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【保存版】スタインウェイの特徴をご紹介|値段の相場は?誕生までの歴史も解説!

Written by
2023.08.29
どれみ
【執筆・監修】どれみ

音楽大学を卒業しました。現在は自宅でピアノ教室を開いており、4歳から大人まで幅広い年齢層の生徒さんを教えております。 また、ピアノと合わせて文章を書くのも好きです。ピアノの魅力を多くの皆様にお伝えできる記事をお届けしたいと考えております。

ピアノの王者と呼ばれる高級ピアノのスタインウェイは、ピアノを弾く人にとって憧れの存在です。

とくに音大生や音大出の方、本格的なピアノレッスンを受けている方、ピアノコンクールに出場レベルの方となると、自宅にスタインウェイを所有したいとお考えになる場合もあるでしょう。

しかし、所有となると、気になるのはお値段です。 この記事では、スタインウェイのお値段の相場の他、スタインウェイの特徴から誕生までの歴史などを解説します。 スタインウェイ好きの方、ピアノ好きの方にとって興味深いスタインウェイの豆知識です。

スタンウェイについて知りたい方、購入をお考えの方はもちろん、ピアノ学習者、発表会でスタンウェイを弾く予定の方に読んでいただけると幸いです。 スタインウェイの知識、理解を深めることで、あなたの演奏にいっそう磨きがかかること間違いありません。

スタインウェイの普及率はどのくらい?

スタインウェイの普及率

ピアノの発表会でスタンウェイを弾いたという方は多いのではないでしょうか。 それもそのはず、スタインウェイのホールにおける普及率は多大なものです。

しかしながら、日本ではまだヤマハを使用するホールもまだ多く存在します。 また、家庭で所有するという人は、それほど多くありません。

それに比べ、世界では多くのピアニストに支持されています。 そんなところから、スタインウェイは、ピアノの王者とも言われるのでしょう。

日本での普及率

日本に何台スタインウェイが存在するか、確実な数字は出せません。 しかし、2018年の資料によって、判断できることがあります。

それによると、日本全国のホールで1,223台のスタインウェイが使用されています。 この時日本にある音楽ホールは約1,851軒とされていました。 したがって、6〜7割のホールでスタインウェイが採用されているのです。

その他のホールでは、ヤマハが多く使用されています。 それに次いで、ベーゼンドルファーやベヒシュタインといった、スタインウェイを含めた世界三大ピアノも使われています。

しかし、日本で広く支持されているのはスタインウェイです。 ベーゼンドルファーやベヒシュタインという名は知らなくてもスタインウェイは知っているという方は、ピアノ学習者に限らず多いものです。

参考:都道府県別劇場・音楽堂数 - とどラン

世界での普及率

スタインウェイのホームぺ―ジによると、世界のソロピアニストの約97%がスタインウェイを選んでいると言います。 そんな世界の名立たるピアニスト名を下記に挙げてみました。(日本人も含みます。)

  • ランラン
  • ダイアナ・クラール
  • ユジャ・ワン
  • セルゲイ・ラフマニノフ
  • アルトゥール・ルービンシュタイン
  • 内田光子
  • マウリツィオ・ポリー二
  • マルタ・アルゲリッチ
  • 反田恭平
  • 角野隼人
  • 小林愛実

等多数

上記のように、スタインウェイが世界で活躍する有名ピアニストにこれだけ支持されているのも、ピアノの王者たる所以です。

実際にショパンコンクールにおいても、1927年の第一回目から公式ピアノとして指定されています。

2021年には、スタインウェイに加え、ヤマハ、カワイ、ファツィオリが公式ピアノとして指定されました。 そんな中で反田さん、小林さん、角野さんのように、スタインウェイを選択する参加者が一番多かったのも事実です。 参加者87名中、スタインウェイ479を選択したのは43名、スタインウェイ300は21名でした。

参考: スタインウェイ 音楽とアーティスト | Steinway & Sons - Steinway & Sons 第18回ショパン国際ピアノコンクール結果発表 - Steinway & Sons

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スタインウェイの歴史は?

スタインウェイの歴史

ここからは、スタインウェイの歴史を誕生前から現在まで紹介します。 第一号のピアノ製作から現代までの主な出来事をたどってみます。

スタインウェイとは、どんな歴史をたどってきたのか、先人たちの努力を知っておくことで、スタインウェイの魅力をより理解できるのではないでしょうか。

1820年代

スタインウェイの前身となる第一号のピアノが作られました。 製作したのは、ドイツ・ニーダーザクセン州のゼ―センに住む家具職人製作、ハインリヒ・エンゲルハルト・シュタインヴェークです。(後のヘンリー・スタインウェイ)

1850年

ドイツで「シュタインヴェーク」の名でピアノ製作を行っていたハインリヒは、この年に家族とともにアメリカに渡りました。

しかし、9人の子どものうち長男のC・F・テオドール・シュタインヴェークのみはドイツに残り、ピアノ販売業者とともに1865年まで「シュタインヴェーク」ブランドのピアノを作り続けました。

