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ピアノのペダル記号って?書き方は?楽譜に書いてない時の対処法も!

Written by
2024.08.07
山崎由芽
【執筆・監修】山崎由芽

3歳から12歳までピアノ教室に通っていました。その後は中学・高校でコンクールや行事で伴奏をしていました。現在は趣味で弾き語りや基礎練習を続けて、兄弟に教えています。 音楽の楽しさと壁の乗り越え方を、経験をもとに伝えていきます。

ピアノのペダルは、独学だとなかなか情報を集めるのが大変ですよね。
ペダルが複数になると役割や名前、使い方も困惑してしまいます。
私もどのタイミングで踏めばよいか、記号の有無に振り回されている時期がありました。

今回は、複数ペダルの各名前や役割、演奏記号、使い方についてお話しします。
ペダルの壁を乗り越えて、直感で演奏できるようになっちゃいましょう。

3本のペダルの名前は?

ペダル

まず3本のペダルの名前と役割は、ピアノの種類によって異なります。
音楽室でよく見るグランドピアノと、奥行きを短くしてコンパクトな見た目のアップライトピアノです。
では早速、ピアノの種類別に説明します。

グランドピアノ

グランドピアノから見ていきましょう。
右はダンパーペダルと言い、最もよく使うペダルです。
その他フォルテペダルやラウドペダル、サスティニングペダルとも呼ばれています。
実際に全ての呼び方を経験しているので、音楽を続けようと思っている人は少しずつ覚えておくと良いです。
踏んでいる間は、後から鍵盤を押しても音が伸び続けるのが特徴です。
1度足を離すと伸びていた音が止まり、通常の音色に戻ります。
ペダルを踏むことでピアノの中にある薄いクッションが全て持ち上がるため、どの鍵盤を押しても適用されるのです。

左はソフトペダルと言い、ダンパーペダルと反対で音の響きを弱めます。 音が柔らかくもなるため、本格的に取り組んでいる人は使ったことがあるのではないでしょうか。
この時、ペダルを踏むと全ての鍵盤が右に少しずれます。
グランドピアノの場合のみですが、慣れていないと驚いたり弾き心地の違和感に気が散ってしまいがちです。

真ん中はソステヌートペダルと言い、同時に弾いた音のみ伸びるのが特徴です。
仕組みは同時に弾いた鍵盤の薄いクッションだけが弦に降りなくなります。
連符の時に1音だけ伸ばしたいなど、伸ばしたい音が選べるのがダンパーペダルとの違いです。
稀にソステヌートペダルがないと弾けない曲もあるので、より深堀りしたい人は挑戦してみてください。
しかし使う機会が少なく、知らずに他のペダルと同じ使い方をしていると効果が発揮されないため「何のためにあるの」となりがちな部分です。

アップライトピアノ

続いてアップライトピアノを見ていきましょう。
右はグランドピアノと同じ名前と役割です。
3本のペダルの中で唯一、名前と役割が共通で分かりやすいです。

左はソフトペダルと言い、音を弱くします。
強く弾いても、鋭く大きな音は出にくいです。
アップライトピアノの場合はハンマーの位置を弦に近づけるため、勢いよく当たらずに音が弱まります。
フォルテとピアニッシモなど強弱が頻繁に出てくる曲では、ペダルの力を借りるのも1つの方法です。
是非試してみてください。

真ん中はマフラーペダルと言い、音全体を小さくします。
弾いた音は余韻も残らずにすぐ消えて、半分以下の音量です。
ソフトペダルよりも音量が小さく、騒音を気にする際に使用します。
基本楽譜上の指示で使うことはありません。
踏んだ後に右に押し込むと固定され、外すまで効果が継続します。
騒音を気にする際は最後まで踏まないといけないため、固定してから子供に渡すのも可能です。

ペダルの演奏記号は?

ペダル 演奏記号

そもそもペダルに記号はあるのでしょうか。
あることを知らないと、楽譜上で指示があっても気が付けません。
記号はピアノの種類に関係ないので、ペダル別でまとめて見ていきましょう。

踏むとき 離すとき
右ペダル ペダル P. Ped. (ペダル) センツァ Senza Ped. (センツァペダル)
真ん中ペダル なし なし
左ペダル ウナコルダ
楽譜表記:una corda(略してu.c)
トレコルダ
楽譜表記:tre corda(略してt.c)

前項目でもお話ししましたが、真ん中のペダルは楽譜上で使用しないため演奏記号はありません。

右ペダルは踏むときと離すとき共に、演奏記号が複数あります。
よく見かけるのは踏む記号の1つ目と、離す記号の独特な花のようなセンツァです。
楽譜によって使用される記号は違いますが、読み方はほとんど同じなので言葉で覚えた方が早いです。

左ペダルは略称と正式名称、どちらもよく見かけるため間違えないように気をつけましょう。
慣れもありますが、私は「離す」だから「取れ」というように言葉として覚えました。
想像力で補える部分もあるので、自分なりの方法を見つけてみてください。

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ペダルを実際に使ってみよう!

