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ピアノ調律|値段の相場は?10年以上放置した場合の料金について解説!

Written by
2023.08.24
かしま あづみ
【執筆・監修】かしま あづみ

クラシックピアノをこよなく愛するフリーライター。子どものころピアノを習うも挫折。それでもピアノへの愛着は捨てられず、ピアノ曲を聞いたりコーラスを通してピアノと関わっています。一人でも楽しめるだけでなく、オーケストラの代役にもなるピアノの魅力を、記事を通し伝えたいと奮闘中。

楽しみとしてときどき弾いているピアノ。
調律されることなくほったらかしになっていませんか?

めったに弾かないから調律もしなくなって何年も経ってしまうと、以前より音が悪くなったり、和音がきれいに響かない、鍵盤のタッチがおかしいなど、不具合が出てきます。
私もピアノを習わなくなってから調律にはあまり関心がなくなっていましたが、放置していると鍵盤が戻りにくいなど不具合が出てきてしまいました。
ピアノは調律をして適切なケアをすれば長持ちする楽器です。
高価な楽器でもあるピアノは大事にしたいですよね。
そこで、この記事ではピアノの調律について解説します。

  • 長年調律をしないことによるピアノの不具合
  • 適切な調律の頻度
  • 長年調律していないピアノの調律料金の相場
  • ピアノの適切な保管方法
長い間放置してしまったあなたのピアノを調律する際の参考になさってくださいね。

長い間、ピアノの調律をしてないとどうなる?

長い間、ピアノの調律をしてないと

長い間、ピアノの調律をしていないと次のようなトラブルが起こります。

  • 音が下がる
  • タッチや音色が変わる
  • 音に金属音が混じる
  • 和音に違和感がある
  • オクターブ離れた同じ音階の音がズレて聞こえる

これらはすべて調律されていないことによるトラブルです。
このほか、ペダルを押しても音が広がらないなどの不具合にも注意が必要です。
ピアノの違和感に気づいたら早めの対応をしましょう。

調律の重要性

ピアノは大きな楽器であり、置かれている環境の影響を受けやすい繊細な楽器でもあるため、定期的な調律は必要です。

たとえば、ピアノの弦は強い力で張られていますが、時間の経過とともに弛みが出てきます。
このほかにも、さまざまな不具合があります。

経年劣化によるピアノの不具合
 
  • 弛みがでる
  • 音が下がる
ハンマーフェルト
  • フェルトが硬くなる
  • 弦の跡がつく
  • 伸びやかな音色がでなくなる
フレンジコードの切断
  • 押したキーを戻すための関節の役目が
  • 果たせなくなる
  • キーが戻らなくなる

定期的な調律は、正しい音階や音色を保つ以外に、適切なタイミングで修理するための点検作業でもあります。
ピアノを長年放置したまま蓋も開けられていない状況では、弦が錆びてしまったり、切れてしまったりするかもしれません。
大きな修理とならないためにも、ピアノの定期的な調律はとても重要です。

調律の頻度

それでは、ピアノの調律頻度はどのくらいが適切なのでしょうか。
新品のピアノは音が安定していないので、半年に1回の頻度で調律するのがおすすめです。
それ以降は、少なくとも1年に1回は調律しましょう。
1年に1回定期的に調律を受けるメリットは次の2つです。

メリット
  1. 音や音色の質が安定する
  2. ピアノが長持ちする

何年も放置されたピアノは、一回の調律では音が安定しない場合もあります。
放置されたピアノは弦の弛みが激しいため、粗調律といって弦の張りを強くするという作業が必要です。
粗調律をしてから本調律をしなければならず、放置されたピアノの調律は手間と時間がかかります。
そのほか、ハンマーや弦などに不具合があると、さらに時間も費用もかかりますので、調律は定期的に受けましょう。

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ピアノの調律っていくらかかるの?相場は?

ピアノの調律の価格と相場

ピアノの調律は、ピアノの種類、調律頻度によって料金が変わってきます。
調律の料金に出張費が加算されたものが、一般的な調律料金になります。
調律をしなかった場合、1年ごとに1,100円の追加料金が発生するとみてよいでしょう。
ずっと放置されていたピアノの場合は、弦の弛み方がひどかったりハンマーが変形していたりということがあるので、追加料金がかかるかもしれません。
あなたの家のピアノを調律する場合、だいたいいくらかかるのかをくわしく解説します。

ずっと放置していた場合、、料金はどれくらい?

