クラシックピアノをこよなく愛するフリーライター。子どものころピアノを習うも挫折。それでもピアノへの愛着は捨てられず、ピアノ曲を聞いたりコーラスを通してピアノと関わっています。一人でも楽しめるだけでなく、オーケストラの代役にもなるピアノの魅力を、記事を通し伝えたいと奮闘中。
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「自宅マンションにピアノを置いて練習したいけど、うるさいっていわれないかな?」 こんなお悩みありませんか? ピアノは大きな音が出る楽器なので、心配ですよね。 騒音トラブルになってしまうと毎日の練習も憂鬱なものになってしまいます。 トラブルにならないように自宅マンションでピアノを弾くには、防音対策や置き場所がポイントです。 さらに練習時間帯を選んだりご近所の方とのコミュニケーションをとっておくと、トラブルを防げますよ。 今回は、マンションでピアノを弾くための防音対策とおすすめのピアノについて解説していきます。 マンションでピアノを楽しみたい方は、ぜひ、最後までお読みくださいね!
マンションでピアノを弾いてもいいの?
マンションでピアノが弾けるかどうかは、マンションの管理規約によります。 パターンとしては次の3つが考えられます。
- 楽器演奏一切禁止
- 楽器の種類、時間帯によって演奏可
- 楽器演奏可
楽器演奏禁止のマンションの場合、音量の大小にかかわらず演奏してはいけません。 周囲に楽器演奏がばれてしまったりトラブルに発展したりすると、退去させられてしまう場合もあります。
楽器演奏が可能なマンションであれば、決められた時間帯や常識的な時間帯で演奏できます。 しかし、規約を守っていてもトラブルになることもあるので注意が必要です。
マンションでピアノを弾くときの注意点!
マンションの規約通りにピアノを弾いていてもトラブルになることがあります。
なぜなら、マンションにはさまざまな生活サイクルの人がいるからです。
- 夜勤の人
- リモートワークの人
- 育児中の人
このような状況にいる人は、たとえ昼間であっても迷惑だと感じてしまうことがあります。 また、休日も人によってはさまざまですよね。 出勤時間が過ぎたからといって周囲の住人が起きているかどうかはわかりません。 ゆっくり寝坊したい方もいるかもしれません。
そこで防音対策をしっかりしておきましょう。
機会があれば、ピアノの音が気になりませんか? というような声掛けをし、近所の人とのコミュニケーションをとっておくとさらに安心です。
ピアノの騒音トラブルが発生する要因2つと対策
ピアノの騒音トラブルが発生する要因は2つです。
- 空気を伝わって広がる音
- 床・壁を伝わって広がる振動音
マンションでピアノを弾くには、この2つの音に係わる防音をしなければなりません。 音は、窓、壁、床から漏れています。 防音対策はこの3箇所に対策が必要になります。 一番効果的な対策は防音室のようにリフォームすることです。
しかし、リフォームする余裕がなかったり賃貸だったりする場合もありますよね。 そこで賃貸でもできる防音対策について解説しましょう。
窓の防音対策
カーテンレールの窓にはどうしてもすき間があるので、防音が難しくなります。 可能であれば二重窓にするのがおすすめです。後付けできる二重窓もあるので検討してもいいですね。 賃貸マンションでリフォームできない、予算がないという場合は、防音カーテンをつけるという方法があります。
防音カーテンには、レースカーテンタイプ、カーテンと窓の間にいれるカーテンライナーなど種類もさまざま。 なかには防音パネルで窓全体を覆ってしまうものもあります。 防音効果もさまざまなので、それぞれの状況に応じて選ぶ必要がありますね。
しっかりした防音カーテンを選ぶなら以下3つのポイントを押さえましょう。
- 厚くて重いもの
- ドレープのないタイプのもの
- カーテンレールのすき間を覆えるもの
防音カーテンは厚みがあり重いものがおすすめです。 音は振動なので、振動を伝えにくくするにはどうしても厚みと重さが必要になります。 また、できるだけすき間をなくすことで防音効果が高まります。
壁の防音対策
壁の防音対策は、防音壁を設置しましょう。 ピアノを置く部屋全体に設置しておくと安心です。 賃貸でリフォームなど難しい場合でも可能な、ワンタッチで設置できる防音パネルが販売されています。 ピアノは高音域から低音域まで幅広い音域を持っているので、防音効果の高いものがおすすめです。 可能であれば壁とピアノの間に、音の反響を抑える吸音材と防音材を挟む方法もあります。
特にアップライトピアノは背面の響板からの音が大きいため、隣家との間にある壁にピアノを設置するのはできるだけ避けましょう。
床の防音対策
ピアノを弾くと床には、鍵盤を押す音やペダルを踏む音などの振動音が伝わります。 この音を防音するには、振動対策マットや防音タイルカーペット、遮音材のカーペットなどをピアノの下に敷きましょう。
ピアノの防音対策に最適な防音マットの選び方は次のポイントを押さえて選ぶことが重要です。
- 5~10mmの厚さが必要
- 密度のあるもの
ピアノは防音だけでなく振動も伝わるので、防振マットとの併用がおすすめです。
フローリングの床は音が伝わりやすいので、しっかりした防音材を選びましょう。
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ピアノはどの部屋に置くべき?