ピアノ 女の子

演奏記号や役割が分かったところで、実践に移ってみましょう。
基本的な使い方や踏むタイミングをお話しします。

ペダルの使い方とは?

ピアノ 女の子

まず基本的なペダルの使い方を説明します。
ただ踏むだけではなく、フレーズによって浅く半分程度で止めるなどコントロールが必要になってきます。

そのためには、足の置き方を意識することが大切です。
かかとは常に床につけ、ペダルに触れる部分は指の付け根までです。
この位置を無意識にできるようにしましょう。
足の半分以上をペダルに置いてしまうと、攣りやすくなったり浅く踏みたいときに不要な力が入ってしまいます。
ペダルは想像以上に重いため、常に大きく足を動かすと疲れやすいです。
最小限の力で演奏することを頭に入れておきましょう。

また、足を毎回離す人を見かけますが、早いテンポや焦っているときは勢いよく踏んでしまって雑音が入ってしまいます。
音楽が好きな人はそういった雑音に敏感ですぐに気が付くため、「ペダルの使い方が下手だな」「なんか雑な演奏だな」と見放されてしまう可能性もあります。
ガタガタならないように、練習の時から丁寧にそっと踏むことを意識しましょう。

踏むタイミングは?

親子 悩む

ペダルを踏むタイミングは、基本楽譜に従います。
しかし、楽譜に指示がない場合は自分の好みで踏むしかありません。
そういった時に必ず守るポイントを押さえておきましょう。

1つ目は「フレーズの境目で踏む」です。 歌でも同じですが、1フレーズ途切れずに歌える部分で息継ぎをすると、聞いている人は何か違和感を持ちます。
悪くはないけど聞きにくいと感じてしまうのです。
ペダルにおいては、不自然な部分で踏むと汚い和音ができてしまったり、それを解消しようとして繋げるはずの部分で音が切れてしまうことがあります。
ピアノ曲は歌詞がないことが多いですが、原曲を聞いたり楽譜上のスラーをよく観察すると案外簡単に見つけられます。

2つ目は「鍵盤を弾いた直後に踏む」です。
踏んでいる最中の音であれば特に気にしなくても良いですが、出だしや静かな曲の時は徹底してみてください。
具体的に言うならば、鍵盤を弾いて手を離すまでの間です。
これは正直聞くよりやってみた方が分かりやすいかと思います。
最初はタイミングを意識しすぎてぎこちないかもしれませんが、続ければ数時間でコツを掴めます。
踏んでから鍵盤を弾いても、確かに音は伸びます。
しかし、より綺麗に響かせるなら圧倒的に直後がおすすめです。
弾いた瞬間は音がはっきりと粒のように聞こえ、その後余韻が続きます。
踏んでから弾いてしまうと、最初の粒感がなく全体的にぼやけてしまいます。

以上の2つを意識して練習してみてください。

楽譜にペダル記号がない時はどうしたらいい?

楽譜 ペダル記号

楽譜にペダルの演奏記号がない時はどうしたらよいのでしょうか。
聞いただけでは全てが繋がっているように思えてしまいます。

基本的には1フレーズのうちに音が濁る直前、直後で踏み変えます。
楽譜読みの時点で確実に不協和音になると分かれば、その部分に印をつけておきましょう。
和音が多い楽譜では、各和音の直前に踏み変えます。
この時に完全に足を浮かすのではなく、浅く音が切れるか切れないかの部分で調整すると滑らかに聞こえます。
この感覚を掴むのはある程度期間が必要ですが、高音や落ち着いた雰囲気、反対にかなり激しい雰囲気の曲で重宝します。
ピアノを弾くなら、1度は習得して損のない技術です。

ペダル記号の書き方は?

ペダル記号 書き方

自分で書き足す場合は、いちいち先程のような記号を書いていられないですよね。
そういう時は、始まりに「P」と終わりに「*」で十分です。
あるいは、他のメモと混ざらないのであれば5線譜の下にカッコを書くのも簡単でおすすめです。
忘れそうだけどカッコで書きたい人は、始まりに「P」を足してから記す方法でも問題ありません。
あくまで自分が正しい認識で演奏できれば大丈夫なので、より書きやすい記号を試してみてください。

ペダルは演奏のカギ!正しく覚えて抑揚を付けよう!

親子 まとめ

ピアノ演奏においてペダルは、より滑らかさと強弱の幅を広げるカギになります。
正しく踏むための位置は、指の付け根までを常に置いておきましょう。
より足に負担が積もらず、左右の疲れに差が出ないことを意識します。

ペダルの記号は音符と違って、楽譜によって示し方が様々です。
最も使用するダンパーペダルから徐々に覚えていけば、気が付いたときには躓くことなく演奏ができます。
自分好みの演奏ができるように、遠慮なくペダル記号やメモを書き足していきましょう。
手足を思いのまま使って、ピアノ演奏を楽しみましょう。

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