調律料金は一般的に次のような料金体系をしています。

調律料金 + 出張費

まず、定期的に調律をしている場合の料金相場からみていきましょう。

アップライトピアノ 15,000円前後~
グランドピアノ 20,000円前後~

参考:ピアノ調律料金|渡辺ピアノ調律事務所

調律せずに放置されていたピアノの料金は『上記の相場金額+年×1,100円』です。
この場合の1年につき1,100円ですが、前回の調律から今回の調律まで何年経っているかの数字が入ります。
2年放置であれば、1,100×1年、3年放置であれば、1,100×2年という計算になります。

長い間放置しているピアノは、鍵盤のタッチの調整やフェルトハンマーの劣化による音色の調整など修理が必要になるかもしれません。

あなたのピアノの調律料金を正確に知るには、見積もりをとるのがおすすめです。
複数の業者から見積もりをとって、だいたいの相場を見極めましょう。

ここでは、ずっと放置していた場合の料金について、「ヤマハ」「カワイ」「島村楽器」それぞれの対応や料金体系について紹介します。

ヤマハ

公式URL:ピアノ調律 | 【ヤマハ公式】ヤマハピアノサービス

ヤマハはそれぞれのピアノの状態によって見積もりをしています。

基本の調律料金は次のとおりです。

アップライトピアノ 16,500円(税込)~
グランドピアノ 20,350円(税込)~

実際はこの調律料金に出張費がかかります。
長年放置しているピアノについては、それぞれ見積もりとなります。
ホームページから必要事項を入力すれば見積もりができるようになっていますので、見積もりをとってみるのもおすすめです。

カワイ

公式URL:ピアノの調律・修理・クリーニング|河合楽器製作所 製品サービスサイト

カワイの調律料金は、調律の間隔が空いてしまうと1年ごとに1,100円が加算されます。
それぞれの調律の間隔ごとに料金を計算すると次のようになります。

前回の調律との間隔 アップライトピアノ グランドピアノ
1年 16,500円~ 19,800円~
3年 16,500+1,100×2=18,700円~ 19,800+1,100×2=22,000円~
5年 16,500+1,100×4=20,900円~ 19,800+1,100×4=24,200円~
10年 16,500+1,100×9=26,400円~ 19,800+1,100×9=29,700円~
30年 16,500+1,100×29=48,400円~ 19,800+1,100×29=51,700円~

実際にはこの調律料金に以下の出張費がかかります。

  • 店舗より25km以内 3,300円
  • 店舗より50km以内 3,850円

調律以外にタッチの調整や音色の調整などを依頼した場合は、以下の料金がかかります。

タッチの調整(整調料金) 6,600円
音色の調整(調音料金) 6,600円

なお、こちらの料金はピアノの種類にかかわらず、同金額です。

島村楽器

公式URL:ピアノ修理・調律料金表|島村楽器のリペア アップライトピアノ グランドピアノ

島村楽器では、調律のみの料金とタッチや音色の調整をする保守点検と別々の料金体系になっています。

前回の調律との間隔 アップライトピアノ グランドピアノ
1年 16,500円~ 19,800円~
3年 16,500+1,100×2=18,700円~ 19,800+1,100×2=22,000円~
5年 16,500+1,100×4=20,900円~ 19,800+1,100×4=24,200円~
10年 16,500+1,100×9=26,400円~ 19,800+1,100×9=29,700円~
30年 16,500+1,100×29=48,400円~ 19,800+1,100×29=51,700円~

調律を依頼すると別途、出張費5,500円かかります。
放置されたピアノの状態によっては、それぞれ見積もり金額が変わってきますので、事前見積もりは必要です。

このほか、2~3年に一度、調律だけでなくハンマーの調整など全体のメンテナンスをするサービスもあります。
保守点検料金は以下のとおりです。

アップライトピアノ 44,000円
グランドピアノ 55,000円

こまめな調律、点検は長い目で見るとコスパが良いので、放置しているピアノは早めに調律をしましょう。

ピアノを綺麗に保管するために気をつけたい3つのこと

ピアノを綺麗に保管するために気をつけたい3つのこと

ピアノの定期的な調律以外にも、ピアノを綺麗な状態で保管するために気をつけるポイント3つについて解説します。

ピアノを綺麗に保管するポイント

  • 適切な温度・湿度を維持する
  • ピアノの屋根や蓋をあける
  • こまめに弾く

ピアノは大切にメンテナンスをすれば、長く現役で使うことも可能といわれています。 ピアノを綺麗に保管するポイント3つについてくわしく解説します。

適切な温度・湿度を維持する

ピアノは多くの弦が張られている繊細な楽器です。
ピアノ本体にも木材やフェルトなど、温度や湿度によって左右されやすい素材がつかわれているため、極度な温度変化を避ける必要があります。

