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【完全網羅】電子・アップライト・グランドピアノの防音対策|DIYやグッズもご紹介!

Written by
2023.10.26
うらやまはるく
【執筆・監修】うらやまはるく

7歳からピアノ。13歳から打楽器。他にもテナーサックスや沖縄三線、合唱に挑戦し幅広く取り組む。現在は飲食店での接客調理、WEBライターや打楽器指導を行っている。 尚美ミュージックカレッジ専門学校打楽器専攻卒業。大阪芸術大学通信教育部音楽学科卒業。中学校・高等学校教諭一種免許(音楽)取得。

「ピアノを弾いて、近隣に迷惑をかけないか不安…」 「防音対策の方法を教えてほしい」

ピアノを練習したいけれど近隣に迷惑がかからないか不安で、防音対策の方法を知りたい人が多いのではないでしょうか。 この記事ではピアノ歴8年以上の筆者が自身の経験を交えながら、ピアノの防音対策について解説しています。

  • 一戸建てとマンションのピアノ防音対策
  • ピアノ種類別の防音対策
  • ピアノの防音対策

この記事を読むと自分に適したピアノの防音対策方法がわかり、自宅で安心してピアノが弾けるようになるでしょう。

一戸建てとマンションのピアノ防音対策

一戸建て マンション 防音対策

自宅でピアノを練習する際は近隣に気を配る必要があります。ピアノは音や振動が響くので、近隣トラブルになると大変です。 ここでは一戸建てとマンションの防音対策の違いについて以下に解説します。

  • ピアノの音の伝わり方
  • 一戸建ての防音対策
  • マンションの防音対策

一戸建てとマンションのピアノ防音対策を知ると、自分の住まいに適した防音対策ができるようになるでしょう。

ピアノの音の伝わり方

音の伝わり方には「空気伝搬音」「固体伝搬音」の2種類があります。 空気伝搬音と固体伝搬音がどのような性質をもって外に伝わっていくのか、学んでいきましょう。

空気伝搬音

空気伝搬音とは、音源から空気を伝って耳に届く音です。 壁や窓などがあれば大半の音は遮断できますが、窓やドアのすき間を通って外に音が漏れていきます。 ピアノは話し声と違って音量が大きく、想像以上に外に音が漏れていくので入念な防音対策を行いましょう。

固体伝搬音

固定伝搬音とは、床や壁などに振動や衝撃として伝わる音です。 ピアノは鍵盤を弾く音やペダルを踏む振動が床や壁を通して外に伝わっていきます。 固定伝搬音はピアノと接している部屋だけでなく、建物の広範囲にわたり音が伝わっていくため、しっかりと防音対策をする必要があります。

一戸建ての防音対策

一戸建ては近隣の建物から独立しているため、マンションに比べると音の伝わり方が弱いです。 しかし音の伝わり方が弱くても、音は空気を伝ってすき間を通り抜けるので、全く対策をしないわけにはいきません。 そこで一戸建てで防音対策が必要な箇所と対策方法を2つ紹介します。

  • 窓やドアのすき間
  • 換気扇

一戸建ての音漏れ箇所と対策方法を知り、防音対策をしていきましょう。

窓やドアのすき間

窓やドアは気密性が低いと、音が漏れやすいです。 窓やドアをしっかり閉めているつもりでも、音は少しのすき間を伝って外に漏れていきます。 「一戸建てだから音は気にしなくて大丈夫」と思いがちですが、弾き手が気づかないうちに近隣に音が響いている可能性があります。 防音対策としては、工事が可能ならば元々の窓に加えて二重窓にするのがおすすめ。 しかし、部屋の工事をするのが厳しい人は防音ボードなどのグッズを使用すると音漏れを防げます。 窓のサイズに合わせて注文ができ、設置も簡単なので使いやすいでしょう。

換気扇

意外に思う人が多いと思いますが、音は換気扇から漏れていきます。 換気扇は換気設備上24時間解放し続けるため、空気とともに音が出入りします。 手軽にできる防音対策方法には、防音スリーブがおすすめです。防音スリーブは取り外しが可能なので簡単です。 さまざまな素材がありますが、ホームセンターやECサイトにて比較的安価に購入ができるので、試してみましょう。 また、工事をして防音フードを取り付ける方法もあります。 換気扇のタイプによって工事規模や費用が異なるので調べてみましょう。

マンションの防音対策

マンションは近隣と密着しているため、特に壁や床、天井の防音対策が重要です。 筆者もマンション住まいのため、近隣とのトラブルにならないように気を配っています。 筆者の経験も踏まえながらマンションの防音対策を以下に3つ紹介します。

  • 天井

マンションの音漏れ箇所を知り、どのような防音対策をしたらよいかわかるでしょう。

壁は1番ピアノの音が響くので、防音対策は重要です。 特にマンションは壁を隔てて隣の部屋と接しているため、壁を通して音が漏れやすいです。 私も隣人が練習する楽器の音が聞こえてきて、悩まされた経験があります。 壁の防音対策では遮音と吸音の効果がある防音壁や吸音パネルを設置しましょう。

