目次
引っ越し先にピアノを持って行けない、お稽古を辞めたので使い道がないなどピアノって使わなくなると結構悩ましい存在でもありますよね。
日本では1970年から80年にかけてピアノブームが巻き起こりピアノを持つ家庭が増えました。
しかし、現在は自宅で使われず置いてあるだけのピアノ、いわゆる“休眠ピアノ”が増えています。
思い入れがあっても様々な理由で所有しておくことができない場合があります。そんな時真っ先に浮かぶのが処分・売却ですよね。
しかし、処分となると、それなりの費用もかかってしまいます。
一方売却は業者に査定してもらうとで値段がつくことがほとんどなのです。
この記事では大切なピアノを納得のいくかたちで手放すことができるように、ピアノの売却方法を紹介します。
ピアノ売却先について
ピアノを売ることは人生で一度あるかないかくらいの大イベントです。
ましてや今まで大切にしてきたピアノを手放して、お金を得るのですから、納得のできる売り方で、なるべく高価格で売りたいですよね。
ピアノの売却先は主に、中古専門買取業者、楽器メーカー、ネットオークションの3つです。
中古専門買取業者
CMでよく見かけるような中古のピアノ買取を専門に行っている業者です。
業者によって在庫状況や販売ルート、査定基準が異なるため買取価格も変わります。
同じピアノでも業者によって5万円以上差が出ることもあります。
ただし、査定の段階で高い金額を提示して、実物を見た後ケチをつけて減額していく業者や、出張費・輸送費などを別途で後から請求されるようなケースもあるようです。
全てがそのような業者であるわけではありませんが、選択肢が多いからこそ適切に判断していきましょう。
楽器メーカー
公式で楽器を販売しているメーカーが買取もしている場合があります。保有しているピアノと同じメーカーに売るとなるとやはり安心ですよね。
メーカーで売ることのメリットは、買取時に査定額が下がらないこと、最後までピアノを大切に扱ってもらえることです。
メーカーの多くが査定で提示した金額と実際の引き取り額が下がることはないと事前に宣言しています。
このような点も含め、メーカーとの取引は安心度が高いです。
また、自社で工房を持っており、買い取ったピアノはそこで修理などをしてから次の利用者の元に届けられます。
大切にしてきたピアノだからこそ作られたメーカーに戻してあげたいと考える方には楽器メーカーでの売却がおすすめです。
ネットオークション
自身でネットに出品して取引を行う方法です。
この方法のメリットは自分で売りたい金額で設定できること、写真を撮るだけで簡単に出品できることです。
今では多くのユーザーがいる市場ですので、実際に60万円を超えるピアノも取引されていました。
ただし、この場合、配送の手配も自分で行わなくてはなりません。
配送に関しては後で詳しくお話しますが、自分で運ぶ方法と業者に頼む方法があります。
しかしピアノは種類によって200kg~300kgほどあるため素人が運ぶことはおすすめしません。ピアノを傷つけてしまう可能性もあります。
ピアノ運搬の際は専門業者に頼みましょう。配送費用を出品者が負担するか購入者に負担してもらうかも検討しておきましょう。
売値によっては配送費を出品者の自己負担にするとマイナスになる可能性もあります。
もう一つネックなことがいつ売れるかわからない点ですね。
早く引き取り手を見つけたい人にはおすすめできません。タイミング次第です。
ピアノ売却のために必要な情報
ピアノ買取は、まず電話やWebで伝えた情報から査定金額が算出されます。
その際必要な情報をあらかじめ、自身で確認しておかなければなりません。
業者ごとに異なる場合もありますが、主に必要な情報は【ピアノの種類、メーカー、型番・製造番号、ペダルの数】です。
ピアノの種類
グランドピアノ、アップライトピアノ、電子ピアノに分けられます。
ピアノの種類に関してはこちらの記事をご覧ください。
オススメ記事
自宅練習用ピアノの種類やそれぞれのメリット・デメリットを解説!
この記事では、それぞれのピアノの特徴を詳しく紹介していきます!どんなピアノがあるかを知り、ご自身のお家の状況や経済性と合うピアノを見つけましょう!
メーカー
ピアノの“メーカー”はカバーを開いて持ち上げたと譜面台の下にメーカーロゴがはいっています。
型番 ・製造番号
ぱっと見ではわかりにくいところに表記されています。
アップライトピアノでは一番上の板(上屋根)の部分を開き、ピアノの弦が留められている金属部分に大きく英数字が記されています。
モデル名と言われることもあります。そして、その横に小さく羅列している数字が製造番号です。
グランドピアノでもほぼ変わりなく確認ができます。
大屋根を開けて鍵盤の右上を見ると、金属の余白部分に記されています。
これらの情報はピアノの調律検査カードや保証書でも確認することができます。
ペダル
物によって2本のものと3本のものがあるので確認しておきましょう。
ピアノを売却する前にしておくべきこと
ピアノのお手入れ
ピアノを売ることが決まったら、まずは簡単なお手入れをしておきましょう。
ホコリをかぶっていたりすると、業者によっては買取価格が下がることもあるようです。
仮に下がらなかったとしても、これから高い金額をつけて引き取ってもらうのですから最低限のお手入れはしておきましょう。
これまで大切に使ってきたピアノだからこそ最後まで責任を持って、気持ちの良い取引にしましょう。
とはいっても、そのためにクリーニング業者に依頼したり、新しくお手入れグッズを買い揃えたりする必要はありません。
ここで余計にお金をかけてしまうのはもったいないですし、お家にあるもので簡単にお手入れすることができます。
ピアノのお手入れに関してはこちらの記事をご覧ください。
オススメ記事
ピアノを長く使うためのメンテナンス方法は?もし壊れてしまった時は?対処方法を解説します
ピアノにとってメンテナンスやお手入れは非常に重要なのです。大切なピアノを少しでも長く使うために不可欠なお手入れの方法、そしてもし壊れてしまった場合の修理方法やメンテナンス方法を紹介していきたいと思います!
