ピアノ講師やWEBライターをしております。ピアノは10歳から習っています。大阪音楽大学作曲学科音楽学専攻卒。電子ピアノ販売員も経験あり。ずっと自宅で電子ピアノを使っていましたが音大に入学できました。ピアノの他にはベースやドラムも演奏できます。大阪・神戸を拠点に音楽活動もしております。
目次
ピアノを弾いてみたいけどグランドピアノやアップライトピアノは値段が高く、また音量の問題から買うのをためらう人も多いと思います。
そこで音量が調節でき、ヘッドフォンも使用できる生ピアノに比べれば比較的値段が安価な電子ピアノの購入を検討している方も多いのではないでしょうか。
実際に、私は子どものころからピアノを習っていますが、集合住宅の家庭で育ったので音のでないコンパクトな電子ピアノをずっと使っています。
1度買い換えたのですが、音量の問題や置くスペースの問題で大人になった現在も電子ピアノを使っているくらいです。
また、私が大手メーカーで電子ピアノの販売員をしていた際にも、
電子ピアノがほしいというお客様の中には「どれくらい使えるのですか?」とか「メンテナンスやお手入れは必要ですか?」と尋ねられる方が多くいらっしゃいました。
そこで、この記事では電子ピアノの平均寿命や長持ちさせるコツについて解説していきます。
具体的なメンテナンス方法や故障の原因などについても詳しく後述しているので、これから電子ピアノの購入を検討されている方は参考にしてみてください。
一部が壊れただけでは修理できる可能性あり!
電子ピアノは高いものであれば壊れにくいというものではありません。
結論から言ってしまうと使用頻度や扱い方によって寿命が変わってきます。
ですので、電子ピアノ購入の際は自分が使いそうな機能が充実しているかや、好みの音色のものを選ぶのがおすすめです。
電子ピアノは年々進化しており、さまざまな機能のピアノが出ていますが使わなければ意味がありません。
また音色の面でも、ピアノの音を録音したサンプリング音源とピアノの音を加工したモデリング音源があります。
実際に聞いてみて、好みの音色を選ぶのがおすすめです。
電子ピアノは長く使っていると鍵盤がガタガタしたり、特定の音が出なくなったりすることがあります。
ですが部品さえあれば交換できます。
一般的に言われている部品の供給期間は次のとおりです。
ヤマハやカワイ等、どのメーカーも製品の生産終了から6〜8年間は構成部品を供給しますが、その期間内であれば修理は可能ということになります。
流通している電子ピアノの販売期間は2年くらいが多いですが、人気機種であれば販売期間も長くなります。
約8~10年間は壊れても直して使い続けられますので製造年をチェックしましょう。
製造年からかなり年数が経っている場合は、メーカーが部品をもっていない可能性もあるので修理できない場合があります。
製造年は購入の前にしっかり確認しておきましょう。
電子ピアノの寿命はどれくらい?
使い方や使用頻度にもよりますが、電子ピアノの寿命は平均10〜15年と言われています。
ただし機種によって個体差があります。
古いものであれば劣化している可能性が高いです。
私が昔使っていたKAWAIの電子ピアノは10年以上は問題なく使えていました。
しかし、10年を過ぎたあたりから真ん中の「ド」の音が出なくなってしまいました。
特に乱暴に使っていたわけでもないのですが故障するときはあります。
ただ音大時代などは、休みの日などは8時間弾くことも頻繁にあったので酷使した可能性はあります。
私は2020年5月からはコルグのB2 BKという電子ピアノを使っていますが、3年以上経った今も問題なく使えています。
コルグは比較的安価で電子ピアノが手に入るので、そのイメージからかすぐ壊れやすいといった間違った認識を持つ方も一定数いるようです。
結局は丁寧に扱うということが一番大事です。
どれくらい弾くかによってももちろん寿命は変わってきます。
もし電子ピアノを購入する決め手が、値段が安いからという理由であればアコースティックピアノを購入したほうが結果的に長持ちします。
ただし、定期的なメンテナンスをすることが必須です。
その方が安上がりになる場合もあるので、しっかり吟味してから電子ピアノかアコースティックピアノのどちらを購入するかを決めましょう。
電子ピアノの寿命を長持ちさせるには置き場所が大事!
電子ピアノは家電などと同じく精密機械なので丁寧に扱う必要があります。
湿気の少ない場所、且つ安定した場所に置くのが大事なポイントです。
特に楽器は水気に弱いという面があるので注意してください。
電子ピアノは場所をとるものなので購入前にしっかりスペースを確保しておくことも大事です。
窓際などは結露が落ちてくる可能性があるため避けたいですが、どうしても置かなければならない場合は窓から離して置いてください。
また、電子ピアノによっては鍵盤のカバーが付属していないものもあるので、その場合は適度な大きさの布を用意しましょう。
長持ちするメーカーはどこ?型番によります!