ピアノの防音対策といえば壁に注意を向けがちですが、床への防音も大切です。 ピアノは鍵盤を弾いたときの打鍵音とペダルの振動が床に伝わります。 私はコストを抑えたくて、ピアノの下に絨毯を敷いて防音対策をしていました。 絨毯を敷くだけでも変わりますが、防音を強化するには衝撃吸収素材や振動を和らげる素材を使用した、防音マットや防音パネルを敷くのがよいでしょう。

天井

天井を防音するには業者に依頼するのがおすすめです。 自分で吸音材の取り付けは可能ですが、貼った素材が落ちてきてケガをする危険性を考えると難しいです。 業者に依頼すれば費用はかかりますが、その分プロが安全に取り付けてくれるでしょう。

ピアノ種類別の防音対策

種類別 防音対策

ピアノの種類には電子ピアノ、アップライトピアノ、グランドピアノがあり、ピアノのサイズや音の響きなどが異なります。 ここではピアノ種類別の防音対策を紹介します。

ピアノ種類別の防音対策を知ると、自分が持っているピアノに適した防音対策ができるようになるでしょう。

電子ピアノ

電子ピアノとは、電気を通して音を鳴らすピアノです。 電子ピアノはヘッドホンや音量調節が利用できるため、大きな音漏れの心配はありません。 しかし、ピアノを弾く打鍵音やペダル使用などによる床への振動は近隣に迷惑がかかる可能性があります。 電子ピアノの打鍵音や床への振動対策には防音マットがおすすめです。 防音マットはピアノに敷くと、打鍵音や床への振動を和らげます。 厚さが1mm以下のものもあるので、違和感なく使えるでしょう。

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アップライトピアノ

アップライトピアノは弦が垂直に張られていて、ハンマーが横から弦を叩くと音が出る仕組みです。 音の飛ぶ方向に防音対策をしないと音が漏れていきます。 アップライトピアノの防音対策は以下の2つです。

  • 設置位置の変更
  • 防音ボードの使用

アップライトピアノを簡単に防音対策できる方法は、設置位置の変更です。 アップライトピアノは背面から一番音が出るといわれています。 アップライトピアノの背面が隣の部屋との壁に接しないように設置位置を変更すると、多少の防音対策になります。 しかし設置位置を変更できない場合や防音対策を強化したい場合は、防音ボードを使用するとよいでしょう。

グランドピアノ

グランドピアノは弦が水平に張られていて、ハンマーが下から弦を叩くと音が出る仕組みです。 グランドピアノはアップライトピアノよりサイズが大きく、音が響くので、より入念な防音対策が必要です。 それではグランドピアノの防音対策を2つ紹介します。

  • ピアノ響板(フタ)を閉じる
  • 消音ユニットを取り付ける

グランドピアノの対策方法は、ピアノ響板(フタ)を閉じることです。 グランドピアノは響板(フタ)を開けなければ、ある程度音を抑えられます。 また、コストはかかりますが、消音ユニットを取り付けるのもおすすめです。 消音ユニットとはピアノの音を電気信号に変えてヘッドフォンで音を聞けるようにすること。 主に夜間にピアノを弾く人は消音ユニットを使うと、周囲に迷惑がかからず安心です。

ピアノの防音対策

ピアノの防音対策

ピアノの防音対策には自分でできるものや工事が必要なものなど、多くの方法があります。 ここでは、ピアノの防音対策を3つご紹介します。

  • ~自分でできるDIY編~
  • ~グッズ編~
  • 〜防音室工事〜

ピアノの防音対策を知ると、コストや手軽さ、効果を考慮した上で自分にあった対策ができるようになるでしょう。

〜自分でできるDIY編〜

まずは、防音対策グッズをDIYする方法です。 DIYの場合、簡易的な防音にはなりますが、コストを抑えられるメリットがあります。 あまり高い防音性能を必要としなかったり、大がかりな工事ができない人におすすめです。具体的な対策方法は以下の2つです。

  • 毛布を使う
  • 吸音材をを貼り付ける

毛布を使う

アップライトピアノの場合、一番音が出るのはピアノの後ろなので、ピアノの後ろ全体と側面を毛布で覆うのがおすすめです。 覆うだけだとズレたり落ちてきたりするので、毛布に衣類用ゴムを取り付けて、ピアノの上部に引っかけて固定しましょう。

また、床の防音対策としては、ピアノの下全体にボックスシーツを敷きます。 毛布を使う方法は誰でも簡単にできますが、簡易的な方法なので完全に音が響かないとは言い難いでしょう。