付属品、説明書の用意
椅子やカバー、などの付属品や説明書は、大幅に買取価格が上がるというわけではありませんが、多少価格に影響があるので用意しておきましょう。
他にもオプションでついてきたものがあればぜひ一緒に用意をしておいてください。
買取不可なピアノ
買取不可となるピアノのケースを紹介します。
製造から30年以上経過
製造から30年以上経過している場合は買い取りできない場合があります。
ただし、業者によっては買取可能なこともあるので、まずは査定に出してみてください。
また、1960年代以前のピアノは高値で取引される可能性もあります。よく調べてから判断しましょう。
水濡れ、火災
雨漏りで濡れたり、火災で焼けたなど、ひどく損傷しているものは再生が不可能なため、買取できません。
ピアノは木で作られているものなので水を含むことで変形したり、音色が変わったりすると、再生はできなくなります。
雨漏りや湿気でダメになっていないか、確認しましょう。
虫害、動物被害
虫害やネズミ被害に遭ったものも買取は難しいです。
ペダル部分から入り込み住み着いてしまうことがあるようです。確認の際も十分気をつけてください。
また、ペットのお小水や虫食いも買取不可の対象になることがあるので日頃から注意しておきましょう。
買取不可の場合の処分方法
買取が不可だった場合、以下の方法でピアノを処分することができます。
不用品回収業者
不用品回収業者に依頼すると有料でピアノを引き取ってもらえます。
費用は30,000円~50,000円程です。
クレーンでの吊り下げや階段の上り下りがある場合は別途で料金(30,000円~40,000円程)がかかります。
ピアノ買取業者の引き取り
ピアノ買取業者に一度査定してもらい、買取不可だった場合そのまま引き取ってもらえる場合があります。
無料の場合もありますし、安く引き取ってもらえることもあります。
事前に、引き取りの料金を調べておくなどしてトラブルは避けましょう。
また、メーカーや引越し業者で業務提携をしているピアノ専門の運送会社を紹介してもらえることもあります。
料金はその業者での見積もりとなりますが、安心感はありますね。
ピアノ買取トラブル
ピアノ買取業者は多く存在します。いろいろな会社を見比べられることは良いですが、その分思わぬトラブルが発生することもあります。
予想外の出張費や交通費などの追加料金を請求された
事前に出張費が発生することを伝えられておらず、当日急に請求されてトラブルとなるケースです。ピアノの買取価格は先述したようにほぼ【ピアノの種類・メーカー・型番・製造番号・ペダルの数】で決まるので、“見てから決める”などの言葉が出たときには注意が必要です。ただし、ピアノを運ぶのには相当な労力や準備が必要です。もちろん数人作業員を派遣するため人件費もかかるため、出張費を請求されることもあります。トラブルを避けるためにも、事前に確認をしておきましょう。
価値があるのにピアノを無料で引き取ろうとされた
ピアノの買取相場額を把握していないことで起きるトラブルです。
ピアノの買取は利用者も少なく、口コミも多くはありません。
また、そもそもピアノを売ること自体、人生で1回あるかないかのイベントですよね。
そのため、売る側の知識が乏しいところにつけ込んでくる業者もいるようです。
そのようなトラブルを避けるためには、あらかじめ、自身が売ろうとしているピアノの買取相場を知っておくことが重要です。
査定価格と買取価格が違った
査定は主に電話かWebから情報を登録したものを業者が見て価格が算出されます。そのため、細部までピアノの状態を伝え切れていないことがあった場合このようなトラブルが発生します。また、査定時に高額な買取価格を提示しておいて、実際の買取では「傷が……」などと言って値段を下げる業者もいます。信頼できる業者かどうかをインターネットなどで調べましょう。
キャンセル料をとられた
今まで大切に使ってきたピアノなので納得した状態で売りに出したいですよね。
そのように考え、引取を断ったところ、キャンセル料を取られてしまったケースもあるようです。
こちらも事前に確認して置かなければ思わぬ出費となってしまいます。
先ほどの出張費と同様、査定には人件費が発生しています。
買取のキャンセル料がかかるかどうかも業者によって様々なので調べておきましょう。
売却時の運び方
引越しの時、自分でピアノを運べばコストが抑えられる!と考えている方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、その考えはだいぶ無謀です。
ピアノは、アップライトピアノで250kgほど、グランドピアノで300kgほどの重さがあります。
さらに家の中から出したり入れたりするとなるとピアノを回転させて持つこともあるため、素人にはとてもきつい作業です。
業者に任せたほうが体もピアノも安全です。
まとめ
売却の場合は引き取りに来た業者がそのままピアノを運んでくれます。
引っ越しの場合も業者に頼むことはできますが、やはりピアノほど大きな荷物になると有料オプションとなるところがほとんどのようです。
配送業者によっては配送先で調律まで対応してもらえることもあります。
ピアノの取扱になれている業者を選定しましょう。