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【ドレミ付きコード一覧表】ピアノコードの覚え方&仕組みを丁寧に解説◎

Written by
2024.07.11
どるちぇ
【執筆・監修】どるちぇ

4歳よりピアノを習い、20歳より電子オルガン・コード理論を学びました。 現在は、20年以上継続している自宅でのピアノ教室で2歳からの子どもたちと一緒にピアノの練習をしています。 保育士資格を独学で取得し、保育園にて子どもたちとリトミックや季節の歌を楽しんできました。皆さまのピアノライフのお役に立てるようにピアノの魅力をたっぷりお届けします。

ポピュラー音楽や映画音楽、ジャズなどの楽譜で見かけるコードネームですが、
「どうやって覚えたらいいのかわからない」と思われた経験はありませんか?

メロディの上の部分に書かれている英語を「コードネーム」と呼びます。
筆者は、20歳のときの電子オルガンレッスンがコードネームとの出会いです。
はじめの頃は「これがコードネームCの和音なんだ」などワクワクしながら新しい学びを楽しんでいました。

しかし、
「忘れる」
「鍵盤にすぐ手が置けない」
「コードの数が多くてうまく整理ができない」
など、コード単体で覚えてもすぐ忘れてしまうことに苦労しました。
絶対音感を持っているため、耳から和音の響きで覚えることもある程度できましたが、コードを演奏で使えるようにはなりません。
しかし、和音の構成と仕組みを理解してからはコードネームがとても覚えやすくなりました。
その「からくり」をご紹介します。

コードってなに?

コードとは和音を英語で表記したものです。
和音とは音が積み重なったものです。

調性における相対的な和音の位置や働きを示す和音記号に対して、コードネームは基本となる三和音の種類を示します。
調性が変わってもコードネームCであれば「ドミソ」を表し、構成音が変化することはありません。
そして普段よく耳にするドレミファソラシ、これはイタリア語です。
コードネームでは英語を使うため、英語による音名を覚える必要があります。
コードネームは1度覚えたら、ギターなど他の楽器演奏でも使える音楽知識です。

コードネームを覚えるメリットとは?

コードネームを覚えると、ピアノ演奏でどのようなメリットがあるのか5つご紹介します。

  1. 譜読みの助けになる
    コードネームは構成音として何の音が入っているのかがわかるため、譜読みをするときの参考になります。
  2. 曲のまとまりがわかる
    コード(和音)は1つで演奏するのではなく、複数個連結することで伴奏が変化し、曲にメリハリがでます。特に属音→主音の流れは曲の終わりを示し、曲にまとまりが感じられる演奏になるでしょう。
  3. 和音の特徴から曲の表現につながる
    コード(和音)を手がかりにして楽曲分析ができます。分析をすると、和音の役割が明確になり、曲のまとまりやコード(和音)の響きによる表現が可能になります。
  4. 簡単な曲や知っている曲に、伴奏が付けられる
    「コード奏」とはメロディにコードをつけ伴奏をする奏法です。コード奏用に「リードシート」と呼ばれる五線紙にメロディとコードのみが書かれている楽譜があります。コードネームから自分で伴奏を考え、メロディに合わせて気軽に演奏が楽しめます。
  5. わざわざ音符にしなくても良い
    コードネームは和音の構成音がわかるので、わざわざ楽譜に音符として表す必要がありません。音読みが楽になります。

ピアノコードの覚え方の順番は?

コードネームを、簡単に覚えるポイントがあります。
それは覚える順番を守ることです。
コードの仕組みと基礎知識覚え方に分けてご紹介します。

まずはコードの仕組み基礎知識を理解しよう!