ピアノは居間か子供部屋に置くのがよいでしょう。 ただし、子供部屋に置くなら地震などの災害の際に下敷きにならないような対策も考えておく必要があります。
さらにピアノの騒音トラブルにならないようにするには、内壁に向かって置くことが重要です。 ピアノはどうしても壁に向かって設置しがちですが、隣家との間の壁を背にして置くと音漏れしてしまいます。 自宅内の部屋と部屋の間仕切りとなっている壁につけて設置するのがおすすめです。
また、フローリングの床に直置きすると音だけでなく振動も階下の家に響きますので、防音対策をした上で設置しましょう。
ピアノにダメージがかかる置き場もある!
居間や子供部屋が良いといっても、必ずしも最適かどうかのチェックは必要です。
ピアノに最適な温度湿度は次のとおりです。
温度・・・約20℃(±5℃) 湿度・・・約60%(±10%)
ピアノにダメージがかかる場所としては次の3つが考えられます。
- キッチンや水回りの近く
- 直射日光があたる窓際
- エアコンの風が直接当たる場所
ピアノは、木材や金属、フェルトなど環境に左右されやすい素材でできています。 また、電子ピアノであっても繊細な楽器であることに変わりはありません。 結露などは電子ピアノの部品にダメージを与えるリスクがあるので、アコースティックピアノ同様に注意が必要です。
キッチンや水回りの近くでは、湿度が上がるので以下のようなリスクがあります。
- 湿気で音がこもる
- 弦が錆びる
- 木材やフェルトがかびる
直射日光が当たる場所では、温度や湿度が急激に変化します。 昼間は乾燥し夜間は結露するような場所では、ピアノの木材が反ったり割れたりする原因となります。 日光の紫外線によって色褪せしてしまうのも、残念ですよね。
エアコンの風が直接当たる場所は、乾燥しすぎてしまい木材にダメージを与えてしまいます。
- アクションのネジがゆるむ
- 響板が割れる
エアコンから水滴が落ちることもあるので、エアコンからは離して設置しましょう。
状況に応じて除湿器や加湿器などで調整する、冷房暖房を使う際は徐々に適温にするなどの対策をすればピアノが長持ちします。
マンションにおすすめのピアノを種類別に紹介
それでは、マンションで使うピアノのおすすめを紹介しましょう。 今回は、アップライトピアノ、ハイブリッドピアノ、電子ピアノそれぞれの種類別にマンションで使いやすいピアノを3つずつ紹介します。
アップライトピアノ編
アップライトピアノはコンパクトでマンションでのピアノ練習に向いています。 しかし、アコースティックピアノだけに防音対策はしっかりしておく必要があります。 別途費用が発生してしまいますが、サイレントピアノにすればさらに安心です。 ピアノのなかにはサイレントピアノにできるものとできないものがあります。 そこで、サイレントピアノにできるタイプのアップライトピアノを3つ紹介します。
YAMAHA YUS1
引用:YAMAHA
サイズ:- 幅 152cm
- 奥行 61cm
- 高さ 121cm
グランドピアノと同じ部品を使い熟練の技術者によって作られているYUS1。 高品質ながら、121cmというコンパクトさでマンションにも使いやすい大きさです。 色は黒、マホガニー、アメリカンウォールナットの3色があります。 高級感のあるデザインも魅力のアップライトピアノです。
YAMAHA YU11
引用:YAMAHA
サイズ:- 幅 153cm
- 奥行 61cm
- 高さ 121cm
YAMAHAアップライトピアノを象徴するピアノ。 伝統の設計と高品質な素材で作られています。タッチも軽くて弾きやすく、サイズも121cmとコンパクト。 3本のペダルはダンパーペダル、マフラーペダル、ソフトペダルの3本あります。色は黒のみです。 蓋はソフトランディング機構で、蓋で指を挟むリスクを減らす配慮がされています。
KAWAI K-300
引用:KAWAI
- 幅 149cm
- 奥行 61cm
- 高さ 122cm
コンパクトなアップライトピアノのK-300。 ハンマーはアンダーフェルトが貼られ外側が柔らかく内側が硬い理想的なハンマーになっています。 鍵盤は長鍵盤設計で、より繊細な表現が可能です。 色は黒と華やかさのある白があり、KAWAIの消音ユニット(別売り)をつけることで消音ピアノにできます。
ハイブリッドピアノ編
アコースティックピアノの良さと電子ピアノの使い勝手の良さを兼ね備えたハイブリッドピアノ。 アコースティックピアノの使用感はそのままに、音量を調節できるなど便利な機能がありマンションでも使いやすいピアノです。
YAMAHA NU1XA
引用:YAMAHA
- 幅 150.1cm
