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昔から憧れていたものにチャレンジしたいな、という気持ちや自分ができなかったから子供にはぜひ……という思いを持っている方って多いと思います。
その憧れの対象に多いのが“ピアノ”ですよね。
でも、ひとくちにピアノを始めるといっても色々わからないことや知らないこと、不安なことって多いですよね。
例えばジャンル。楽譜に書いてある通り忠実に演奏する「クラシック」が一般的ですが、アドリブを中心とし、自由度が高くセッションもできる「ジャズ」、他にも「ポップス」、「ロック」など様々です。
まず、自分の音楽性はどのジャンルに近いのか、どんな曲をどのように演奏したいのか、などを考える必要がありますね。
独学とレッスンとでは時間も費用も大分変わってくるはずので、こういった点に不安のある方も多いのではないでしょうか。
そして、ピアノを始める時期。一般的には、「ピアノを弾くための感性は6歳で決まる」なんて言われてるように、子供の頃に始めるべきだなんて言いますよね。
もちろん、ピアノの演奏でご飯を食べていきたいとか、コンテストで受賞したいとか、そんなレベルを求めているならば、子供の頃からピアノに触れておくべきです。
しかし、趣味でちょっと弾けるようになりたい……大好きなあの曲のメロディが弾けたら楽しいな……など趣味で始めるのに遅いも早いも関係ありませんよね。
自分の求めるレベルやタイミングによって、演奏する環境は大幅に変わります。
(実際に筆者も、幼少期に練習が苦痛で辞めてしまいましたが、やっぱちょっと好きな曲とか弾き語りできたら楽しいよな〜なんて考えています。)
というわけでピアノを始めたい多種多様な状況のみなさまに、どんな練習法・楽しみ方があるか、また費用はどのくらいかかるのか等をご紹介していきます。
ピアノ教室探し方
ピアノ教室は、大きく分けて、大手楽器メーカーの経営する大手ピアノ教室、個人教室、出張レッスン、オンラインレッスンの4つがあります。
大手ピアノ教室はCMや広告を目にする機会も多いですし、ネットで検索すれば簡単に近くの教室を探すことができます。
一方で個人教室は、地域に根づいて小さく教室を開いている場合がほとんどです。そのため知人からの情報を頼りに探す方も多いかと思います。
そのような場合は、地域の楽器屋などで訪ねてみると個人の教室との関わりがある場合もあるので、情報をもらえるかもしれません。
さらに、最近ではピアノ教室を検索できるサイトも開設されています。
地域や駅を入力するだけで様々な個人教室を見つけることができ、選択肢も広がります。
また、ピアノには主に、クラシック、ジャズ、ポピュラーなどのジャンルがあります。
ご自身の習いたいジャンルに合わせて探すこともおすすめです。出張レッスン、オンラインレッスンもネット検索で情報を得ることができます。
次はこれらのレッスンに関する詳細や費用、どのような人に向いているかなど詳しく紹介していきます。
レッスン比較
大手ピアノ教室
大手ピアノ教室であると、1〜3歳くらいの小さいお子様はまず、複数人でのリトミックコースでのスタートが基本です。
リトミックとは、技術的な学習を始める前に感受性や創造性などの感覚を体で体験して身につける教育のことです。
具体的には、音楽に合わせた手遊びや運動、演奏などを親子で行います。
小さいうちから、音楽に触れ、感性を高めさせたいと考えている方にはおすすめです。
レッスン内容も年齢に合わせたカリキュラムになっているので遊びと学び両方の側面から楽しめます。
大人の方でもコースによってはグループレッスンを受講できるので、アンサンブルをサークル感覚で楽しむことができます。
ピアノのジャンルも4種類ほどのコースから選ぶことができるので、どんなジャンルを弾きたいかまだ迷っている……上達したらあんな曲を弾いてみたい……と考えている方におすすめです。
講師陣も教室での試験を合格した資格のある方々なので安心できます。
また、大手になると毎年発表会やイベント、コンクールを大きな規模で主催していることが多いのでモチベーションにも繋がります。
月謝は約5,500円~30,000円です。プロを目指すお子様向けのコースになると、値段も一気に上がってしまいます。
また、月謝とは別に管理費や入会金が必要な場合もあるので注意が必要です。
個人教室