コードネームは全部を覚える必要はありません
仕組みを理解して応用できるからです。
コードネームは一覧表を簡単にダウンロードできます。
音符が読めて鍵盤の位置がわかる方には、どこを押さえればいいか一覧表を見ながら練習ができます。
でも音符は読めない、鍵盤の場所もよくわからない方にとってのコードネーム一覧表は参考にならないでしょう。

コードネームの種類も1種類ではありません。
例えば11種類のコードとして考えた場合、7つの白鍵5つの黒鍵の12の音で数えると11×12=132種類コードが存在します。
全ては覚えられませんよね。
このような理由により、コードの仕組みや基礎知識を理解できると、コードネームが覚えやすくなります。

音名

先ほど少しだけ触れましたが、普段使っているドレミファソラシの音名はイタリア語です。
コードネームでは英語が基本となり、数字や略語を組み合わせ表示します。
英語での音名は、コードネームを学ぶときに必要です。
イタリア語の音名ラシドレミファソに該当する英語はABCD FGになります。
ピアノレッスンでは、ドから始まる音列をよく使いますが、ラから始まる音列に慣れておくと英語の音名は理解しやすくなります。
ちなみに日本語での音名は、イロハニホヘトです。
「ハ長調」「ト長調」など曲のタイトルに表記されています。

音階の仕組み

先程のドレミファソラシの音列は長音階といわれる長調のベースです。
同様に短音階(マイナースケール)がベースとなった短調もありますが、ここでは、長音階(メジャースケール)についてご紹介します。

長音階は「全全半全全全半」の仕組みでできている音階です。
「半」とは「半音」を表し、1オクターブを12分割した音程です。
半音は、音程の最小単位でピアノの鍵盤であれば、隣り合った位置の鍵盤を指します。
「全」と表示されているところは半音ふたつ分の幅の「全音」です。
ピアノの鍵盤であれば、ひとつとばしの鍵盤の位置になります。

 

 

この音階の上に3度ずつ積み上がった音の集まりを「和音」といい、 ローマ数字を使って表記します。
機能性和音とも呼ばれ、イチ(I)ヨン(VI)ゴ(V)は曲の中で主に使用される主要三和音です。

 

 

コードネームで注目するのは元々の音階の音である和音の1番下の音「根音」です。
「ルート」とも呼ばれ、コードネームの名前になります。
根音が「ド」であればコードネームは「C」、根音が「ラ」であればコードネームは「A」になります。

音程

音程とは、2音間の高さの違い、距離を表し、単位は「度」を使います。
同じ高さの音を1度、隣の音を2度、ひとつ飛ばしを3度といいます。
1オクターブ離れた同じ音は8度です。
一般的に1度と8度は完全に調和する響き、3度と6度はハモる響き、2度と7度はぶつかっているような響きに感じられます。

次は「何度の前」につく言葉、長、短、完全についての説明です。
全音+全音この組み合わせは「長3度」といいます。
全音+半音この組み合わせは「短3度」といいます。
実際に長3度、短3度をピアノで弾くと長3度は明るく、短3度は暗く感じますが、もう一音加わるとより違いを感じられるでしょう。

全音が3つ+半音1つ、この組み合わせは「完全5度」といいます。
応用として半音1つ分の幅が増えたら増がつく「増5度」、半音1つ分の幅が減ったら減がつく「減5度」といいます。

音程の数字の前につく言葉は「長」「短」「完全」「増」「減」の5種類です。
長短系は2・3・6・7度で、完全系は1・4・5・8度となります。
先程5度のところでも述べましたが、半音分の幅が狭くなると「減」を使い、半音分の幅が広くなると「増」を使います。

和音の種類

和音(コード)には、トライアドコードと呼ばれる3和音をベースとしたコード、トライアドコードの上に第7音を加えた4和音をベースとするコードがあります。

トライアドコード(3和音)