電子ピアノのメーカーは色々ありますが、とくにここのメーカーだから壊れやすい、壊れにくいなどはありません。
ただあまり古いものだと劣化している可能性が高いので、できるだけ製造年が新しい電子ピアノを買う方が安心だと思います。
購入後なにかしら問題がある場合は、ヤマハ、カワイ、カシオ、コルグ、ローランドなどの大手メーカーはHPから問い合わせることをおすすめします。
ではどこのメーカーを選べばいいかというと弾きたい曲によっても変わってくると思います。
ヤマハ、カワイは世界の大きなコンクールでも使用され、長い歴史をもっているので、電子ピアノの音色もグランドピアノに近い音で研究されていてかなりキレイな音がでます。
特にヤマハのClavinova(クラビノーバ)は「最も本物のピアノに近い電子ピアノ」と評価され人気の機種です。
表現を重視し音色やタッチにこだわる人にはおすすめです。
クラシックを主に演奏し人前でも弾きたいと言う人であれば、こちらの2社のメーカーがおすすめです。
音色は表現の面で重要なので気にしたいポイントです。
ポップスを弾きたい、趣味で弾きたいという方はそれ以外のメーカーでも十分だと思います。
話が少し逸れてしまいましたが、メーカーが部品を持ってる期間が限られている以上、できるだけ新しく出た機種を買う方が無難と言えます。
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壊れる原因は?
強く叩くようにしてピアノを弾いたりすると鍵盤が壊れる原因になります。
以前、5歳の男の子の生徒さまにピアノを教えていたのですが「音を強くしっかり出すように弾いてください」というと叩くように弾いていました。
表現として強く弾くことはあっても、大げさに叩くように弾くのは鍵盤にダメージを与えていることになります。
また、不安定な場所に電子ピアノを置くのも避けましょう。
弾きにくいゆえに弾くときに無駄に力が入る可能性がありますし、なにより危ないです。
またどんな楽器にも言えることですが水気は厳禁です。
たまにピアノの近くや上にものをおいている人を見るのですが、飲み物などはピアノから離れたところに置いておきましょう。
特に、鍵盤の上には重いものを置かないように注意してください。
また直射日光、湿気なども避けたいので窓際に置くのも避けたほうがよいでしょう。
長持ちさせるコツをご紹介!
ピアノは電子レンジや冷蔵庫などの家電と同じく精密機械です。
ですのでほこりや水気には十分気をつけなければなりません。
カバーがないタイプの電子ピアノであれば大きめの布などを用意しカバーをして鍵盤のスキマからほこりが入るのを防ぎましょう。
またエアコンの下にも置かないようにしましょう。
夏などは冷房をかけると思いますが、水滴が落ちてくる可能性があります。
とにかく楽器は水気に弱いので十分注意しましょう。
そのほか汗なども注意した方がよいので、夏場など暑い季節は特に弾き終わったら布に専用のクリーナーをつけて汗や汚れをふき取るようにした方がよいです。
中古ピアノを購入の際に確認すべきこと
中古の電子ピアノの購入を検討されている方もいらっしゃると思います。
まず購入の前に知っておいて欲しいのは電子ピアノの鍵盤には木製鍵盤と樹脂鍵盤、ハイブリッド鍵盤があります。
木製鍵盤はアップライトピアノ、グランドピアノのようなタッチに近いですが値段が高いです。
一方、樹脂鍵盤は木製鍵盤のようなタッチではないのですが、値段が木製鍵盤よりは安価なことが多いです。
またアコースティックピアノは、押された鍵盤で中にあるハンマーが弦を叩き音が出る仕組みなのですが、この構造を電子ピアノに取り入れたハイブリッド鍵盤もあります。
電子ピアノはセンサーによって動きを感知して音が出る仕組みで、ハイブリッドピアノはハンマーアクションが搭載されており、よりアコースティックピアノに近いタッチ感です。
また前述しましたがピアノメーカーが部品を持っているのは約8年なのであまり古いものだと部品がない可能性があります。
繰り返しますが、製造年は購入前にしっかりチェックしておきましょう。
鍵盤の状態もグラグラしていないか、打鍵の際にしっかり元の位置に返ってくるかなども確認のポイントです。
ペダルの踏み具合も重要なので手で押すなどして鍵盤と同じく元の位置に戻ってくるかを確かめたほうがよいでしょう。
ピアノ初心者の方やこれからピアノを始めようと思っている方は鍵盤にばかり注目しがちだと思います。
ですがピアノは初級の上の方のレベルになってくるとペダルを頻繁に使いますので、忘れずチェックしてください。
さらに音色に違和感がないかなどもしっかり音を聴いておくことも重要です。
基本的に新しい年数のものの方が音がいいです。
以上は、店頭であれば直接確かめられますがインターネットで購入する場合はしっかり状態を確認してから購入するようにしてください。
お店などであればクリーニングされていると思いますが、フリマサイトなどで個人の方から購入する場合は特に注意が必要です。
できるかぎり電子ピアノの状態を聞いてから後悔のないように購入するようにしましょう。
電子ピアノは精密機械!大切に扱うことが大事
この記事では電子ピアノの寿命と長持ちさせるコツについて解説してきました。
長持ちさせるコツについては以下のとおりです。
- 強く鍵盤を叩かない
- 水気やほこりに注意する
- 弾き終わったあとはクリーナーで定期的に汚れをふき取る
また中古の電子ピアノを購入する際に注意する点は以下のとおり。
- 製造年を確認する
- 鍵盤とペダルの状態をチェックする
- 音色に違和感がないかチェックする
電子ピアノは場所も取るため後悔せずに購入したいですよね。
上記の点をしっかり確認してから購入するようにしてください。
ピアノがある生活は楽しいものです。
是非購入の参考になれば幸いです。
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