみてください。
ピアノ初心者にオススメの練習曲② ポップス編
ポップス編では、J-POP、洋楽含めて有名なスタンダードナンバーの中から、シンプルでスローテンポの弾きやすい3曲を選びました。
『Let It Be』(ザ・ビートルズ)
難易度:🌕 🌑 🌑 🌑 🌑 (1.0)
ピアノのイントロが印象的なビートルズの代表曲の1つです。
「C→G→Am→F」という基本のコード進行で、左手は単純なリズムの和音なのでそれほど難易度は高くありません。
右手のメロディーはリズムが難しい部分があるので、よく練習をしてください。
また、コード進行のパターンを理解する機会にもなるでしょう。
『少年時代』(井上陽水)
難易度:🌕 🌕 🌑 🌑 🌑 (2.0)
1990年にリリースされた井上陽水の代表曲ですが、シンプルで郷愁を誘うメロディーは多くの日本人の心をとらえて離さないスタンダードナンバーとなっています。
『Let It Be』と同じくゆったりとしたテンポで、複雑なリズムは出てこないので初心者でもしっかりと練習を重ねれば、十分弾きこなせるでしょう。
『世界で一つだけの花』(SMAP)
難易度:🌕 🌕 🌕 🌑 🌑 (3.0)
大ヒット曲が数多い国民的アイドルグループSMAPの曲の中でも、300万枚以上の売り上げを記録した最大のヒット曲です。
この曲に勇気づけられた人は多くいます。合唱曲として歌った経験がある人も多く、メロディーが染みついている人が多いと思うので弾きやすいでしょう。
ピアノ初心者にオススメの練習曲③ アニメソング編
最後はアニメソング編です。 長い間、幅広い層に愛され続けているディズニー、ジブリ、ドラえもんの楽曲の中から1曲ずつ選びました。
『美女と野獣』(ディズニー)
難易度:🌕 🌕 🌑 🌑 🌑 (2.0)
ディズニーソングの楽譜集は数多く出版されており、初心者向けから上級者向けまでさまざまなレベルのアレンジのものがあるので、初心者向けの楽譜を選ぶといろいろな曲を弾くことができます。
『美女と野獣』は映画のダンスシーンを思い浮かべながらゆったりとしたテンポを守り、落ち着いて弾きましょう。
ディズニーソングでは、ほかに『星に願いを』(ピノキオ)、『いつか王子様が』(白雪姫)、『ホール・ニュー・ワールド』(アラジン)など、弾きやすい曲はたくさんあります。
『人生のメリーゴーランド』(ハウルの動く城)
難易度:🌕 🌕 🌑 🌑 🌑 (2.0)
ジブリソングもディズニーと同じくたくさんの種類の楽譜集が出ており、『いつも何度でも』(千と千尋の神隠し)、『君をのせて』(天空の城ラピュタ)、『となりのトトロ』など初心者でも弾きやすい曲は数多くあります。
今回紹介する『人生のメリーゴーランド』は重厚なイメージが難易度の高さを感じさせますが、意外にシンプルで弾きやすい曲です。
ドラマチックな表現を意識し、強弱やテンポなどのメリハリをつけて弾いてみましょう。表現力が養われるでしょう。
『ひまわりの約束』(STAND BY ME ドラえもん)
難易度:🌕 🌕 🌕 🌑 🌑 (3.0)
ドラえもんが3DCGアニメ化され、2014年に公開された『STAND BY ME ドラえもん』の主題歌として秦基博が歌った大ヒット曲です。
素朴で心に染みるメロディーを大切に、心を込めて弾いてみましょう。
サビのメロディーは音の高低や複雑なリズムが少し難しいですが、丁寧に練習すれば弾けるようになるでしょう。
ピアノ初心者がよくやってしまう練習方法とは?
「毎日弾く」「基礎練習をする」「片手練習をする」「苦手な部分を練習する」という方法を紹介しましたが、初めは実践していても慣れてくるとおろそかになってしまう人は多くいます。
特に多いのが、時間があるときだけ弾き、段々ピアノに向かう頻度が落ちてしまう人や基礎練習や片手練習を全くしなくなる人です。
毎日コツコツと継続する根気が足りず、基礎練習や片手練習をつまらないと感じてしまい、曲を通して弾く練習ばかりをしてしまいがちになります。
遠回りのように感じますが、地道な練習を継続することが結果的には曲を早く完成させる近道になるので、しっかりとしたテクニックが身に付くまで継続しましょう。
1時間の効率的な時間の使い方とは?
効率的なピアノの練習時間の使い方は以下のように、大まかに3つに分けることをおすすめします。
- 基礎練習(『ハノン』等の教則本を使い、指の訓練や練習曲)
- 部分練習(現在取り組んでいる曲の、難しい部分や苦手な部分を取り出して繰り返す)
- 通し練習(現在取り組んでいる曲を最初から最後まで通して弾く)
1時間練習する場合の時間配分は基礎練習15〜20分→部分練習30〜40分→通し練習10〜20分が目安です。
例① 基礎練習15分→部分練習25分→通し練習20分
例② 基礎練習20分→部分練習30分→通し練習10分
など、そのときの曲の習得状況に応じて時間配分は調節してください。
15分だけ練習するなら各5分、30分弾くなら基礎5分→部分15分→通し10分という具合に毎回3部構成で練習を継続してみましょう。
もちろん合間に休憩をしたり最後に遊び弾きをしたりなど内容は柔軟に楽しんで練習しましょう。
尚、録音は毎回しなくてもよいでしょう。 2〜3回の練習ごとに録音して、効いてみることをオススメします。
まとめ
ピアノの初心者にオススメの上達方法を解説しました。
それほど難しい方法はありませんが、継続できずに挫折してしまう人は大勢います。
せっかくピアノを始めたのならできるだけ長く続け、たくさんのレパートリーができるよう実践してみましょう。
レパートリーが増えてテクニックが習得できると、ますます楽しさを感じて上達していくでしょう。