ルート(根音)、第3音(ルートから数えて3番目の音)、第5音(ルートから数えて5番目の音)の3音からなる和音です。

メジャート・ライアド(長3和音)の構成は長3度+短3度です。
コードネームはアルファベットの大文字が使われます。
ルートがCの場合、Cと表記します。

オーギュメント・トライアド(増3和音)の構成は長3度+長3度です。
コードネームはルートがCの場合、Caugと表記します。

マイナー・トライアド(短3和音)の構成は短3度+長3度です。
コードネームはルートがCの場合、Cmと表記します。

ディミニッシュ・トライアド(減3和音)の構成は短3度+短3度です。
コードネームはルートがCの場合、Cm(♭5)と表記します。

セブンスコード(4和音)

トライアドコードの上に、さらに第7音(ルートから数えて7番目の音)を加えたものをセブンスコードといいます。

ドミナント・セブンス(属7)の構成は長3和音+短3度(ルートからは短7度)です。
コードネームはルートがシーの場合、C7と表記します。

メージャー・セブンス(長7)の構成は長3和音+長3度(ルートからは長7度)です。
コードネームはルートがCの場合、CM7と表記します。

マイナー・セブンス(短7)の構成は短3和音+短3度(ルートからは短7度)です。
コードネームはルートがCの場合、Cm7と表記します。

その他特殊なコード

サス・フォーはルートがCの場合、Csus4 と表記します。
構成は完全4度+長2度です。
susとは「宙ぶらりんになっている」という意味を表し、メジャーコードに進みます。
これを「解決」と呼びます。

ディミニッシュド・セブンス(減7)はルートがCの場合、Cdim7と表記します。
構成は減3和音+短3度(ルートからは減7度)です。
サスペンスのような響きが特長ですが、頻繁には使われません。

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コードの覚え方について

簡単なコードの覚え方をご紹介していきます。
コードネームは全てを覚える必要はありません。
よく使われているコードには決まりがあるため、使用頻度の高いコードネームから覚えるようにしましょう。

1つずつ覚える

コード一覧表や楽譜を見て弾いてひとつずつのコードを覚えていく方法です。
楽譜が読めない方は音名を書き出してみると理解しやすくなるでしょう。
また音を書き出すと可視化できるため、コードの構成音が分かりやすくなり、楽譜を読み取るときのヒントにもなりますよ。

ただ、コード(和音)のつながりがわからない、ひとつのコードだけ鳴らしても曲のイメージがわかない、何の曲のどういうところに使われるのかがわからない、忘れやすいなどのデメリットがあります。
意味を持たない音節の記憶に関する実験データである「エビングハウスの忘却曲線」から、ただ覚えるだけでは人は忘れてしまうことがわかっています。

ひとつずつのコードを確認する目的を持って練習すると、効果的に覚えることができるでしょう。

コード進行を使って覚える

コードのパターンを使うと覚えやすくなることがあります。
コードのパターン(コード進行)とは、ピアノで演奏するときの鍵盤への手の置き方や、音の組み合わせの規則性のことです。
調性によって使われるコードは主要三和音を基礎としてある程度決まっているのが特徴です。

コード進行でポピュラーなものはI→VI→V→Iで、メジャースケールの1番目、4番目、5番目のコード(和音)を順に演奏します。
具体的にCメジャースケール(ハ長調)なら、C、F、Gを使いC→F→G→Cとなります。
Vについては、ドミナント・セブンス(属七)を使うこともあり、 その場合は、C→F→G7→Cとなり楽曲での使い方により近づきコードの醍醐味を味わえるでしょう。
具体例としてハ長調を取り上げましたが、ト長調、ヘ長調など転調も含めるとコードネームのパターンが見えてきますよ。

初心者でも分かる!簡単に覚える「弾く方法」

コードネームを覚えるための理論も大切ですが、実際に弾いて体や手の動きを使う方が、コードネーム習得への早道になります。
コードの形や鍵盤への指の置き方、音などが身についてくるからです。
以下の3ステップで7つのメジャーコード、7つのマイナーコードが弾けるようになります。
演奏で使える知識となるためにも積極的に弾いて練習しましょう。

