私は、小学校2年生から5年生までピアノ教室に通ったのがピアノとの出会いです。その後、高校2年生のときに保育士を目指し、再び子どもの頃に通っていた教室で短大卒業まで習いました。保育士になってからは毎日ピアノを弾きながら子ども達と歌ったりポピュラーピアノを習ったり、自作の曲でピアノの弾き語りをして活動していた時期もあります。現在は音楽教育であるリトミック講師の資格を持ち、ライターのほかにリトミック講師としても仕事をする毎日です。
目次
こんにちは。元保育士Webライターのナイスです。
ピアノを始めたばかりの人の多くが最初につまずくのは、両手での演奏ではないでしょうか。
片手ずつ弾くとスムーズに弾けるのに、両手合わせた途端に間違えてしまうという経験がある人はたくさんいます。
早く両手で好きな曲を弾きこなしたいと思うのに、なかなかうまく弾けないとじれったさやもどかしさを感じるでしょう。
今回はピアノを両手で弾くことに難しさを感じている人に向けて、上達しやすい練習法を解説します。
なぜ両手での演奏は難しいのか?
ピアノソロの曲を演奏する場合は一般的に右手でメロディー、左手で伴奏を弾くことがほとんどです。
基礎練習で両手とも同じ音符を弾くときには、複雑なものでなければ難なく弾けるでしょう。
しかし、曲を弾くとなると右手と左手が違う音符になるため難易度が格段に上がります。
また、右手を使うときは左脳、左手を使うときは右脳から指示が出されますが、両手を同時に違う動きをするときには片方の手の動きにつられてしまうことがあるため、難しくなるのです。
特に効き手の動きに反対の手がつられることが多いでしょう。
そのため右手も左手もリズムが似ていたり音が重なる部分が多かったり、どちらか片方の手がシンプルな曲だと弾きやすいです。
しかし、両手とも複雑な曲やリズムがすれるフレーズなどは弾けるようになるまで苦労する人が多くいます。
両手のリズムが違ったり複雑な音符だったりすると、どちらかの手につられてしまい弾き続けられなくなるのです。
そして、両手で違う演奏をすると同時に楽譜を目で追わなければなりません。
鍵盤を全く見ずに弾ければよいですが、音の幅が広いメロディーを弾くときなどはどうしても鍵盤にも目が行きます。
ピアノの初心者なら、なおさら鍵盤に目が行くため楽譜を見失ったり、楽譜に集中しているとミスタッチをするなど、両手演奏は難しいものです。
つられないようになる練習法を8つご紹介!
右手と左手それぞれがつられることなく弾けるようになるには、慣れることが1番です。
慣れためには練習あるのみですが、闇雲にたくさん練習しても時間だけがかかり、なかなか上達できません。
できるだけ早く効率的に、両手練習に慣れるための練習方法を8つ紹介しましょう。
左手が簡単な曲から練習する
ピアノを始めたばかりの人は、左手が弾きやすい曲を選びましょう。
メロディーを弾く右手に比べて伴奏を弾く左手のほうが難しい場合がありますが、右利きの人にとって左手は弾きにくいものです。
そのため、まず左手が単音の曲や二分音符や四分音符など単純なリズムの曲を選ぶとマスターしやすいでしょう。
左手が簡単な曲から始めて、徐々にレベルアップしていくことで演奏に慣れ、自信もついていきます。
曲を聴く
練習の初期段階としていきなり弾くのではなく、これから弾こうとしている曲の音源を聴きましょう。
知っている曲だと初めてでも弾きやすいと感じた経験はありませんか?