ピアノに最適な温度・湿度は次のとおりです。

最適温度 15~25℃
最適湿度 夏40~70% 冬35~65%

高温・多湿になる夏場、急激な温度差になりがちな冬場には特に注意が必要です。
ピアノを設置する際は次のような場所は避けましょう。

  • 直射日光があたる
  • エアコンやファンヒーターの風が直接あたる
  • 窓際

直射日光による高温や乾燥はピアノの木枠に悪影響を与えます。
季節に応じて除湿器や加湿器を使いましょう。
ただし、エアコンやファンヒーターの風が直接あたることで、乾燥しすぎたり急な温度変化によって結露することもあるので注意が必要です。
また、床暖房もピアノの木枠を乾燥させてしまうおそれがあります。
やむを得ず床暖房の部屋に設置する場合は、ピアノの下に断熱素材の敷物やカーペットを敷くなどの対策が必要です。
窓際は外気温の変化や雨などの影響を受けやすいので避けましょう。

ピアノの屋根や蓋をあける

ときどきピアノの屋根や蓋をあけることもピアノの状態を保つために有効です。
温度変化が大きいとピアノの内部に結露や湿気がこもったままになりがちです。
湿気は弦を錆びさせたり、フェルトハンマーや木枠にも影響を与えます。
フェルトハンマーにカビがはえたり、こもったような音が出たりする原因ともなります。

ピアノの屋根部分には物を置かないようにして気軽に開け閉めできるようにしておきましょう。
ピアノにフルカバーをするのもおすすめしません。
天気の良い日には屋根をあけて風を通しましょう。

こまめに弾く

ピアノは弾かずに放置されていると、どんどん劣化が進みます。
なかなか使わない道具は動きが悪くなるように、使われないと鍵盤の動きが悪くなってしまいます。

ときどきピアノを弾いていたとしても、88鍵全てを弾くことはありませんよね。
高音部や低音部などあまり使われない音域の鍵盤は放置されたままになりがちです。
私もほとんど使っていない高音部分の鍵盤の戻りが悪くなったことがありました。
ときには鍵盤の端から端までを弾いておきましょう。

【おまけ】自分でピアノを調律することは可能か?

参考:ピアノを自分で調律する方法とプロに頼むメリットを解説! | 【ヤマハ公式】ヤマハピアノサービス

ピアノを綺麗に保管するために気をつけたい3つのこと

定期的な調律が必要なピアノですが、自分で調律することはできるのでしょうか?
結論から申し上げると、自分で調律することは可能ですが、おすすめはしません。
理由は、メリットよりもデメリットのほうが大きいからです。

メリット
  • 料金がかからない
デメリット
  • ピアノを壊してしまうリスクがある
  • 道具を揃える手間がかかる

自分で調律できれば調律料金がかかりませんが、調律は簡単な作業ではありません。
手に負えなくなってプロに依頼する事態になってしまうと、割高な料金になります。

自分で調律するために必要なこと

  • ピアノの構造に関する知識
  • 音感
  • 調律に必要な道具を揃える

ピアノの構造を理解した上で、弦の張りを調整する、音叉と基準の音を合わせる音感と技術が必要です。
学生時代、調律ができるという先輩がいましたが、現役でピアノを真剣に習得している人でした。
調律には、確かな音感と技術が必要です。
88音の音階すべてを整えるには大変な労力がかかることは容易に想像できますね。

さらに、調律に必要な道具を揃えなければなりません。 調律に必要な道具は以下のとおりです。

  • チューニングハンマー
  • 音叉
  • チューナー
  • フェルトウェッジ
  • ゴムウェッジ
  • 木製ウェッジ(アップライトピアノ)

弦やフェルトの状態なども音に影響してきますので、かなり難しい作業といえます。
ピアノの状態をさらに悪化させる場合もありますので、プロにお任せするのがおすすめです。

ピアノをいつまでも楽しむために

ピアノは調律をして適切なメンテナンスをしていけば、長持ちする楽器です。
長年放置されているピアノをこれからも使いたいなら、早めに調律を依頼しましょう。
ピアノは放置されている時間が長いと、弦が錆びたりフェルトにカビがはえたりして音色や機能に不具合が出てしまいます。
元の状態にするにも時間と手間がかかり、調律の値段もそれに伴ってかさんでしまう事態になりかねません。
ピアノは定期的に調律すればコスパもよく、長く美しい音色を楽しめるでしょう。

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