大人数が苦手……統一されたレッスンは嫌だ……プロを目指したいので、優秀な先生のもとでコミュニケーションをとりながらみっちりとマンツーマンで指導してほしい……と考えている方には個人教室がおすすめです。
この場合は先生が1人で自宅で開講していることが多いです。
個人教室であれば先生が指導方法など含め全て自身の裁量で決定しています。
そのため、振替などある程度自由が効くことが特徴です。
教材も先生が決めるのでリクエストがあれば参考にしてくれるかもしれません。
個人教室の場合、月謝は約5,000円~6,000円、高くても10,000円ほどと大手に比べて安めです。
発表会やコンクールに関しては開催のない場合や、開催しても規模が小さい、他の教室と合同という場合もあります。
逆に言えば、アットホームな雰囲気で楽しむことができます。ご自身にとって発表会の重要性がどの程度か、検討している教室では開催されるのかなど、入会を決める前に調査をしておくべきかもしれません。
出張レッスン
大手の教室や個人レッスンに比べて聞き馴染みのない出張レッスンですが、近年このようなサービスを展開する教室も増えてきています。
出張レッスンでは自宅に講師を呼んでレッスンを受けることができますが、当然、ピアノの所有は必須になります。
この場合、多くの教室が割引や購入に関するアドバイスなど購入サポートのサービスを行っているので今後もピアノを続けようと考えている方は利用して購入してもいいかもしれません。
ピアノの購入についてはこちらの記事をご覧ください。
出張レッスンは、小さなお子様を1人で教室に通わせるのは心配……送り迎えが大変……ピアノを習わせたいけど月謝が高い……という方におすすめです。
月謝は教室にもよりますが、約5,000円~10,000円と、大手教室に比べると低めです。
さらに、家族割りを設けている教室も多く、続けてレッスンを行うと二人目のレッスン料が安くなる特典があります。
小さなお子様に兄弟でピアノを習わせたい! と考えている方にはとっておきのレッスンかもしれません。
デメリットとしては、出張レッスン自体がまだまだ浸透してないこともあり、狭い地域のみでのサービス展開がほとんどです。
まずはお住いの地域周辺で展開している教室から探しましょう。
また、講師を呼ぶ際の交通費や教材費等は別途必要なこともあります。
オンラインレッスン
どんなレッスンかなんとなく想像がつくかとは思いますが、こちらはスマートフォンやタブレット、パソコンを使ってオンライン上でレッスンを受けることができます。
そのため日本だけでなく海外の講師とやり取りをすることも可能です。
演奏している姿を端末で写し、画面ごしに講師からアドバイスをもらいます。
レッスン元はピアノ教室のレッスンの1つとして展開している場合もありますし、コミュニティーサイトや個人が運営している場合もあります。
特定の講師や凄腕の講師のレスンを受けたいけど東京まで行けない……定期的に教室に通うのは難しい……とりあえず趣味で気軽に始めたい……などと考えている方におすすめです。
ですが、いつも使用しているスマートフォンやタブレットがあれば十分なので高機能を求めなければ簡単に準備ができます。
楽譜はPDFでの配布や動画をアップしてやり取りをすることもあります。
コースやジャンルも教室であればいくつか展開されていますし、サイトや個人であれば検索で探すことができます。
おすすめレッスン方
動画配信サービス
近年爆発的な盛り上がりをを見せている動画配信サービス。様々なジャンルの動画が毎日投稿されていますよね。
そこにはピアノの練習に使える動画もアップロードされています。
音声・映像・テロップを使って解説されるため、一緒に弾きながら練習することができます。
また、一時停止や巻き戻し、早送りも可能なので自分のペースで練習することができます。
メロディに合わせて鍵盤が光る動画は、楽譜代わりに使うこともできます。
ぜひお気に入りの曲を見つけて練習してみてください。
アプリ
スマホアプリはどこでも練習できることが最大のメリットです。
光る鍵盤をタップしたり、画面に出てくる音符に合わせて弾いたりと簡単に演奏ができます。
ただし、ゲーム感覚な要素が大きいので、鍵盤に慣れる、曲に慣れる、といった点で日頃の練習と併用して使うことをおすすめします。
本
ピアノ教室で貰うような本格的なものはもちろん自宅で独学で練習をする人向けの本などもあります。
クラシックを中心に練習しているけど、気分転換にポップスを弾いてみたいな~という時などに活用したいですね!