1853年

シュタインヴェークは、英語名ヘンリー・スタインウェイに改名し、ニューヨークでスタインウェイ・アンド・サンズを設立しました。 1860年代に構えた最初の作業場所は、小さなロフト。それはマンハッタン区ヴァリック・ストリート85号にありました。

1865年

ドイツに残った長男C・F・テオドール・シュタインヴェークが、兄弟の死去に伴い、アメリカに呼ばれました。 彼はドイツの工場を共同経営者と職人に売却し、ドイツとアメリカを行き来することになりました。

尚、C・F・テオドール・シュタインヴェークはアメリカでは、英国風にC・F・セオドア・スタインウェイと名乗りました。

1870年代

ヘンリー・スタインウェイの息子ウィリアム・スタインウェイにより、クイーンズ区アストリアにスタンウェイヴィレッジが築かれました。ここは、現在の米国本社です。

1880年

創始者である父親ヘンリー・スタインウェイの死後、ハンブルクにも生産拠点が置かれました。

スタインウェイは、ベ―ゼンドルファーやベヒシュタインといったヨーロッパのピアノメーカーとは異なり、強固な胴で響板を支える構造のピアノを製造します。 そのため、反射音にも多彩な響きが感じられるのです。そんな革新的な作りが多くのピアノ製造業者の参考になりました。

20世紀後半以降

製造に期日を要する、多くの木材が必要といったことで、スタインウェイの経営が行き詰まりました。 そのためにいくつかの買収や売却を繰り返すことになります。

  • 1972年:CBSによる買収
  • 1995年:セルマー・インダストリーズの傘下に入る

とはいえ、1990年代後半以降はアメリカ経済のバブルの恩恵で売上が急激に伸びました。以降は楽器業ではトップの売上を確保するようになったのです。

  • 2013年:楽器業界の売上が厳しい状況になり、アメリカの著名な投資家ジョン・ポールソンのファンドへ身売りしました。

現在、日本ではコンサートやサロンなど、ピアノに関するサービスを手広く行っているタカギクラヴィアサービスを始め、多くの店舗でスタンウェイピアノを取り扱っています。 また、ホールや公共施設、音楽教室、音楽系の学校などで扱われ、家庭で所有するピアノ愛好家も存在します。

日本における取扱店は下記をご覧ください。

スタインウェイ 特約店 | Steinway & Sons 公式サイト - Steinway & Sons

スタインウェイがもつ独自の特徴とは?

スタインウェイがもつ独自の特徴

ここでは、スタインウェイピアノ独自の特徴についてお伝えします。

  • 音色の特徴
  • タッチの特徴
  • スタインウェイの特許

これら3つについて詳しく説明していきます。

音色の特徴

スタインウェイの音色の特徴を以下に挙げてみました。

  • 優しくクリアな高音
  • 中音・低音域の豊かな響き
  • ピアニシモやフォルテシモなど、豊かな表現を作りやすい
  • 音の伸びがよく、豊かな残響を楽しめる
  • どんな人にも心よく響く耳障りの良い優美な音色

音の感じ方は、人それぞれですが、スタインウェイの音色は誰にも否定できないような美しさがあります。 神の名器と言われ、多くのピアニストを魅了するのは、その美しく豊かな音色ではないでしょうか。

哀愁漂うショパンの曲、メリハリのあるベートーヴェンのソナタなど、多種多彩な音色を醸し出すスタインウェイの音色です。 ピアノを始めたばかりの初心者からより良い演奏を求めるプロまで、幅広いレベルで楽しめます。

弾き手は、曲によって、こんな音色で弾きたいとイメージするものです。 そのイメージ通りの音色を出してくれるのがスタインウェイ。まるで、弾く人の気持ちがわかるかのようです。 スタインウェイは、最高の音色で、弾く人や観客を曲の世界に導きます。

タッチの特徴

スタインウェイにおけるタッチの特徴は軽さです。その理由はアクションが細身に作られているためです。

その軽いタッチに関するエピソードを紹介します。

1932年、スタインウェイのアクションを絶賛していたアメリカのピアニストであるジョゼフ・ホフマンでしたが、「もう少し反応が良くならないか」とレスポンスの速さを要求しました。 この要求がタッチの軽さの契機となったのです。

ホフマンの要求を叶えたのは、C・F・セオドア・スタインウェイの甥の子孫にあたるフレデリック・ヴィータでした。 彼は、スタインウェイの加速アクションを軽いタッチで反応できるように開発したのです。

ある研究によると、スタインウェイの鍵盤は他社のものに比べ、約13%速い反復ができます。 それにより、反応の良いピアノになり、初心者でも弾きやすい軽いタッチになったのです。

たとえば、リストの「ラ・カンパネラ」の細かいパッセージなど、スタインウェイで弾くと軽やかに歌うように弾けます。 弾き手にとっては、ありがたいアクションです。

スタインウェイの特許

スタインウェイ&サンズの特許は現在、125件の特許を獲得しています。 そんなスタインウェイが初めて特許を獲得したのは、1857年のことでした。

最初に獲得した特許は、ヘンリーJr.が獲得したもので、アクション関係が6件、交叉弦方式が1件でした。 ヘンリーJr.の死後は、長男のテオドールが跡を引き継ぎ、新たに53件の特許を取得しました。

