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ピアノの鍵盤数っていくつ必要?61鍵と88鍵の違いは?経験者が語ります◎

Written by
2023.09.25
syotata
【執筆・監修】syotata

ピアノ歴20年以上のWEBライターです。コンクールや受験、さらにピアノ指導経験を活かした記事作成を行っています。

こんにちは。
元保育士Webライターのナイスです。

ピアノにはグランドピアノ、アップライトピアノ、電子ピアノなどいろいろな種類があります。
ピアノの種類によって、サイズもさまざまです。
そして、鍵盤数にも違いがあるのをご存じでしょうか。
現在、ピアノの標準の鍵盤数は88鍵ですが、もっと少ないものもあります。
皆さんの中にも、鍵盤数が少ないピアノを普段弾いているという方がいるでしょう。

今回の記事は、ピアノの鍵盤数について解説します。
鍵盤数の違いによって、演奏する際にどのような違いがあるか、鍵盤数が少なくても演奏に支障はないかなど、鍵盤数について理解を深めてください。

ピアノの鍵盤数の違いでなにが変わるの?

ピアノの鍵盤数の違いでなにが変わるの?

鍵盤数が違えば、それぞれの特徴も異なります。
鍵盤数によるピアノの特徴の違いには、主に以下の3つがあります。

  • 音域
  • サイズ
  • 値段

音域

鍵盤数が違えば、音域が違うのは当然です。
鍵盤数が多ければ音域は広がり、鍵盤数が少なければその分音域も狭くなります。
クラシックの中には音域が広い曲があるため、クラシックを演奏する場合は鍵盤数が多いピアノがよいでしょう。
しかし、クラシックの中にも音域がそれほど広くない曲もあり、鍵盤数が足りなくても、楽譜通りにはなりませんが工夫して演奏することも可能です。

サイズ

鍵盤数が多ければ、その分横の幅が広くなります。
そのため、88鍵のピアノを弾きたくても、自宅のスペースによってやむを得ず少ない鍵盤数のピアノを購入して弾いているという人もいるでしょう。
白鍵1つ分の幅は、約2.25㎝で、ドからシまでの1オクターブの幅は鍵盤と鍵盤の間の隙間も入れて約16.4㎝です。
電子ピアノには、鍵盤の脇に操作用のスイッチなどがついているものもあり、鍵盤数以外にもピアノの種類や用途によってサイズの違いがあるので、購入する際にはよく確認してください。

値段

値段の違いは鍵盤数やサイズの違いだけではなく、ピアノの仕様やメーカーによっても異なりますが、一般的には鍵盤数が多いものが値段も高くなります。
スペースの問題だけではなく、予算の都合で鍵盤数が少ないものを選んだという人もいるでしょう。

ピアノの鍵盤数の数え方は?

ピアノの鍵盤数の数え方は?

ピアノの鍵盤には白鍵と黒鍵がありますが、鍵盤数は白鍵と黒鍵を合わせた全ての数です。
標準の88鍵のピアノは、7オクターブ分ということになります。
ピアノを発明したイタリアのクリストフォリが最初に作ったピアノは、4オクターブ演奏できる54鍵でした。
しかし、ベートーヴェンを代表とする有名作曲家達が4オクターブ以上の曲を作曲するようになり、鍵盤数が増えていった歴史があります。
88鍵のピアノができたのは、1890年代だと言われています。

88鍵の内訳は、白鍵52鍵、黒鍵36鍵です。
グランドピアノ、アップライトピアノ、電子ピアノなど種類にかかわらず88鍵のピアノは全て白鍵と黒鍵の数は共通になっています。
唯一の例外は、老舗ピアノメーカー“ベーゼンドルファー”の『インペリアル』というフルコンサートピアノです。
このピアノは、低音のほうに9鍵多い97鍵あります。

ピアノの鍵盤数は4種!

ピアノの鍵盤数は4種!

一般的にピアノの鍵盤数は61鍵、76鍵、88鍵、97鍵の4種類です。
子ども用の小さいピアノなど61鍵より少ないものもありますが、ここでは上記した4種類の鍵盤数のピアノについて解説します。

尚、演奏したい曲によって鍵盤数は重要ですが、鍵盤数の違いは音響の意味でも重要な要素です。
ピアノの両端に弦が張ってあるため、鍵盤を弾いたときに共鳴することでより深い響きが出ます。
そのため、音の響きも追求したい人は、実際にさまざまな鍵盤数のピアノを弾き比べてみるとよいでしょう。

61鍵

ピアノの鍵盤数の数え方は?

楽器店や電気店でよく見かける小型のキーボードは、61鍵のものが多くあります。
88鍵に比べるとだいぶ少なくなりますが、手頃な値段で購入でき、コンパクトなサイズのため置き場所にも困らず、持ち運びにも便利です。
安価なキーボードもたくさんありますが、機能的に不十分な場合もあるので、購入する際は安易にサイズや値段で決めず、昨日もよく確認することをおすすめします。

ポップスのピアノソロ、バンド演奏、弾き語りなどを弾く場合は十分足りる数でしょう。
ポップスでも曲によっては足りないものもあります。
クラシックを演奏する際には、簡単な曲でも足りない曲がほとんどです。
ピアノ初心者の人が練習するには十分なサイズですが、安価なキーボードは鍵盤が軽いため、慣れてしまうと生ピアノを弾いたときに弾きにくさを感じるでしょう。

私は、普段は主に生ピアノを弾きますが、若い頃夜中の練習用や持ち運び用に安価な61鍵のキーボードを購入しました。
現在も61鍵のキーボードを弾く機会がありますが、生ピアノを弾く感触とは全く違うので、軽くて非常に弾きにくく感じます。

