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【永久保存版】ピアノ記号一覧まとめ!簡単に見返せる◎読み方や意味も解説

Written by
2023.08.16
藤原佳菜子
【執筆・監修】藤原佳菜子

はじめまして。私は広島でライターとして活動しています。 小さい頃から音楽が大好きで、8年間ほどピアノを習っていました。 ピアノの魅力や情報を、読者の皆様にわかりやすく伝えていきたいです!

楽譜には必ず記号が書かれてあり、強弱や速度などの演奏方法が指示されています。
知らない記号に出会ったとき、「どういう意味?」「なんて読むの?」と困ったことはありませんか?
ピアノの記号を的確に表現できれば、作曲者の意図を汲み取り、豊かな演奏ができるようになります。

私は小さいころから音楽が好きだったので、小学生の頃にピアノを習い始め、日々楽しんでいました。
練習していく中でさまざまな音楽記号が出てきましたが、一度見ただけでは覚えられないことが多かったです。記号の読み方まで忘れたときはどう調べたらいいのかわからず、調べ方も難しかったです。

私のような困った経験をした方は、ピアノの記号についてまとめた本記事をぜひ参考にしてみてください!
ここではピアノがより上達するために、記号の意味と読み方を紹介しています。
記号の意味を知ることで、違う順序や方法で演奏してしまうことを避け、より豊かな表現ができるようになります!
わかりやすく一覧にまとめていますので、ぜひご覧ください。

ピアノ記号一覧!珍しい音楽記号まで

ピアノ記号一覧!珍しい音楽記号まで

ピアノの記号は、簡単なものから似たような意味を持つ複雑なものまで多種多様です。
1つでも知っている記号が増えることで、表現豊かに、より正確に演奏できるようになります!
ここでは記号をジャンルごとに分け、基本的なものから順に中級以降のものまで解説していきます。

音部記号

音部記号とは、音の高さの基準を表すために使う記号のことで、楽譜の1番左端に書かれてあります。
この記号がないと、音符はどの音を指しているのか判断できません。
基本的にはこの2つの記号で示されています。

記号 読み方 意味
ト音記号 ト音記号 「ソ」の位置を表す
へ音記号 へ音記号 「ファ」の位置を表す

出典元:音楽用語辞典


ト音記号

ト音記号は「ソ」の位置を表します。
下の図のように、ト音記号は水色の線の第2線から書き始めるので、この位置が「ソ」であることを表しています。
「ソ」の位置が定まっていることで、他の音も順に決まっていきます。

ト音記号

出典元:島村楽器 ピアノの先生が教えます!音符の読み方講座【音の高さ編】

ヘ音記号

ヘ音記号は「ファ」の位置を表します。
ト音記号での考え方と同様に、ヘ音記号は第4線から書き始めるので、この位置が「ファ」であると表しています。
ヘ音記号は「ファ」を基準に他の音も読んでいきましょう!

ヘ音記号

出典元:島村楽器 ピアノの先生が教えます!音符の読み方講座【音の高さ編】

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拍子記号

拍子記号は音部記号の右隣に書かれてある分数のような記号で、曲の始まりについています。
どの音符を1拍とするか、またその音符が1小節にいくつ入っているかを表しています。
分母の数字が何音符であるかを指しており、分子の数字が音符の数を表しています。
たとえば4分の3拍子は、4分音符を1拍としており、1小節に3つ入っているので3拍です。
8分の6拍子は、8分音符を1拍としており、1小節に6つ>入っているので、6拍となります。

記号 読み方 意味
4分の3拍子 4分の3拍子 4分音符を1拍とした3拍子
8分の6拍子 8分の6拍子 8分音符を1拍とした6拍子

出典元:音楽用語辞典


4分の3拍子

出典元:シンコーミュージック

分母の数字が何音符であるかを指しており、分子の数字が音符の数を表しています。
たとえば4分の3拍子は、4分音符を1拍としており、1小節に3つ入っているので3拍です。
8分の6拍子は、8分音符を1拍としており、1小節に6つ入っているので、6拍となります。

