7歳からピアノ。13歳から打楽器。他にもテナーサックスや沖縄三線、合唱に挑戦し幅広く取り組む。現在は飲食店での接客調理、WEBライターや打楽器指導を行っている。 尚美ミュージックカレッジ専門学校打楽器専攻卒業。大阪芸術大学通信教育部音楽学科卒業。中学校・高等学校教諭一種免許(音楽)取得。
目次
- ツェルニー練習曲の基本概要と効果
- 豊かな表現力
- 和声の理解
- リズム感
- スケールやアルペジオの習得
- 【難易度別】初心者から上級者までのツェルニー練習曲
- 【初心者向け】ツェルニー練習曲100番
- 【中級者向け】ツェルニー練習曲30番と40番
- 30番
- 40番
- 【上級者向け】ツェルニー練習曲50番
- ツェルニー練習曲の難易度表
- 効率よく上達できるツェルニーの練習法
- ツェルニー練習曲100番
- ツェルニー練習曲30番
- ツェルニー練習曲40番
- ツェルニー練習曲50番
- ツェルニー学習時の4つの課題と解決策
- 速さと正確性
- 音楽的な表現
- 手の広がり
- 複雑なリズム
- ツェルニー練習曲マスターへの3つのポイント
- 目標を設定する
- 小節やフレーズごとに練習する
- 録音をして聴く
- まとめ
「ツェルニーの30番の難易度は?」
「ツェルニーの難易度の順番を知りたい」
ツェルニー練習曲に取り組むにあたって、どのような順番で進めていけばいいのか知りたい人が多いのではないでしょうか。
この記事では音楽大学卒業の経験をもつ筆者が、ツェルニー練習曲に取り組もうと考えている人に向けて、ツェルニー練習曲の難易度や練習法について解説しています。
- ツェルニー練習曲の基本概要と効果
- 【難易度別】初心者から上級者までのツェルニー練習曲
- 効率的なツェルニー練習法
- ツェルニー学習時の課題と解決策
- ツェルニー練習曲マスターへのヒント
ツェルニー練習曲の難易度順や練習法を知ると、自分のレベルに合った練習曲を選び、具体的な進め方が理解できるでしょう。
ツェルニー練習曲の基本概要と効果
ツェルニー練習曲とは、ウィーン出身のカール・ツェルニーが作曲した練習曲集です。
カール・ツェルニーはベートーヴェンの弟子で、リストなど著名なピアニストを育てた音楽教育者として有名です。
ツェルニー練習曲は、初級から上級までさまざまなレベルに対応した練習曲がまとめられています。
ツェルニー練習曲で身につけられるスキルは、以下の5つです。
- テクニカルスキル
- 豊かな表現力
- 和声の理解
- リズム感
- スケールやアルペジオの習得
ツェルニー練習曲に取り組むと基礎力が向上し、高度な演奏テクニックが必要な楽曲も弾けるようになるでしょう。
ツェルニー練習曲の効果の1つ目は「テクニックの向上」です。
ツェルニー練習曲は長いパッセージや速いフレーズが出てきて、スムーズな運指が求められます。
正しい運指で繰り返し練習することで指が鍛えられ、複雑な動きができるようになります。
豊かな表現力
ツェルニー練習曲の効果の2つ目は「豊かな表現力」です。
ツェルニー練習曲はさまざまなアーティキュレーションやフレーズが含まれています。
適切なフレージングやダイナミクスで弾くと、豊かな表現力を身につけられるでしょう。
和声の理解
ツェルニー練習曲の効果の3つ目は「和声の理解」です。
ツェルニー練習曲は、さまざまな和声進行が含まれています。
音楽理論を理解し、和声の変化を把握できるようになります。
リズム感
ツェルニー練習曲の効果の4つ目は「リズム感」です。
ツェルニー練習曲は、リズムの変化が多いです。
正確で安定したリズム感を育て、リズムの変化にすばやく対応できるようになります。
スケールやアルペジオの習得
ツェルニー練習曲の効果の5つ目は「スケールやアルペジオの習得」です。
ツェルニー練習曲は、スケールやアルペジオが巧みに使われています。
