ピアノ歴20年以上のWEBライターです。コンクールや受験、さらにピアノ指導経験を活かした記事作成を行っています。
目次
- 【中級向け】クラシックピアノのおすすめ〜バロック・古典編〜
- 【バッハ】フランス組曲第5番ト長調
- 【クープラン】葦「クラヴサン曲集第3巻より」
- 【モーツァルト】デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲ニ長調K.573
- 【モーツァルト】ピアノソナタヘ長調K.280
- 【スカルラッティ】ピアノソナタハ長調
- 【フンメル】ロンド・ファヴォリ変ホ長調Op.11
- 【ハイドン】ピアノソナタニ長調Hob.XⅥ/37
- 【ベートーヴェン】ピアノソナタ第17番ニ短調「テンペスト」第3楽章
- 【ベートーヴェン】奇想曲風ロンドト長調Op.129
- 【ベートーヴェン】イギリス国歌による変奏曲WoO.78
- 【中級向け】クラシックピアノのおすすめ〜ロマン派編〜
- 【シューマン】3つの幻想小曲集Op.111
- 【シューマン】飛翔〜幻想小曲集Op.12より第2曲〜
- 【メンデルスゾーン】3つの幻想曲より第1番Op.16-1
- 【ブラームス】6つの小品より第3番バラードト短調
- 【ショパン】12の練習曲Op.25より第2番ヘ短調
- 【ショパン】ドイツ民謡「スイスの少年」による変奏曲
- 【ショパン】ワルツ第7番Op.64-2嬰ハ短調
- 【シューベルト】ピアノソナタイ短調Op.42 第1楽章
- 【リスト】愛の夢
- 【ラフマニノフ】パガニーニ狂詩曲より第18変奏
- 【中級向け】クラシックピアノのおすすめ〜近現代編〜
- 【ラヴェル】古風なるメヌエット
- 【ラヴェル】ソナチネ嬰ヘ短調 第1楽章
- 【ドビュッシー】ベルガマスク組曲よりプレリュード
- 【ドビュッシー】ベルガマスク組曲よりパスピエ
- 【ドビュッシー】アラベスク第2番ト長調
- 【プロコフィエフ】10の小品Op.12より第7番
- 【プーランク】15の即興曲より第15番
- 【スクリャービン】プレリュードOp.11-3
- 【中田喜直】エチュード・アレグロ
- 【シベリウス】樅(もみ)の木
- まとめ〜ピアノ中級向けのクラシック曲を弾いてみよう〜
ピアノのテクニックが上達すると、レパートリーが増えて聴き映えする楽曲にも挑戦したくなりますよね。
とはいえ、クラシックのピアノ曲だけでも膨大な数の曲が存在するので、選曲や楽譜を探すのも大変だと思います。私自身、楽譜を選ぶ際に原典版または改訂版どちらがよいか迷うことが多いです。
さらに、クラシックピアノの楽譜は、著作権切れで無料ダウンロードできる曲もあり、入手方法も多様化しています。
そこで今回は、ピアノ指導経験者がおすすめしたいクラシック曲を30曲ご紹介していきます。また、楽譜の一部も合わせてご紹介いたしますので、最後までご覧いただけると嬉しいです。
【中級向け】クラシックピアノのおすすめ〜バロック・古典編〜
まず、バッハやベートーヴェンなどが活躍したバロック時代から古典派の作品を10曲ご紹介いたします。
【バッハ】フランス組曲第5番ト長調
アルマンド・クーラント・サラバンド・ガヴォット・ブーレ・ジーグの6つの小品からなる組曲です。それぞれ、バロック時代の舞曲をモチーフにした名称がつけられています。
平均律クラヴィーア曲集よりも親しみやすい曲なので、全曲または抜粋して練習すると良いですね。特に「ガヴォット」は、軽快で弾きやすいのでおすすめです。
【クープラン】葦「クラヴサン曲集第3巻より」
バロック時代にフランスで活躍した作曲家のクープランは、「クラヴサン曲集」第1〜第4巻を残しています。今回ご紹介する「葦」は、ロ短調の切ないメロディが印象的な楽曲です。
装飾音符の弾き方や旋律の歌わせ方など、バロック音楽の魅力が感じられる1曲と言えます。
【モーツァルト】デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲ニ長調K.573
古典派音楽を代表する作曲家の一人であるモーツァルトが、チェロ奏者のデュポールの作品をモチーフにして作った変奏曲です。シンプルなテーマに続いて、9つの華やかな変奏曲に発展していきます。
長めの曲ですが、基本的なピアノテクニックが身についた中級者に最適な1曲と言えます。
【モーツァルト】ピアノソナタヘ長調K.280
クラシックのピアノ曲レッスンには欠かせない、モーツァルトのピアノソナタ。今回おすすめしたいのは、第2番ヘ長調です。
さまざまな音形の弾き分けやタッチの変化など、ピアノのレベルアップに必要な要素が詰まった曲と言えます。
【スカルラッティ】ピアノソナタハ長調
バロック時代の作曲家、スカルラッティのピアノソナタは約500曲あると言われています。ほとんどの作品が単一楽章で構成され、中でもハ長調は有名です。
軽快なテンポで明るい雰囲気の曲なので、発表会にもおすすめします。
【フンメル】ロンド・ファヴォリ変ホ長調Op.11
ハンガリー出身の作曲家で、ベートーヴェンやモーツァルトと親交があったフンメルは、ソナタや変奏曲など多くのピアノ曲を残しています。
ロンド形式の軽快な曲調と古典的でありながら華やかさもあり、ピアノ発表会にもおすすめしたい楽曲です。
【ハイドン】ピアノソナタニ長調Hob.XⅥ/37
「交響曲の父」と称されるハイドンは、古典派を代表する作曲家の一人です。ピアノソナタ二長調は、装飾音符や軽快なリズムにのせて弾くテクニックが求められる中級レベルの曲と言えます。
特に第1楽章は、アップテンポの中でスケールや装飾音符を軽快に弾かなければならないので、練習も工夫すると良いですね。
【ベートーヴェン】ピアノソナタ第17番ニ短調「テンペスト」第3楽章
全32曲あるベートーヴェンのピアノソナタ中期の作品です。「月光」や「悲愴」と並び「テンペスト」も有名なソナタの一つ。ドラマチックな第1楽章や美しい雰囲気の第2楽章、そして流れるような旋律の第3楽章で構成されています。
ここでご紹介する第3楽章は、ペダリングやメロディラインの弾き方などの練習におすすめしたい1曲です。
【ベートーヴェン】奇想曲風ロンドト長調Op.129
ベートーヴェン初期の作品で、「失くした小銭への怒り」という不思議な表題がつけられた曲です。しかし、これはベートーヴェン自身が名付けたタイトルではないため、真意は不明となっています。
急速なテンポが求められるので、ピアノの速弾きが得意または身につけたい方におすすめしたい楽曲です。
【ベートーヴェン】イギリス国歌による変奏曲WoO.78
ベートーヴェンが、イギリス国歌「ゴット・セイヴ・ザ・キング(神よ 王を助けたまえ」をテーマに作曲した変奏曲です。
曲は4分の3拍子、ハ長調のテーマをベースに7つの変奏曲が続き、和音進行やアルペジオといったテクニカルな部分や多声部構成など、内容が濃く中級向けの楽曲と言えます。
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【シューマン】3つの幻想小曲集Op.111
第1曲「ハ短調」・第2曲「変イ長調」・第3曲「ハ短調」の3つの小品からなる作品です。表題がないピアノ小品集ですが、ドラマチックでかっこいいので発表会にもおすすめ。
全曲弾いても10分程度の曲集なので、通して演奏できるとより感動的ですよ。
【シューマン】飛翔〜幻想小曲集Op.12より第2曲〜
同じくシューマン作曲の「飛翔」は、幻想小曲集Op.12の第2曲です。曲集の中で最も有名な曲なので、発表会やコンクールで演奏する方も多いですね。
多声部の弾き分けや強弱のつけ方など、テクニックはもちろん音楽的な表現力も必要な楽曲と言えます。
【メンデルスゾーン】3つの幻想曲より第1番Op.16-1
メンデルスゾーンといえば「無言歌集」が有名ですが、ここでご紹介する「3つの幻想曲」は、音楽性に優れた隠れた名曲と言えます。
さらに、第1部と第3部の物寂しい雰囲気と、中間部の軽快でリズミカルな旋律を弾き分けるテクニックも問われる曲です。
【ブラームス】6つの小品より第3番バラードト短調