読解が難しい複雑なリズムでも、曲を知っていれば弾きやすくなります。
そのため、知らない曲であれば楽譜を目で追いながら曲を聴くのがおすすめです。
ただし、知っているからと楽譜をよく確認せず間違えたまま弾いてしまう場合もあるので、曲を知っていても楽譜をしっかりと確認するようにしてください。
オススメ記事
左手がスムーズに動く?ピアノ初心者のための1日10分の練習メニューをご紹介◎
ピアノを弾く際に左手が動かないという悩みは多いもの。この記事では、左手が動かないお悩みを持つ皆様におすすめの練習メニューを筆者の経験からご紹介します。
楽譜をしっかり読み込む
曲を聴いて理解できたら、次にしっかりと楽譜を読み込むことが効果的です。
曲を理解できたら、次は曲を聴かずに楽譜だけを読みましょう。
右手と左手それぞれの動きを比べながら楽譜を読み、曲や演奏するイメージを思い浮かべます。
つまりイメージトレーニングです。
鍵盤に向かう前にしっかりと楽譜を読み込みイメージすると、スムーズに演奏できるでしょう。
片手ずつ練習する
曲を聴いて楽譜を読み込んだらいよいよピアノに触れ、まずは片手ずつ練習しましょう。
「メロディーを弾く右手は楽しいけど、伴奏を弾く左手は弾いていてもつまらない」とか「左手の和音やリズムが難しくて挫折した」という人がよくいます。
しかし、片手ずつの演奏を完璧にマスターすることが、両手で演奏する1番の近道です。
テンポを落として練習する
曲の練習の初期段階では、テンポを落としてゆっくり弾くことが練習の基本です。
最初はテンポを落として弾き、弾けるようになったら徐々にテンポを上げましょう。
特にアップテンポの曲だと原曲どおりに弾きたくなるものですが、最初から速いテンポで弾くと何度も間違えてストレスになります。
そして、難しい部分を弾きこなすのに時間がかかったり細かい間違いに気付かなかったりすることもあるでしょう。
テンポを落とした練習は、以下のどちらかの手順をおすすめします。
- 片手ずつゆっくり練習する → 片手ずつテンポを上げて練習する → 両手でゆっくり練習する → 両手でテンポを上げて練習する
- 片手ずつゆっくり練習する → 両手でゆっくり練習する → 両手でテンポを上げて練習する
①の練習方法で丁寧に行うのがよいですが、片手でゆっくり練習したら片手ずつテンポを上げた練習を省き、両手でゆっくり弾く練習に進んでも問題はありません。
余裕があれば片手ずつ速く弾く練習をしてから両手練習に移ると弾きやすいでしょう。
尚、弾いているうちにテンポが速くなりがちな人は、メトロノームを使うのが効果的です。
家にメトロノームがなくても、アプリを使う方法があります。
少しずつ区切って練習する
曲を通して弾きたくなるものですが、最初は少しずつ区切って練習しましょう。
区切る長さは1小節〜4小節くらいがおすすめです。
区切りながら練習してスムーズに弾けるようになったら、区切る長さを徐々に伸ばしていきましょう。
調性が身につく
ピアノのスケール練習をすると、調性が身につきます。
スケール練習は、さまざまな調のスケールを弾いていきます。
筆者はスケール練習で調性が身につき、楽曲の最初に調を見た時点で音の並びを理解し、シャープやフラットに対してすぐに対応できるようになりました。
調性を理解していると楽曲の上達スピードが上がり、ジャズやポップス曲でアドリブを弾くときにも役に立つでしょう。
オススメ記事
初心者必見|一日5分のスケール練習でピアノスキルを劇的に向上させる方法
スケール練習の進め方や1日5分の練習の効果についても紹介します!スケール練習の方法を知ると、指の力や音程感覚が鍛えられ、ピアノが上達します。
難しいフレーズを繰り返し練習する
1曲の中の難しいフレーズのみをピックアップし、繰り返し練習しましょう。
大体の曲には、なかなかうまく弾けない難しい箇所や弾きにくい部分があるものです。
曲を通して弾いて毎回間違えるよりも、難しい部分だけを弾いてマスターすると、曲は完成に近づきます。
弾きやすいようにアレンジする
クラシックなど楽譜どおりに弾くことを求められている曲でなければ、弾きやすいように少しアレンジして弾く方法もあります。
簡単なアレンジは、左手の音を減らす方法です。
「和音をベース音だけの単音で弾く」「リズムが難しければ拍の頭だけを弾く」など、音数を減らすと演奏できるでしょう。
主に右手はメロディーを弾くので減らせませんが、和音になっている箇所があれば主音で練習することもできます。