一冊弾き終わったときの達成感は特別だと思います。
ピアノの楽しみ方
ストリートピアノ
街角に置かれたピアノのことで、誰でも演奏することができます。
通りがかりの人が何かを弾き、それを聴いた人が足を止めて会話が生まれ、人と人がつながっていく、そんなきっかけづくりをしているのがストリートピアノです。
2008年イギリスで始まった 世界規模のストリートピアノプロジェクト、「Play Me,I'm Yours」から、今では世界各地の街角にピアノが置かれています。
日本国内でストリートピアノが常設されている主な場所は、鹿児島県鹿児島市一番街商店街、宮崎県宮崎市橘通西です。
鹿児島県の一番街商店街に設置されたピアノは日本ではじめてのストリートピアノです。
また、期間限定のイベントで突如街中に現れることもあります。
近年では、東京都足立区「ギャラクシティ 音楽の日ストリートピアノ・フェス 2023」、香川県高松市「3台のグランドピアノで奏でるYouTuberストリートピアニストライブ2023」
といったイベントでストリートピアノが出現していました。
街中で大勢の前で演奏するのは少し勇気が必要ですが、逆に言えばそんな経験もめったにないので、機会があれば挑戦してみても楽しいと思います。
普段演奏できないようなピアノに売れられるチャンスかもしれません。
ピアノ以外の鍵盤楽器
ピアノ以外に鍵盤で音を奏でる楽器はいくつかあります。
電子オルガン
エレクトーンと言えばピンとくる方が多いと思います。
エレクトーンとはヤマハの製造している電子オルガンの商品名なので、ここでは電子オルガンと表記します。
足のペダルを含めた3段の鍵盤があり、作曲などに使えます。
ボタンを押すだけでバイオリンやギター、ドラムなどの音を出すことができるので、1人でオーケストラのような音楽を生み出せます。
キーボード
気軽、簡易的。本格派にはあまり向きませんが、アップライトピアノを買う手前の時期などにおすすめです。
趣味範囲なら気軽に触れて楽しめます。
シンセサイザー
電子回路を使って様々な音やリズムを作ったり、加工できます。
電子オルガンとの違いは、鍵盤の形をしていたりしていなかったり、波から音を作ったりする点です。
そのため電子オルガンよりも少し本格的な取り扱いになります。
ピアノを通じて、「音」という部分に興味を持った方はシンセサイザーで視野を広げると面白いかもしれません。
まとめ
大手ピアノ教室
- 1~3歳はリトミックで音楽に触れるところから
- 子供も大人もグループレッスンあり
- ジャンルやレッスン、講師陣が豊富
- 大手の安心感
- 毎年大規模なコンクールや発表会を開催
- 月謝は約5,000円~30,000円。プロや音大を目指すコースになるほど高くなる
- 月謝とは別に管理費や入会金が必要な場合もある
個人教室
- 大人数レッスンや統一されたレッスンが嫌な人向け
- 個人での開講なので振替などある程度の融通が効く
- 教室によって講師の色が出る
- コンクールや発表会の開催がない場合も
- あるとしても、小規模でアットホーム
- 月謝は約5,000円~6,000円、高くても10,000円程
出張レッスン
- 自宅に講師を呼んでレッスンを受けられる
- ピアノ必須
- ピアノ購入に関する割引やアドバイスなどのサポート
- 小さな子供を1人で通わせることの不安や、送迎の負担がない
- 月謝は約5,000円~10,000円と大手教室に比べると安い
- 続けてレッスンを受けると家族割りや兄弟割りが受けられる
- サービスが浸透しておらず、地域によっては講師の派遣が行えない場合も
- 講師の交通費や教材費は別途負担
オンラインレッスン
- スマホやパソコン、タブレッドとネット環境があれば受講可能
- 海外の講師のレッスンも受けられる
- レッスン元は個人や教室、コミュニティーサイトなど様々
- 料金も、月謝やポイント性など様々
- 特定の講師や都内のレッスンを受けたい地方の方々にもおすすめ
- 楽譜はPDFでダウンロード、レッスン動画はYouTubeアップしてやりとりすることも
- 検索でコースやジャンルも選べる
オススメレッスン法
動画配信サービス
- 音声、映像、テロップで見ながら練習が可能
- 一時停止や巻き戻し、早送りなど自分のペースで練習できる
- 楽譜代わりにもできる
アプリ
- どこでもできる
- ゲーム的要素が強い
- 曲に慣れるなど日頃の練習と併用がおすすめ
本
- 1冊でその年の流行曲などをいくつも演奏できる
- 練習用途分けることで気分転換になる
- 1冊弾き終わったときの達成感
ピアノの楽しみ方
ストリートピアノ
- 街角に設置されていて、普段演奏しないようなピアノを演奏できる
- 日本でも常設や期間限定で設置されるので観光にもおすすめ
ピアノ以外の鍵盤楽器
- 電子オルガンは様々な楽器の音を出せるので1人オーケストラを味わえる
- キーボードや電子ピアノは本格派には向かないが、気軽に触れるので趣味や習い始め向け
- シンセサイザーは音に興味を持った人が世界を広げるのに面白い
鍵盤楽器の種類についてはこちらの記事をご覧ください。
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ご自身の環境や目指すレベルに合わせて、ぜひ検討してみてください。