小品集から大規模なピアノソナタなど、幅広いピアノ作品を残したブラームス。バラードト短調は、前半の情熱的なフレーズと中間部の甘美なメロディが美しい曲です。
和音の弾き方やメロディの歌わせ方など、ピアノ中級レベルの練習ポイントがたくさん含まれます。
【ショパン】12の練習曲Op.25より第2番ヘ短調
ショパンの練習曲といえばピアノ上級レベルと思われますが、中級向けの曲もあります。このOp.25の第2番ヘ短調は、ショパン練習曲の導入に最適な曲で、ツェルニー40番と併用して練習すると効果的です。
【ショパン】ドイツ民謡「スイスの少年」による変奏曲
若い頃のショパンらしく、華やかな序奏とコーダが印象的な変奏曲です。ドイツ民謡をモチーフにしたテーマに続き、4つの変奏で構成されます。
装飾音符や左手のパッセージなど技術的な課題も多いですが、中級から上級のステップアップにつながる楽曲と言えます。
【ショパン】ワルツ第7番Op.64-2嬰ハ短調
名曲揃いのショパンのワルツですが、ここでご紹介する第7番は変則的なロンド形式で構成された曲。ワルツでありながらマズルカの要素も含まれ、ショパンのピアノ曲を理解するための課題としても最適です。
ちなみに、マズルカとはポーランドの民族舞曲の一種で、ショパンの作品にも多数使われています。
【シューベルト】ピアノソナタイ短調Op.42 第1楽章
大人気アニメ「のだめカンタービレ」に登場したシューベルトのソナタイ短調は、テクニック的には比較的弾きやすい曲です。
また、音楽的表現において演奏者のセンスが問われる一面があり、ピアノ中級向けの課題として最適な1曲と言えます。
【リスト】愛の夢
超絶技巧の難曲ばかりのリストですが、実はピアノ中級レベルのピアノ曲も存在します。「愛の夢」は、クラシック曲の中でも有名で一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
穏やかなメロディと華やかなパッセージが印象的で、発表会にもおすすめしたい1曲です。
【ラフマニノフ】パガニーニ狂詩曲より第18変奏
ピアノの名手としても有名だったラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」から、第18変奏をピアノアレンジした曲です。原曲は、オーケストラとピアノのための作品となっています。
美しいメロディが歌われる第18変奏は、ピアノソロでも十分魅力的な曲と言えますね。楽譜は、ヤマハの「ぷりんと楽譜」でピアノアレンジ版がダウンロードできますよ。
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音が多く、譜読みは難しいですが、中級レベルの方におすすめしたい1曲です。
【ラヴェル】ソナチネ嬰ヘ短調 第1楽章
全3楽章で構成されるラヴェルのソナチネは、古典形式に基づいた小規模な作品です。第1楽章は、繊細で美しい旋律が歌われる叙情的な楽曲。
フランス音楽の特長や弾き方を学ぶための課題として、おすすめしたい1曲ですね。
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第3番ト長調は、疾走感のある曲調の小品。流れるようなパッセージと神秘的なハーモニーが美しい中級向けの楽曲と言えます。
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躍動感のある曲調と中間部の対比や西洋音楽とは異なる雰囲気など、現代音楽に触れる第1歩と言えますね。
【シベリウス】樅(もみ)の木
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まとめ〜ピアノ中級向けのクラシック曲を弾いてみよう〜
今回は、ピアノ中級向けのクラシック曲を時代別に30曲ご紹介してきました。楽譜は、国内外の出版社のものから著作権切れで無料ダウンロードできる曲まで、幅広いです。
ぜひ、お気に入りのピアノ曲を練習して、素敵な演奏に仕上げてくださいね。
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