慣れたら少しずつ音を足して、楽譜どおりに弾きましょう。
上達するコツは毎日練習すること
速く上達するためには、休みの日に長時間まとめて練習するのではなく、1日短時間でも毎日練習することが大切です。
社会人や学生でピアノを始めた人は、仕事や勉強、アルバイトに家事、デートなどで毎日忙しく、ピアノの練習時間を確保することに苦心しますよね。
平日は練習する時間がないため、休みの日にまとめて練習するという人もいるかもしれませんが、1日1回は鍵盤に触れることをおすすめします。
「基礎練習をする」「右手でメロディーを弾く」「左手の難しい部分を弾く」など、ほんの数分でも毎日鍵盤に向かう習慣をつけましょう。
どうしても弾けない日は楽譜に目を通すだけでもよいので毎日曲や音楽に触れることが大切です。
ピアノに触れない期間が長くなってしまうと、そのままフェードアウトしてしまうこともあるので、継続するためにも毎日短時間弾きましょう。
しかし、旅行に行ったり体調を崩したりさまざまな事情でどうしても弾けない日は誰にでもあるでしょう。
その際は弾けなかったことを責めたり気にしたりするのでなく、無理しないで継続できる自分なりの方法を考えましょう。
「夕食後」「寝る前」「出勤前」など自分の生活リズムに合わせて、毎日ピアノを弾く時間を決めると継続しやすいでしょう。
両手弾きに慣れるためにおすすめの練習曲3選
ピアノを両手で弾くことに慣れるためには、まず簡単な曲を弾けるようになりましょう。
おすすめの練習曲を3曲紹介します。
おすすめの練習曲① 童謡
両手でピアノを弾く練習には、童謡やこどもの歌がおすすめです。
特に昔ながらの童謡やこどもの歌にはシンプルで短い曲が多いので、初心者でも簡単に弾くことができます。
まずは童謡やこどもの歌を弾いて慣れてから、レベルアップしていくとよいでしょう。
右手でメロディーを弾くのに慣れたら、伴奏も練習しましょう。
右手で和音を弾き、左手でベース音を弾くパターンのシンプルな伴奏はピアノソロよりも弾きやすく、右手で和音を弾く練習にもなるのでおすすめです。
おすすめの練習曲② 『すなおな心』(ブルグミュラー)
昔からピアノの練習曲の定番と言えば『バイエル』か『ブルグミュラー』ではないでしょうか。
僕も子どもの頃、ピアノ教室で『ブルグミュラー 25の練習曲』で練習しました。
25曲の練習曲の中で、1番最初に掲載されているのが『すなおな心』です。
右手のメロディーは流れるように美しいので、心地よく弾けるでしょう。
左手は和音を弾くシンプルな構成で、ゆったりとしたテンポの曲なので初心者でも弾きやすい曲です。
右手で和音を弾き、左手を動かす箇所もあるため、左手の練習にもなります。
オススメ記事
ブルグミュラー25の練習曲一覧表|練習する順番は?難易度も解説◎
ブルグミュラー25の練習曲は、初心者向けの練習曲集です。25曲それぞれに曲にふさわしいタイトルが付いているので、イメージをふくらませながら弾けます。 今回はそんなブルグミュラー25番について、掘り下げて解説しますので練習の参考にしてください。
おすすめの練習曲③ 『小さな恋のうた』(MONGOL800)
J-POPで初心者でも弾きやすい曲としては、MONGOL800の『小さな恋のうた』はコード進行がシンプルなのでおすすめです。
ピアノソロから弾き語りまでいろいろな楽譜が出ていますので、自分が弾きやすい楽譜を見比べて選ぶとよいでしょう。
まとめ
片手だけだと弾けるのに、両手で弾くと途端に難しくなってしまうという人に向けておすすめの練習方法を紹介しました。
余裕があれば8つの練習方法を全て行うのがよいですが、時間や自分のスキルに応じていくつかピックアップして練習してみましょう。
また、今回紹介した練習方法を参考にして、自分なりの練習方法を見つけるのもおすすめです。
ピアノ初心者にとって、練習の初期段階は地道な練習が多く、なかなか弾けるようにならないと挫折してしまいがちです。
しかし、その時期を乗り越えて上達すると、いろいろな曲が弾けるようになり一気に楽しくなります。
ぜひ、今の時期を乗り越えて素敵な演奏ができるようになってください。
オススメ記事
左手がスムーズに動く?ピアノ初心者のための1日10分の練習メニューをご紹介◎
ピアノを弾く際に左手が動かないという悩みは多いもの。この記事では、左手が動かないお悩みを持つ皆様におすすめの練習メニューを筆者の経験からご紹介します。