1868年には、アップライトピアノの特許を獲得しました。 そして、翌1869年に取得したのは、グランドピアノの金属製アクション台の特許です。 さらに、その後の16年間で、新たに54件の特許も取得しました。

代表的なのは、1875年のコンサートグランドピアノの特許です。 それにより、スタインウェイ・グランドピアノが完成しました。

このように、自身もピアニストだったテオドールは、ピアノの音量や音色をより良いものにするために、友人の科学者ヘルマン・フォン・ヘルムホルツと一緒に日々研究を重ねました。 そして、1866年には2000席ある大ホールスタインウェイホールのオープンにこぎつけたのです。

テオドールとヘルムホルツは、科学的な観点から弦の長さや強さにより、ダイナミックな音が出ることを発見しました。 そのためには、17枚の強靭な薄い板を貼り合わせたリムを取り付ける必要があったのです。 これがスタインウェイならではの画期的なデザインになりました。

このリム工法は1878年に特許を取得しました。

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スタインウェイのピアノはいくらするの?

スタインウェイの価格

ここからは、スタインウェイピアノの値段について、新品と中古でお伝えします。

購入をお考えの方、興味のある方は、参考にしてください。

2台目ピアノとして、

「納得のいくものを買いたい」 「音大に進学する子どものために、より良い響きのグランドピアノを購入したい」 「老後の楽しみとして夢だったスタインウェイを購入したい」

など、人それぞれのご希望がおありでしょう。

皆様もご存じの通り、スタインウェイは気軽に購入できるピアノではありません。 ある程度の覚悟と決意を持って購入したいものです。そのためには、信頼できるお店で購入することをおすすめします。

スタインウェイに限らず、ピアノは弾く人との相性が大事です。 新品でも中古でも、何度も試弾して納得のいく楽器をお買い求めください。

新品の値段

こちらでは、スタインウェイ&サンズのドイツ・ハンブルク工場製のグランドピアノとアップライトピアノの値段を紹介します。

まずは新品グランドピアノの値段です。モデル別にまとめました。どの楽器も黒色艶出塗装仕上げで税込価格です。

ただし、いずれも2023年1月の価格なので、現在の価格を知りたい方は、お店にお問い合わせください。

問い合わせ先:Grand Gallery東京

モデル サイズ・重量 値段(税込)
S-155 W146.5×D155・約267kg 13,244,000円
M-170 W146.5×D170・約281kg 14,388,000円
O-180 W146.5×D180・約286kg 15,532,000円
A-188 W147×D188・約325kg 17,127,000円
B-211 W148×D211・約354kg 19,668,000円
C-277 W155×D227・約425kg 要問い合わせ
D-274 W157×D274・約500kg 要問い合わせ

出典:Grand Gallery東京

スタインウェイにはアップライトピアノもあります。こちらも新品です。

モデル:K-182 サイズ:H132×W152.5×D68 重量:約295kg 値段(税込):7,546,000円

中古ピアノ

新品と同じお店でスタインウェイの中古を取り扱っています。 お値段は4,950,000円(税込)~です。(2023年8月21日現在)

ここでは、リビンググランドピアノと呼ばれるO-180を紹介します。 こちらは国内ではめずらしいニューヨーク工場製のものです。 ラフマニノフの生きた時代に作られた伝統あるグランドピアノ。明るく軽やかな音色が特徴的です。

ラフマニノフも好んでスタインウェイのピアノを好んで弾いていたと言います。 ラフマニノフの生きた時代に思いを馳せながら、弾いてみたい1901年製のピアノです。

仕上げ 艶出し塗装
製造年 1901年
高さ 101cm
146.5cm
奥行 180cm
重量 280kg
製造国 アメリカ・ニューヨーク

出典:Grand Gallery東京 オンラインショップ

こちらのお店では、以下の中古スタインウェイを取り扱っています。

その他の中古スタインウェイは以下でご確認ください。こちらは、ピアノコンシェルジュが存在する信頼できるお店です。

中古ピアノ・新品ピアノ販売専門店 グランドギャラリーオンラインショップ

家族の絆に支えられたスタインウェイ

スタインウェイ:まとめ

ピアノの王様と言われるスタインウェイは、スタインウェイ&サンズで製造されているピアノです。 スタインウェイのピアノは、ヘンリーとその息子たちによって製造されました。

ドイツで生まれ、アメリカに渡ったスタインウェイのピアノ。 現在でも、世界の国々で、多くのピアニストやピアノ愛好家が弾いています。

その魅力は、多彩な音色、反応の良い軽いタッチです。 クラシック曲はもちろん、ジャズやポップスにもマッチするバラエティー豊かな音色は、製造者のスタインウェイ家の愛と絆を物語っているかのようです。

筆者が発表会で利用する小ホールのピアノもスタインウェイです。 「ホールのピアノを弾くと気持ちいい。」と生徒さんは口々に言います。

その美しい音色は多くの人にピアノの魅力を伝えてくれます。

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