幼い頃から音楽に触れ続け、ピアノ歴は20年以上です。数年前まではピアノやクラリネットを中心に音楽活動し、入団した社会人の交響楽団では様々な場所での公演を行いました。現在は一児の母。娘にピアノを教えることが最近の楽しみです。
目次
ソルフェージュと聞いて、これから音楽を始めようとしている人、楽器初心者の人には馴染みのない言葉かもしれません。
ソルフェージュは音楽をより楽しくするための基礎訓練です。
私もピアノを始めた頃、はじめの段階でソルフェージュを行いました。
こつこつと行う練習なのですぐに成果が出なくても大丈夫です。
続けて努力すれば、いつか「ソルフェージュをやっててよかった」と思える日が来ることでしょう。
とはいえ、ソルフェージュって一体なにをするの?となるのも当然です。
ここでは実際にソルフェージュの意味や習得方法などを紹介します。
音楽の楽しみ方を広げるソルフェージュについて理解していきましょう。
ソルフェージュとは?
ソルフェージュとは、一言でいうと「音楽の基礎訓練」です。
楽譜を読む力や演奏の表現力などを鍛えて、基礎を身につけるために行います。
音楽をする人に欠かせない能力なため、音楽専門学校では必須科目になっているほどです。
ソルフェージュの必要性
では、なぜソルフェージュを行う必要があるのでしょうか。
それは、ソルフェージュ能力を身につけることで正確に楽譜を読み取れる様になるからです。
ピアノは楽譜を見ながら指を動かして演奏しますよね。
このように、1度に複数の動きをすることは、楽譜を正確に読めないとできません。
楽譜を読める様になって、その後に鍵盤の位置を覚えることでスムーズに弾ける様になるというわけです。
さらにリズム感や音程など、音楽に関するすべての表現力をソルフェージュで学ぶことができます。
これから音楽を始めようとしている人は、まずはソルフェージュを行うことが必要だといえるでしょう。
ソルフェージュを習得するメリット
ソルフェージュを習得すると音楽能力が向上するメリットがあります。
具体的にどのようなことにメリットを感じるのでしょう。
下記の4点について詳しく解説していきます。
- 楽譜がすらすらと読める様になる
- 耳コピできるようになる
- 絶対音感が身につく
- リズム感が身につく
楽譜がすらすらと読めるようになる
ソルフェージュを行うと、文字を読むように楽譜がすらすらと理解できるようになります。
楽譜が読めると、音符を読むのも早くなり理解力が上がるでしょう。
音符を読めると、音楽について知りたいと感じたり、楽器を演奏したいと感じ、さらに深く学ぼうとします。
大人でも音符を読めない人はいますが、読める人と比べると音感は養われにくいです。
音符を読めることが音感を高めることに繋がるため、出来れば小さい頃からの訓練をおすすめします。
耳コピできるようになる
ソルフェージュを行うと、聞いた音楽を耳でコピーすることが可能です。
鍛えた音感で、楽譜を見なくても演奏ができるようになります。
耳コピは、すぐにできるようになるわけではありせん。
ソルフェージュをコツコツと続けていくことが必要です。
音楽家にとって耳コピができることは、表現の幅も広がり作曲や編曲にも役立つでしょう。
絶対音感が身につく
ソルフェージュを行うと、絶対音感の能力が身につきます。
絶対音感とは、突然聞こえた単音を、他の音と比べなくてもどの音かを聞き分けられる能力です。
また絶対音感を持っている人は、生活音までも音として聞こえてきます。
例えば、ドアのノック音が「ド」だと瞬時に気付くことができるでしょう。
もともと絶対音感を持っている人もいますが、幼少期からソルフェージュを行うことで身につけられる能力です。
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リズム感が身につく
ソルフェージュを行うと、リズム感が身につきます。
リズム感を育てることは、歌や演奏の上達には欠かせない能力です。
リズム感は音楽だけでなく、実は運動神経を高めることにも繋がります。
例えば縄跳びや球技、ダンスにはリズム感が重要です。
生活の中でも役立つ能力なので、ソルフェージュを行いリズム感を育てましょう。
ソルフェージュを習得するデメリット
ソルフェージュを行うメリットがある一方で、習得にデメリットを感じる方もいます。
ソルフェージュ能力が優れすぎてしまうと、生活に支障をきたす場合もあるでしょう。
下記のデメリットについて詳しく解説します。
- 生活音が気になる
- 音程に敏感になる
生活音が気になる
ソルフェージュ能力が高いと、生活音が気になってしまってストレスを感じる場合があるでしょう。
例えばドアのノック音、救急車のサイレンなど日常生活で聞こえる生活音がドレミの音名に聞こえてきます。
そのため、他のことに集中できなかったり、耳障りだと感じる人もいるようです。
音程に敏感になる
優れた音感を持っていると、多少の音程のずれにも敏感になります。
例えば、友達がカラオケで音が一音ずれていたり、演奏会でピッチが合っていないなど、すぐに気付くでしょう。
絶対音感は羨ましいと思われやすいですが、音に敏感すぎて不快やストレスを感じる人もいます。
そのため歌詞などが頭に入らず、音楽そのものを楽しめなくなる人もいるようです。
ソルフェージュのやり方は?