- 奥行 46.2cm
- 高さ 102.4cm
YAMAHAのアバングランドシリーズのなかで一番小型のハイブリッドピアノです。 本物のアップライトピアノのアクションを搭載した本格的な演奏が楽しめます。 ペダルもダンパーペダルはハーフペダル対応できるので繊細な表現が可能です。 ピアノの音はCFXシリーズとベーゼンドルファーインペリアルのサンプリング。 コンパクトながら本格的な演奏が楽しめます。
KAWAI NV5S
引用:KAWAI
- 幅 144cm
- 奥行 46cm
- 高さ 110cm
KAWAIのNV5Sはコンサートグランドピアノの「SK-EX」「EX」「SK-5」の音を内蔵。 タッチもアップライトピアノKシリーズのアクションと同じものを搭載していて、繊細な表現も可能です。 ペダルもダンパーペダルはハーフペダルに対応。アコースティックピアノのような弾き心地を実現しています。 色は黒のみです。
CASIO GP-310BK
引用:CASIO
- 幅 143.4cm
- 奥行 48.9cm
- 高さ 96.3cm
世界に愛されてきた伝統の音色を研究し、3種類の音色「ベルリン・グランド」「ハンブルク・グランド」「ウィーン・グランド」の魅力を楽しめます。 ハンマーレスポンスや指先が鍵を離れるスピードによって響きのニュアンスも表現可能です。 ダンパーペダルはハーフペダルに対応しており、グランドピアノのような使用感です。 色は黒と白の二色から選べます。
電子ピアノ編
それでは、電子ピアノのおすすめ機種を3つご紹介します。 マンションで使うピアノとして一番現実的で安心なピアノです。 ヘッドホンで聞きながら練習できるコンパクトなボディは、限られた空間の中に設置するにはぴったりです。
Roland KF-10(Kiyola)
- 幅 139.6cm
- 奥行 33.7cm
- 高さ 78.2cm
リビングにもなじむデザイン性とコンパクトで本格的な電子ピアノのKiyola。 キャビネットは家具メーカー「カリモク」の職人によるものです。 色はピュアオーク、ウォールナット、シアーホワイトの3色があります。 外側の美しさだけでなく、KiyolaはRolandならではのアコースティックピアノのような弾き心地も保っています。 初心者だけでなく、上級者でも満足できる電子ピアノです。
YAMAHA ARIUS YDP165
引用:YAMAHA
- 幅 135.7cm
- 奥行 42cm
- 高さ 84.9cm
ヤマハ最高峰のコンサートグランドピアノ「CFX」の響きを再現したARIUS。 グランドピアノのような音色に加えて自然な鍵盤タッチにこだわった、スタンダードモデル。 ダンパーペダルにはハーフペダル機能が搭載されているので、ペダルの踏み加減で音の伸び具合も調整できます。
色はブラックウッド、ニューダークローズウッド調、ホワイトアッシュ調、ホワイトウッドの4種類あり、お部屋のテイストに合わせて選べます。
KAWAI CN201
引用:YAMAHA
- 幅 136cm
- 奥行 40.5cm
- 高さ 86cm
KAWAIのCN201は、グランドピアノのタッチに近い弾き心地の電子ピアノです。 ペダルもアコースティックピアノのような使用感で、ダンパーペダルもハーフペダルに対応しています。 鍵盤をささえる棚受柱をつけているので安定感もあります。 マンションでも打鍵音が気にならない静音機能もついているのもおすすめポイントです。 色はライトオーク、ローズウッド、ホワイトメープルの3色です。
まとめ
マンションでピアノを弾いてもいいのかは悩みますよね。 ピアノの時間が騒音トラブルで楽しくなくなってしまうのは悲しくなります。 まず、マンションの規約を確認して規約を順守することから対策を考えましょう。 規約違反がわかると最悪の場合、退去させられる恐れがあります。 楽器演奏が可能なマンションであっても、窓、壁、床に防音対策をしなければトラブルになりかねません。
リフォームするのが一番効果がありますが、賃貸マンションでリフォームできない場合は以下の方法があります。
- 窓に防音カーテンをつける
- 壁に防音パネル、吸音パネルを取り付ける
- 床に防音マットを敷く
ご近所とのコミュニケーションをとれればさらに安心です。 機会があればピアノの音が気にならないか、聞いてみましょう。
サイレントピアノにしたり、ハイブリッドピアノや電子ピアノを使ってピアノそのものの音を抑える対策も必要です。
防音対策とピアノ選びでマンションでもピアノを楽しめる環境を作りましょう。
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