異なる調でのスケールやアルペジオを習得し、演奏の基礎技術向上につなげていきます。
【難易度別】初心者から上級者までのツェルニー練習曲
ツェルニー練習曲は、初級から上級まで幅広く練習曲が用意されています。
ここではツェルニー練習曲を難易度別に解説します。
- 【初心者向け】ツェルニー練習曲100番
- 【中級者向け】ツェルニー練習曲30番と40番
- 【上級者向け】ツェルニー練習曲50番
- ツェルニー練習曲の難易度表
ツェルニー練習曲の難易度がわかれば、自分のレベルに合った練習曲を選べるでしょう。
【初心者向け】ツェルニー練習曲100番
ツェルニー練習曲の中で、初心者におすすめなのが100番です。
ツェルニー練習曲100番はリズムや旋律が簡単なので、初心者でも理解しやすく、基本的なピアノの演奏技術を身につけられるでしょう。
ツェルニー練習曲100番に取り組むと、以下の効果が得られます。
- 基礎テクニックの向上
- 力強い演奏ができる
- 楽曲の基本的な構造や簡単な和声進行が理解できる
ツェルニー練習曲100番は演奏の基礎を学べるだけでなく、同じフレーズや小節の繰り返しにより技術がしっかり身につき、力強い演奏ができるようになります。
楽譜の読み方やリズム感を養い、手の動きや音楽の基本的な構造を理解したい人に向いているでしょう。
【中級者向け】ツェルニー練習曲30番と40番
ツェルニー練習曲の中で、中級者におすすめなのが30番と40番です。
ここでは、ツェルニー練習曲の30番と40番の特徴や効果を以下に解説します。
30番
ツェルニー練習曲30番は、初級から中級にレベルアップするタイミングで取り組むのがおすすめです。
ツェルニー練習曲30番はオクターブやアルペジオ、3連符などの要素が多く含まれています。
また、対位法的な要素も含まれています。
ツェルニー練習曲30番に取り組むと、以下の効果が得られるでしょう。
- オクターブやアルペジオにより、手の広がりと指の独立性が育つ
- さまざまなアーティキュレーションにより、表現力が身につく
- 二重奏のような構造で対位法を理解できる
- 和声進行や構造が理解できる
ツェルニー30番はテクニックの向上だけでなく、アーティキュレーションによる表現力を身につけていきます。
テクニックにプラスして表現力を身につけたい人、アンサンブルや対位法の経験を積みたい人におすすめです。
40番
ツェルニー練習曲40番は中級者向けで、テクニカルな要素が際立った練習曲です。
二重奏スタイルで、左右の手がそれぞれ異なる動きを持ちつつ、連携しています。
また、30番に比べてより多くのアーティキュレーションやダイナミクスの変化が含まれています。
ツェルニー練習曲40番に取り組むと、以下の効果が得られるでしょう。
- 二重奏スタイルにより、アンサンブル演奏に役立つ
- 豊富なアーティキュレーションやダイナミクスにより、表現力が鍛えられる
- 和声進行の理解が深まる
- 左右の手の協調と独立性が育ち、テクニックが向上する
ツェルニー練習曲40番はテクニックや表現力の向上だけでなく、アンサンブルに向けた演奏技術を身につけていきます。
上級に向けて、高度なテクニックや表現力を身につけたい中級者におすすめです。
【上級者向け】ツェルニー練習曲50番
ツェルニー練習曲50番は上級者向けで、協奏曲風の構造が特徴的な練習曲です。
左右の手が対話するようなフレーズがあり、さまざまな楽想に挑戦できます。
ツェルニー練習曲50番に取り組むと、以下の効果が得られるでしょう。
- 左右の手が対話するようなフレーズがあるため、対話的な演奏技術が向上する
- 協奏曲風の構造を理解できる
- 対話的なフレーズにより、表現力が高まる
ツェルニー練習曲50番は対話的な演奏やさまざまな楽想に慣れていきます。