ソルフェージュの訓練方法には様々な方法があります。
主に以下の4つの分類に分けて行うことが多いです。
- 聴音
- 読譜訓練
- 音楽理論
- 楽曲分析
下記で詳しく解説します。
聴音
聴音とは、音を聞く能力を高める訓練です。
音を聞いて、音の高さや長さを聞き分けられるようにします。
そのためには、聞き取った音を楽譜に書き込んだり実際に聞いた音を演奏したりする方法で訓練することが必要です。
音は単旋律や和音など様々ですが、レベルに合わせて少しずつ音を増やしていくといいでしょう。
読譜訓練
読譜訓練とは、実際に楽譜を読んで歌や楽器を演奏する訓練です。
読譜ができるようになると、スムーズに演奏ができたり、気持ちを乗せた演奏ができるようになります。
楽譜を見ただけで音や運指をイメージすることがスムーズになり、演奏に反映させる能力が身につくでしょう。
音楽理論
音楽理論とは、音に関することや楽譜の書き方や読み方を知識としてまとめたものです。
例えば、どのような音の組み合わせが心地よいと感じるのか、不快な音はどのような組み合わせなのかを学びます。
音楽理論を知ることで、音楽はどのように作られているのかが分かってくるでしょう。
また音楽表現を掴みやすくなったり、どんなコード進行か分かるようになったり、暗譜が速くなったりもします。
音楽学校ではソルフェージュとは別の分野に音楽理論の授業が組み込まれていることが多いです。
それだけ専門的に学ぶ必要があり、基本的な音楽の全てはここで身につけられるでしょう。
楽曲分析
楽曲分析とは、既存の曲を何度も聴いて音楽の構造を分析する訓練です。
例えば、コードで書かれた和音や、コードチェンジのタイミングなどの分析をします。
また曲の構成や仕掛けについても分析するなど訓練の方法は様々です。
音楽分析は非常にレベルの高い訓練ですが、しっかり行うことで表現力だけでなく作曲力も向上するでしょう。
本格的に音楽を続けたい人や、作曲家になりたい人は楽曲分析が必要な訓練といえます。
ソルフェージュを教材で独学
ソルフェージュは基本的に独学が可能です。
独学であれば費用を抑えて、自由に学ぶことができます。
しかし、専門家の指導を受けることができないため、間違いに気づきにくいこともあるでしょう。
しっかり学びたい方は専門学校で正しい指導やフィードバックをもらう環境をおすすめします。
下記は、ソルフェージュを試してみたいという初心者の方におすすめの教材です。
受験生のための聴音
内容 | 音楽大学の入試でよく出題される問題をまとめている |
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大人のための音感トレーニング
内容 | 大人になってからでも音感を育てられて入門レベルから始められる |
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ソルフェージュをアプリで独学
最近では、アプリを使って独学する方も増えています。
アプリであれば簡単に始められるため、気軽に学べることができておすすめです。
おすすめのアプリ5選を以下でご紹介します。
ドレミのおけいこ-音符や楽譜の読み方、音感をピアノで簡単練習
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音感トレーニング(あそんでまなぶ!シリーズ)
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新曲視唱Pro
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Rush!Music-譜読みの練習 音符をマスター
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ソルフェージュ:聴音単音編2
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まとめ
ソルフェージュは、これから音楽を始めようとしてる人だけでなくプロを目指して更に深く学びたい人にも大切なトレーニングであることが分かりました。
音楽を楽しむ全ての人に行って欲しい内容がソルフェージュには備わっています。
リズム感や絶対音感などを身につけられるだけでなく、曲の構成や作曲などのレベルアップにも繋がるでしょう。
ソルフェージュは学べばすぐにできるようにはなりません。
コツコツと訓練することでソルフェージュ能力が身につきます。
訓練方法は様々で、専門学校に通う人もいれば独学で学ぶ人もいるようです。
独学はひとりで勉強するためモチベーションが下がりやすく継続が難しいと感じる方もいることでしょう。
また先生がいないため、正しいフィードバックが無い点もデメリットの1つです。
しかし自由に学べるところなどメリットもあります。
自分にあった方法でソルフェージュ能力を高めて訓練を始めてみましょう!