休符記号

休符記号は文字通り、その記号が表す長さだけ演奏を休む記号です。
小節の中でよく使われ、記号によって休む長さが異なります。

記号 読み方 意味
ヘ音記号 全休符 4拍休む
ヘ音記号 2分休符 2拍休む
ヘ音記号 4分休符 1拍休む
ヘ音記号 8分休符 2分の1拍休む
ヘ音記号 16分休符 4分の1拍休む

出典元:音楽用語辞典

臨時記号

臨時記号がつくと、音の高さが変化します。
五線の音を半音単位で変化させる記号を、臨時記号と呼びます。

記号 読み方 意味
シャープ シャープ その音を半音上げる
フラット フラット その音を半音下げる
ダブルシャープ ダブルシャープ その音を全音上げる
ダブルフラット ダブルフラット その音を全音下げる
ナチュラル ナチュラル 元の高さに戻す

出典元:音楽用語辞典

臨時記号

引用:楽典

半音とは白い鍵盤と黒い鍵盤の間のような、音の高さの違いのことです。
たとえば白い鍵盤から半音上がると、演奏するのは黒い鍵盤になります。
全音は、半音の倍音が高くなることを指します。

アーティキュレーション記号

アーティキュレーション記号は、楽譜の音符だけでは表せない演奏方法を、具体的に指示してくれる記号です。

記号 読み方 意味
スタッカート スタッカート 音を約半分の長さに切る
スタッカーティッシモ スタッカーティッシモ 音を4分の1の長さに切る
テヌート テヌート 音の長さを十分に保つ
タイ タイ 同じ高さの2つの音符をつなげて、
なめらかに演奏する
スラー スラ― 異なる音符をつなげて、
なめらかに演奏する
アクセント アクセント 音量を上げ、強調する
フェルマータ フェルマータ 音を倍くらいの長さに延ばす

参考:音楽用語辞典


  • スタッカート
  • スタッカートは音符の上に小さな点をつけて表します。
    その音の半分くらいの長さに切って、跳ねるように演奏しましょう!

  • スタッカーティッシモ
  • スタッカーティッシモは、音符の上にしずくのような形がついています。
    スタッカートよりさらに短く、4分の1程度の長さに切って演奏しましょう。

  • テヌート
  • テヌートは、音符の上に横棒をつけて表します。
    その音の長さ分、しっかりと延ばして演奏しましょう!
    スタッカートは正反対のアーティキュレーション記号になります。

  • スラー
  • スラ―は、複数の音や異なる音をつなげてある弧線のことを指します。
    音符をつなげて、なめらかに演奏しましょう!

  • アクセント
  • アクセントは音符の上に「>」の記号をつけて表します。
    その音の音量を上げ、強調して演奏しましょう!
    「>」よりも、「V」の方が強く強調されます。

強弱記号

強調記号は言葉の通り、音の強弱を表す記号です。

記号 読み方 意味
クレッシェンド

(cresc.またはcrescendo)

クレッシェンド だんだん強く
デクレッシェンド

(dim.またはdiminuebdo)

デクレッシェンド
ディミニエンド
だんだん弱く

参考:音楽用語辞典


記号 読み方 意味/th>
ピアノ ピアノ 弱く
メゾピアノ メゾピアノ やや弱く
ピアニッシモ ピアニッシモ とても弱く
ピア二シッシモ ピア二シッシモ ごく弱く
フォルテ フォルテ 強く
フォルテ メゾフォルテ やや強く
フォルテッシモ フォルテッシモ とても強く
フォルテッシシモ フォルテッシシモ ごく強く