  1. 左手5の指(小指)で弾く
    伴奏としてコードをピアノで弾く場合、ほとんどが左手です。
    左手の5の指(小指)で、ABCDEFGを弾いてみましょう。
    5の指(小指)で弾いたところがコードの根音に当たります。
    この練習をすることで、英語の音名となっている音、鍵盤の場所を把握しやすくなります。

     

  2. 左手5の指(小指)と3(中指)1(親指)の指を使って和音基本形を弾く
    先ほど練習した左手5の指(小指)に音を積み重ね和音にします。
    ピアノを弾いたときの音をよく聞いて、明るい暗い感じを耳で判断してみましょう。
    明るい響きは長3和音(メジャーコード)で、暗い響きは短3和音(マイナーコード)です。

     


     

    明るい響き、暗い響きどちらにも該当しない和音があります。

     


     

    それはコードネームB(シレファ)の和音で、Bの和音は「白黒黒」の鍵盤を弾きます。
    この練習方法でコードネームAm、Bm♭5、C、Dm、Em、F、G7つが覚えられます。

  3. 第3音を変えるだけでコードネームが変化する
    第3音をメジャーコードでは半音下げる(半音左にずらす)、マイナーコードでは半音あげる(半音右にずらす)ことで響きが変わります。
    A、(B)、Cm、D、E、Fm、Gmのコードになります。

早速実践!練習問題を解いてみよう!

今までの学びを使って、実際に練習問題を解いてみましょう。

①はメジャーコードです。
基本形は、根音がコードネームの音になります。
②はドミナントセブンスコードです。
①と同様に根音がコードネームの音になります。
音名の一覧表を参考に考えてみましょう。

少し難しかったでしょうか?答えは以下のようになります。

①は、根音がド、ファ、レなのでC、F、Dがコードネームになります。
②は、ドミナントセブンスコード、根音がソ、シ、レ、ファなので G7、B7、D7、F7がコードネームになります。

次は楽譜からもコードネームを考えてみましょう。

『バイエル』より抜粋した楽譜です。
Cメジャースケール(ハ長調)の主要三和音の和音記号を記載しましたので参考にしてください。
コードネームはわかりますか?

 

 

Cメジャースケール(ハ長調)の主要三和音のコードネームは、IがC、VIがF、VがGです。

 

 

この曲で使われているコードネームはCGだけです。
コードネームは「和音」として表記されているだけではなく、和音を元にした伴奏形でも使われています。
その場合、伴奏のかたまりごとに全ての音を同時に鳴らす、あるいは音名を全て書き出してみる、などコードの構成音を調べるとコードネームがわかります。

ここにあげた問題は、和音の基本形です。
和音には音の積み上げる順番を変えた転回形もあるので、合わせて練習することでコードは見つけやすくなります。

〜ドレミ付きコード一覧表〜

まずはコードネームの覚え方をおさらいしましょう。

  1. 英語の音名を覚える
  2. 左手5の指(小指)でルートとなる音を弾く
  3. ルートの音に第3音第5音を重ねて和音として弾く
  4. 第3音を弾いている指を半音分動かすことで和音の種類が変えられる
  5. 主要三和音を使ったコード進行で弾いて覚える

【メジャーコード】

A
B
C
D
E
F
G

【マイナーコード】

Cm
Dm
Em
Fm
Bm
Am
Gm

【ドミナントセブンスコード】

C7
D7
F7
E7
A7
G7
B7

まとめ

コードネームの覚え方は、コードネームひとつずつを真正面から取り組むのではなく、和音の構成仕組みを理解すると覚えやすくなります。
コードネームを覚えるためには「ポイントと順番を知ること」が大切です。
覚えようとすると大変ですが、弾いてみたい憧れの曲を目標にしたり、期限を決めて練習するなど「覚える工夫を楽しむ」から取り組みましょう。
はじめの1歩踏み出し、コードを使った演奏「コード奏」にチャレンジし、あなたのピアノライフの楽しみを増やしてみてはいかがでしょうか?

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