高度なテクニックを身につけるのはもちろん、さまざまな楽想に触れたい人におすすめです。
ツェルニー練習曲の難易度表
練習曲集を習得する順番は以下の表のとおりです。
レベル | 練習曲集 | 特徴 |
---|---|---|
初級から中級 | 100番 | ・リズムとメロディがメイン ・簡単な和声進行やリズムの変化が出てくる ・バイエルと併用して使うのがおすすめ |
中級 | 30番 | ・演奏に必要な基礎テクニックを習得する ・アルペジオなど複雑な要素が含まれている ・メロディと対位法のような要素が出てくる |
中級から上級 | 40番 | ・幅広いテクニックが学べる ・和声進行が出てくる ・指の独立性が鍛えられる ・30番で習得したテクニックに、流暢な動きを加えるための練習曲集 |
上級 | 50番 | ・高度なテクニックを身につける ・トリルや急な音符の移動などが出てくる ・対話的な要素やさまざまな楽想の変化に触れられる ・協奏曲風 |
ツェルニー練習曲では、ショパンやリストなどの難曲を演奏するために必要なテクニックを習得できます。
しかし、テクニックの習得に重点が置かれているため、表現力を磨くには少し物足りなく感じるでしょう。
表現力は別の曲集も併用して、身につけていくのがおすすめです。
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同じ音形を繰り返し弾く機械的なイメージがありますが、ピアノ演奏に必要なテクニックが詰まっています。初心者からプロピアニストまで使える重要な教材です。
効率よく上達できるツェルニーの練習法
ツェルニー練習曲100番
ツェルニー練習曲100番の練習法は以下の5つです。
- メトロノームを使い、一定のテンポで練習し、リズム感を養う
- 最初はゆっくりとしたテンポで練習し、正確に弾けるようになったらテンポを上げる
- フレーズや小節ごとに分けて、部分練習をする
- 通し練習では楽曲の流れを意識し、自然に演奏できるようにする
- 強弱や表現力を読みとり、工夫して演奏する
ツェルニー練習曲100番では、ピアノ演奏の基本テクニックを身につけます。
ピアノ演奏の基礎となる部分なので、1つ1つ丁寧に確実に練習していくのが重要です。
ツェルニー練習曲30番
ツェルニー練習曲30番の練習法は以下の4つです。
- アーティキュレーションなど、難しい箇所はゆっくりのテンポから始める
- アーティキュレーションは部分練習をする
- ダイナミクスの変化に敏感に対応できるよう、繰り返し練習する
- メトロノームを使い、一定のテンポで安定して弾けるようにする
ツェルニー練習曲30番では、テクニックの向上だけでなく、アーティキュレーションによる表現力を身につけていきます。
難しい箇所が出てくるので、ゆっくりのテンポから確実に弾けるように練習していきましょう。
ツェルニー練習曲40番
ツェルニー練習曲40番の練習法は以下の5つです。
- 30番に比べて技巧的なパッセージが増えるので、指の動きや広がりに注意して弾く
- 音の強弱だけでなく、タッチの変化も意識して取り入れる
- アルペジオのパターンを変えるなど、テクニカルな要素に重点を置いて部分練習をする
- 連続したフレーズをスムーズに弾けるように、通し練習もしっかりと行う
- メトロノームを使い、一定のテンポで弾けるようにする
ツェルニー練習曲40番では上級に向けて、より高いテクニックを身につけていきます。
部分練習も大切ですが、全体を通したときに連続したフレーズがスムーズに弾けているか確認しながら、進めていきましょう。
ツェルニー練習曲50番
ツェルニー練習曲50番の練習法は以下の5つです。
- フレーズごとに適切なアーティキュレーションとダイナミクスをつけて、対話的な演奏にする
- 楽曲全体の構造、さまざまな楽想の変化を理解した上で弾く