参考:音楽用語辞典


8つの記号を強弱順に並べるとこのようになります。

8つの記号

出典元:音の強弱の表し方

反復記号

反復記号は繰り返し演奏するときに使われる記号です。
少し複雑なので、関連性のあるものごとにまとめて紹介します。

記号 読み方 意味
リピート リピート 繰り返す
1番カッコ 1番カッコ 通常通り演奏する
2番カッコ 2番カッコ 1番カッコを飛ばし
2番カッコを演奏する

参考:音楽用語辞典


上記の3つの反復記号を演奏順序に並べると、このようになります。

反復記号を演奏順序に並ぶ

出典元:楽譜の進み方

記号 読み方 意味
ダ・カーポ ダ・カーポ 曲の最初から
ダ・カーポ フィーネ 演奏の終わりから

参考:音楽用語辞典


ダ・カーポとフィーネはペアのような記号です!
ダ・カーポが来たら、フィーネが書かれてあるところまで演奏しましょう。

ダ・カーポとフィーネ

出典元:楽譜の進み方

記号 読み方 意味
セーニョ セーニョ ダル・セーニョから
セーニョに戻る
ダル・セーニョ ダル・セーニョ セーニョに戻る
コーダ コーダ トゥ・コーダから
コーダに飛ぶ
トゥ・コーダ トゥ・コーダ コーダに飛ぶ

参考:音楽用語辞典


楽譜の進み方

出典元:楽譜の進み方

速度記号

速度記号はテンポを変化させるものなので、重要な記号です。
速度だけでなく、「落ち着いた感じで」「元気に」など、曲の雰囲気も変えられます。

速度を変更する記号

記号 読み方 意味
ritardando,rit リタルダンド だんだん強く。
a tempo ア・テンポ 元のテンポに戻す

参考:音楽用語辞典


リタルダンドは「rit.」と表記していることもあります。
この2つの記号はよく出てくるものなので、セットで覚えてしまいましょう!

全体の速度を決める記号

以下の記号は速度に加え、「元気に」などの表情をつける記号になるので、曲に触れながら一つずつ身につけていきましょう!
記号 読み方 意味
Lento レント 遅く
Largo ラルゴ ゆるやかに
Adagio アダージョ おちついた感じで
Andante アンダンテ 歩くような速さで
Andantino アンダンティーノ アンダンテより速く
Moderate モデラート 中くらいの速さで
Allegretto アレグレット やや速く
Allegro アレグロ 速く
Vivace ビバーチェ 元気に速く
Presto プレスト 急速に

参考:音楽用語辞典


これらの速度記号を、4分音符を基準に並べてみるとこのようになります。
「♩=80」とは、4分音符を1分間に80回数える速さのことです。

速度の表し方

出典元:速度の表し方

発想記号

発想記号とは、作曲者の考えや演奏時の心情を表すものです。
この記号があることによって、演奏者が作曲者の意図を汲みとりやすくなります。
表現力がグッと上がるので、記号の指示に従って感情を乗せて演奏してみましょう!

記号 読み方 意味
comodo コモド 気楽に
vivace ヴィヴィアーチェ 元気に機敏に
legato レガート なめらかに
dolce ドルチェ 柔らかく
con brio コン・ブリオ 活気をもって
marcato マルカート はっきりと
cantabile カンタービレ 歌うように

参考:音楽用語辞典


装飾記号

装飾記号は、音符や五線の周りに表記されている記号です。
音に短い飾りとして細かなニュアンスが加わるので、演奏が華やかになります。
似たような意味を持つ記号もあるので難しく感じますが、記号の特徴も一緒にわかりやすく説明します!

記号 読み方 意味
トリル トリル 全音または半音高い音を
素早く交互に弾く
トレモロ トレモロ 同じ音を素早く繰り返す
アルペジオ アルペジオ 和音の構成を1音ずつ演奏
する
ターン ターン 音符の上下の音を含めて
回転するように弾く
プラルトリラー プラルトリラー その音符の2度上の音を
素早く弾く
モルデント モルデント その音符の2度下の音を
素早く弾く

参考:音楽用語辞典


  • トリル
  • トリルは、横向きのなみなみ>のことを指し、全音または半音高い音を素早く交互に演奏する記号です。
    「#」や「♭」が一緒に表記してある場合は、半音のトリルとして演奏しましょう!

  • トレモロ
  • トレモロは音符に1本〜3本の線が斜めに記されている記号で、同じ音を素早く繰り返して演奏します。
    イタリア語で「震える」という意味があるので、震えるように演奏するのがコツです!