76鍵

76鍵

76鍵のピアノは、基準の88鍵より1オクターブ分少ない数です。
ジャンルを問わず、ほとんどの曲は76鍵あれば苦労することなく弾けます。
初心者は61鍵でも十分ですが、上達に連れて曲の難易度が上がると61鍵では物足りなさが出てきますので、初心者でも上達を目指している人は76鍵以上のピアノがおすすめです。

88鍵

88鍵

ピアノの基準となる鍵盤数が88鍵です。
したがって、クラシックを含め全ての曲を弾けます。
グランドピアノとアップライトピアノの生ピアノのほとんどが88鍵ですが、電子ピアノでも88鍵あるものや、生ピアノと同じ重い鍵盤を使用しているものもあります。スペースや近所への音漏れなどの問題があるけど、88鍵のピアノが弾きたいという人は、電子ピアノを検討するのがおすすめです。
クラシックを弾きたい、弾けるようになりたいという人は、88鍵を選ぶとよいでしょう。

ただし、生ピアノはもちろんのこと、電子ピアノでも88鍵あるものは値段も高くなります。
生ピアノと同じ鍵盤を使用している電子ピアノは重さもかなり重いので、持ち運びは難しいでしょう。

ちなみに、私は以前自作曲でピアノの弾き語りをしていた経験があります。
ピアノがない場所で演奏する機会もありましたが、生ピアノと同じ音色や鍵盤数にこだわり、88鍵で生ピアノと同じ鍵盤のキーボードを購入し、たびたび持ち歩いてライブを行っていました。
サイズが大きくかなり重いため、持ち運びには毎回とても苦労していたことを思い出します。

【鍵盤数最大のピアノ】97鍵

前述したベーゼンドルファーのインペリアルは、唯一97鍵あるピアノです。
ほかのピアノメーカーには、97鍵のピアノはありません。
低音部に足されている9音は、“エクステンド・ベース”と呼ばれ、特別な鍵盤だと一目でわかるように全て黒い鍵盤になっています。
当然サイズも大きく、一般的なグランドピアノの奥行きは約2.75mありますが、インペリアルの奥行きは2.9mです。

なぜ88鍵が標準になったの?

なぜ88鍵が標準になったの?

ピアノを発明したイタリアの楽器製作者クリストフォリ(1655〜1731)は、チェンバロの製作や改良、修復をしていました。
チェンバロの製作で培った知識やスキルを活かし、新しい楽器として、1700年までにピアノを発明したのです。
チェンバロとピアノは同じ鍵盤楽器ですが、弦を弾いて音を出すチェンバロに対し、ピアノは打楽器のように弦を叩いて音を出す違いがあります。

クリストフォリが最初に作ったピアノは4オクターブ分の54鍵でした。
この時代は、モーツアルトやハイドンなどが活躍した時代でしたが、この頃の曲は音域が広くなく、弾きやすい曲が多いのはそのためでしょう。

その後、1770年頃には5オクターブ、1800年頃に5オクターブ半、1815年頃になると6オクターブと、音楽の発展に合わせて急速に音域が広がりました。
さらに1850年頃に7オクターブになり、現在の88鍵(7オクターブ+3音)になったのは1860年頃だと言われており、88鍵になってからの歴史は長いです。

インペリアルなどの例外を除き、88鍵以上のピアノがないのは人間の耳が聴き取れる音の範囲は88鍵までだからだと言われています。
人間が聴き取り可能な音の範囲は約20〜4000ヘルツだと言われており、88鍵のピアノが出せる音程は27〜4186ヘルツなので、ほぼ同等です。

尚、2018年にオーストラリアの“スチュアート&サンズ”というピアノメーカーが、108鍵のピアノを製作しました。
インペリアルを超えて、最も鍵盤数の多いピアノです。

引用:ピアノの鍵盤数は88鍵盤?鍵盤数の歴史からおすすめの鍵盤別ピアノまで紹介

おすすめのピアノ鍵盤数は?

おすすめのピアノ鍵盤数は?

スペースや予算の問題もありますが、今後ピアノを本格的に練習し、幅広いジャンルの曲をたくさん弾けるようになりたいと考えている人は88鍵がおすすめです。
特にクラシックやジャズなど、高度な曲を弾きたい人は88鍵ないと物足りなさや弾きにくさを感じることが多くなります。

「遊びで簡単な曲を少し弾ければよい」「子どもがピアノを習い始めるけど、続くかどうかわからない」「バンドにキーボード奏者として参加する」などの場合は、少ない鍵盤数のピアノでも十分でしょう。

しかし、初心者のうちは61鍵や76鍵で十分ですが、軽い気持ちでピアノを始めたけど思いのほか楽しくて上達も早く、もっと幅広い曲を弾きたいと思うと鍵盤数が足りなくなるでしょう。また、ピアノ教室に通う場合は、ピアノ教室にあるピアノはほとんどが88鍵のピアノなので、家で練習する際に同じ鍵盤数のピアノがあったほうが練習はしやすいです。
最初は値段が安くスペースを取らない61鍵のピアノを買ったけど足りないと思うと、買い替えが必要になります。
したがって、可能であれば最初から88鍵のピアノを購入しましょう。

まとめ

まとめ

ピアノの鍵盤数について解説しました。
ピアノの購入を検討している人は、標準の鍵88鍵のピアノを購入すると間違いはないでしょう。
しかし、それぞれの事情や用途は違うので、「ピアノを今後どのように弾きたいのか」「どんな曲が弾きたいのか」「どのレベルまで弾けるようになりたいのか」など、自分の目的を明確にすることが大切です。
そのうえで、予算やスペースなどの事情を考慮し、実際に楽器店に足を運び直接いろいろなピアノを見たり弾いたりして、後悔がないピアノ選びをしてください。

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