- 難しい箇所は部分練習を繰り返し行う
- 強弱やタッチを工夫し、表現を磨く
- メトロノームを使い、一定のテンポで弾けるようにする
ツェルニー練習曲50番では、対話的な要素やさまざまな楽想の変化により、表現力を身につけていきます。
ツェルニー練習曲50番を通じて、テクニックと表現力を併せ持った演奏ができるようになるでしょう。
ツェルニー学習時の4つの課題と解決策
ツェルニー練習曲はピアノを学ぶ人の多くが取り組んでいますが、課題もあります。
ここではツェルニー練習曲の課題と解決策を4つ解説します。
- 速さと正確性
- 音楽的な表現
- 手の広がり
- 複雑なリズム
ツェルニー練習曲の課題に対する解決策を知ると、効果的な練習計画を立てられるでしょう。
速さと正確性
ツェルニー練習曲では「速いテンポでの正確な演奏」が求められます。
ゆっくりなテンポで正確に弾けるようになってから、徐々にテンポを上げていきましょう。
難しい箇所は、部分練習も効果的です。
音楽的な表現
ツェルニー練習曲の課題2つ目は「音楽的な表現」です。
ツェルニー練習曲はテクニック重視なので、音楽的な表現が疎かになります。
アーティキュレーションやダイナミクスなどを把握し、タッチを変化させながら意識的に表現していきましょう。
手の広がり
ツェルニー練習曲では「手の広がり」が求められるので、手が小さい人は苦戦します。
しかし弾く前にストレッチをしたり、オクターブやアルペジオの練習をしたりすると、手の柔軟性が高まります。
手の平はもちろん、手首や指のストレッチも効果的です。
複雑なリズム
ツェルニー練習曲の課題4つ目は「複雑なリズム」です。
ツェルニー練習曲は難易度が上がるほど、複雑なリズムが出てきます。
正確なリズムで弾けるようにメトロノームを使い、フレーズごとに区切った練習をするのがおすすめです。
ツェルニー練習曲マスターへの3つのポイント
ツェルニー練習曲は、テクニックの向上を重視した練習曲です。
ここではツェルニー練習曲を通じて、効果を得るためのアドバイスを以下に4つ解説します。
- 目標を設定する
- 小節やフレーズごとに練習する
- 録音をして聴く
ツェルニー練習曲のアドバイスを取り入れると、計画的で集中した練習ができるでしょう。
目標を設定する
ツェルニー練習曲に取り組む際、具体的な目標を設定するのがおすすめです。
ツェルニー練習曲は目標がないと、挫折しがちです。
「特定のフレーズが弾けるようにする」「この部分はこのテンポで弾けるようにする」など毎回実現可能な小さい目標を設定して、クリアしていくとよいでしょう。
小節やフレーズごとに練習する
ツェルニー練習曲は小節やフレーズごとに練習するのが重要です。
通し練習だけやっていても意味がありません。
難しい箇所は取り出して、小節やフレーズごとに分割して練習すると、効率的です。
録音をして聴く
ツェルニー練習曲は、定期的に録音して自分の音を聴きましょう。
録音を聴くと自分の音を客観的に聴けて、改善点が見つけられます。
上達への近道になるので、録音はおすすめです。
まとめ
この記事ではツェルニー練習曲の難易度順や練習法について解説してきました。
ツェルニー練習曲の難易度順
初心者向け:100番
中級者向け:30番、40番
上級者向け:50番
ツェルニー練習曲はテクニック向上を重視した練習曲集です。
難易度が上がるほど、複雑なリズムや手の広がりが求められるので、部分練習や反復練習が必要になります。
ツェルニー練習曲の難易度順や練習法を知って、自分のレベルに合った練習曲を選び、取り組んでいきましょう!
オススメ記事
なぜハノンはピアノの基本練習として不動の人気なの? 深掘り解説します◎
同じ音形を繰り返し弾く機械的なイメージがありますが、ピアノ演奏に必要なテクニックが詰まっています。初心者からプロピアニストまで使える重要な教材です。