    では、1本〜3本の斜線がついたトレモロには、それぞれどのような違いがあるのでしょうか?
    まずこの斜線は、8分音符以下の音符の「はた」のことを指します。

    初心者でもわかる楽譜の読み方

    出典元:初心者でもわかる楽譜の読み方

    音の長さの合計が8分音符以下になる場合、音が刻まれる印として、「はた」のことを指す斜線が加わります。
    斜線が増えるごとに音がより刻まれるので、斜線が1本の場合は16分音符、斜線が2本の場合は32分音符となります。

  • アルペジオ
  • アルペジオはに表記されてあるなみなみのことを指します。
    日本語で「分散和音」という意味があり、言葉の通り和音を分散させて演奏します。
    下矢印が書かれていれば、分散させた和音を上から下へ演奏しましょう!
    上矢印が書かれている場合は、下から上へ演奏してください。

  • ターン
  • ターンはS字を横向きに倒してあるような記号を指します。
    音符の上下の音を含めて回転するように演奏するので、たとえば「ド」の場合だと、「ドレドシド」と演奏します。

  • プラルトリラー
  • プラルトリラーは、音符の上に表記してあるギザギザな線のことです。
    その音符の2度上の音を鳴らした後、すぐに元の音に戻って素早く演奏するので、「ド」の場合は「ドレド」となります。

  • モルデント
  • モルデントは、プラルトリラーのギザギザ線の真ん中に縦線が入った記号です。
    この縦線が入っているときは、プラルトリラーとは反対に2度下の音を交互に演奏します。
    「ド」の場合は「ドシド」と演奏しましょう!

省略記号

省略記号とは、楽譜を見やすくするために簡単に表記された記号のことです。
この記号があることで、楽譜全体をスッキリさせられます!

オクターブに関する省略記号

記号 読み方 意味
オッタ―ヴァ・アルタ オッタ―ヴァ・アルタ 指定範囲を1オクターブ上
の音で演奏する
オッタ―ヴァ・バッサ オッタ―ヴァ・バッサ 指定範囲を1オクターブ下
の音で演奏する
クィンディチェジマ・アルタ クィンディチェジマ・アルタ 指定範囲を2オクターブ上
の音で演奏する
クィンディチェジマ・バッサ クィンディチェジマ・バッサ 指定範囲を2オクターブ下
の音で演奏する

参考:音楽用語辞典


省略記号「シミレ」

記号 読み方 意味
シミレ シミレ 直前の指示を継続する
シミレ シミレ 1つ前の小節と同様に弾く
シミレ シミレ 2つ前の小節と同様に弾く
シミレ シミレ 1つ前の拍と同様に弾く
シミレ シミレ 2つ前の拍と同様に弾く

参考:音楽用語辞典

「sim.」は「simile」の略です。
シミレはイタリア語で同様にという意味があり、直前の演奏方法や音楽記号の指示を継続して演奏します。

楽譜3

出典元:Pianeys(ピアノサプリ) シーミレ (simile)の弾き方解説

例えば上記の楽譜では、「ファラド」にシーミレがついているので、直前の演奏方法を継続して「ファラドファ」と弾きます。

その他の記号

通常は楽譜の上段を右手、下段を左手で弾きますが、通常と異なる場合は演奏する手が指定されます。

記号 読み方 意味
L.H レフトハンド 左手で弾く
R.H ライトハンド 右手で弾く

ペダル記号

下記のペダル記号が書かれてあるときは、ペダルを使って演奏します。
ペダルを踏んでいる間はその音が持続するので、音になめらかさが出てゴージャスになります。
上級になればなるほど、ペダルを使うことは当たり前になってくるので、指先と足をうまく連動させていきましょう!

記号 意味
ペダルを踏む ペダルを踏む
ペダルを離す ペダルを離す
カッコ内はペダルを踏む カッコ内はペダルを踏む
ペダルを踏み直す ペダルを踏み直す

【まとめ】ピアノの記号をマスターしよう!

【まとめ】ピアノの記号をマスターしよう!

今回は、ピアノの記号についてご紹介しました。
基本的な拍子記号から難しい発想記号や装飾記号まで、たくさんの記号があったと思います。
ピアノをより楽しんでいくためにも、楽譜に書き込むなどしてどんどん覚えていきましょう!
本記事を読んで、ピアノの時間がより有意義なものになっていれば幸いです。
再び忘れてしまったときには、またこの記事を参考にしてみてください!

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