吸音材を貼り付ける

吸音材を貼り付けるのも対策方法の1つです。 Amazonや楽天などで販売されている吸音効果がある素材を購入し、壁などに合わせて切り貼りしていきます。 両面テープを直接壁に貼ると、壁紙を傷つける恐れがあるので養生テープの上に両面テープを貼り、吸音材を貼り付けていきましょう。 グッズや防音室に比べると性能は低いですが、まずはコストを抑えて防音対策を試してみたい人にはおすすめです。

〜グッズ編〜

ピアノにはさまざまな防音対策グッズが販売されています。 防音対策グッズは簡単に取り付けられるものが多いので、便利です。 グッズ編では手軽に取り付けられる便利なグッズを4つ紹介します。

  • 窓用ワンタッチ防音ボード
  • 高性能防音パネル ワンタッチ防音壁
  • ピアノ背面防音パネル ECOパネル
  • ピアキャッチ

ピアノの防音対策グッズを知ると、手軽に防音対策を始められるでしょう。

窓用ワンタッチ防音ボード

窓用ワンタッチ防音ボードは完全オーダー商品なので、部屋の窓サイズに合う防音ボードを製作してくれます。 効果としては、二重サッシと同等の効果が得られます。 取手が付いていて簡単に取り外しができるので、練習時間外は窓としての機能を損なわずに済みます。 また、防音ボードはクロスの色が10色あるので、部屋に合った色を選べるのも特徴です。

高性能防音パネル ワンタッチ防音壁

ワンタッチ防音壁は、貼るだけで壁の防音対策ができます。 吸音材だけで作られている通常の防音パネルと違い、遮音シートと吸音材2枚の3層構造になっているため、効果の高さを売りにしています。 設置環境や設置方法により異なりますが、3〜6割ほどの音を軽減できるそうです。 また、職人が部屋の壁サイズに合うパネルを製作してくれるのも安心です。

ピアノ背面防音パネル ECOパネル

ピアノ背面防音パネルは、アップライトピアノの背面から出る音を吸収してくれます。 環境に優しい素材で作られた吸音材と遮音シートで5層構造になっており、強度が高い作りになっています。 また、背面防音パネルのデメリットである音のこもりは、2種類の吸音材を使って極力音のこもりを防ぐ工夫がされています。 少し値段は高いですが、防音対策をしつつ演奏者の弾きやすい環境を保てるのでおすすめです。

ピアキャッチ

ピアキャッチはアップライトピアノ向けに作られた防音防振インシュレーターです。 受けが深く、5層構造なので振動を強力に抑え、床からの音漏れを防ぎます。 また、床との接地面はカーペット貼りのため、床がフローリングの場合は大人1人の力でもピアノを滑らせて移動できます。

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防音室工事

防音室工事はピアノの防音対策を徹底したい人におすすめです。 防音室工事の概要や注意点、費用相場などを以下にまとめているので、見ていきましょう。

概要

防音室は既存の部屋の天井や壁、床の全てに防音工事を施した部屋です。 防音室にすると日中や夜間問わず音漏れを気にしなくて済むので、いつでもピアノが弾けるようになります。 防音室というと部屋自体を防音室にするイメージがありますが、組み立て式の防音室も楽器店などで販売されています。

注意点

防音室は音漏れがしないから安心と思いがちですが、防音室工事をするにあたって、ピアノの防振対策も必要です。 ピアノは鍵盤を弾いたりペダルを踏んだりするときに振動が発生します。 発生した振動は固体伝搬音として、ピアノの脚→床→下の階や隣の部屋の順に伝わっていきます。 ピアノの防音室を作る際は防音だけでなく、床の防振設計にも注意して工事を依頼しましょう。

費用相場

防音室工事をしたいと思ったときに気になるのが費用相場です。 防音室は広さにより、費用が大きく異なります。アップライトピアノの場合は2.5畳、グランドピアノの場合は3.5畳以上の広さが必要で、費用相場は200〜400万円です。 しかし防音室を購入したりレンタルすると、200万円以下に収まる可能性があります。

ピアノの種類や既存の部屋の広さに考慮しつつ、予算に応じて決めましょう。

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まとめ

防音対策 まとめ

この記事ではピアノの防音対策について分野別に紹介してきました。

  一戸建てとマンションの防音対策
  • 窓やドアのすき間:二重窓、防音ボード
  • 換気扇:防音スリーブ、防音フード
  ピアノ種類別の防音対策
  • 電子ピアノ:防音マット
  • アップライトピアノ:設置位置の変更、防音ボードの使用
  • グランドピアノ:ピアノ響板(フタ)を閉じる、消音ユニットの取り付け
  ピアノの防音対策

DIYでの防音対策:毛布を使う、吸音材の貼り付け

防音対策グッズ:
  • 窓用ワンタッチ防音ボード
  • 高性能防音パネル ワンタッチ防音壁
  • ピアノ背面防音パネル ECOパネル
  • ピアキャッチ

防音室工事:部屋全体リフォームもしくは組み立て式により、費用や所要時間が異なる

 

ピアノの防音対策方法を知って、自分のピアノや環境に適した防音対策をしていきましょう!

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