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【保育士が解説】ピアノスキルは必要?簡単な練習曲もご紹介!楽譜付き◎

Written by
2024.03.28
【執筆・監修】mado

現役保育士ライターのmadoです。子どもたちと歌を歌ったり踊ったり毎日してます。ただいま、リトミックの勉強中です。音楽の楽しさを子どもに伝えたいと思って日々、保育の現場で働いています。

ピアノが弾けないと「保育士にはなれないのでは?」と悩んだり、保育士の中にはピアノが弾けることに憧れを持つ人も多くいるのではないでしょうか?

保育士になるためには、ピアノが必要になると不安になる人も多くみられますが、保育の現場では、ピアノのスキルを求めない保育園もあります。

しかし、筆者の私は保育の現場で勤務している中で、音楽の楽しさを子どもに伝えられたり一緒に音楽を楽しんだりとピアノが弾けてよかったなと思うことがあります。
ピアノができると保育の幅が広がるため、音楽に関わる楽しさを子どもに感じてもらえるのです。

本記事では、保育士のピアノスキルの必要性やピアノを弾けるメリット、ピアノの練習に最適な楽譜やスキルアップにつながる本を紹介します。
この記事を読んで、保育の幅を広げるきっかけにしましょう。

保育士になるにはピアノスキルは必須?

保育士になるにはピアノスキルは必須?

ピアノスキルがなくても、保育士にはなれます。
保育園によってピアノが必須だったり、ピアノが弾けることを必要としていなかったり、園によって採用基準が異なるからです。
とはいえ、ピアノが弾けると子どもたちに音楽の楽しさや音楽を使って身体を動かすことの楽しさを教えられるため、保育の質が上がります。

子どもたちに音楽を使って身体を動かすことを教えたり音楽の楽しさを伝えたりするためにも、簡単な曲だけでもピアノを弾くことがおすすめです。

弾けないと保育士試験に落ちる?

ピアノが弾けなくても、働くために必要な音楽表現のスキルを習得していれば保育士試験の合格を狙えます。
筆記試験に合格すると実技試験は下記の項目から選択します。

  • 「音楽表現(楽器)」
  • 「造形表現(絵画)」
  • 「言語表現(読み聞かせ)」

音楽表現の試験はピアノ以外にギターやアコーディオンで受けられるため、ピアノを弾くことなく、保育士資格の取得を目指せます。
ピアノが弾けなくても、ギターやアコーディオンを使用して音楽表現の試験を受けられるため、安心して試験に挑戦しましょう。

保育士がピアノを弾けるメリット5つ

保育士がピアノを弾けるメリット5つ

ピアノが弾けることで保育の質もあげることができ、子どもたちの成長や教育にもつながります。
ピアノを弾けるメリットには次の5つがあります。

  • 保育の幅がアップする
  • 子どもが歌う曲のテンポを調節できる
  • 活動と活動の切り替えができる
  • 子どもの情操教育になる
  • 就職に役に立つ

ひとつずつ、メリットについて解説をしていきます。

保育の幅がアップする

ピアノが弾けることで、自分の好きなタイミングで曲を流したり曲に強弱をつけたりできます。
保育者のタイミングで指導しながら楽しくリトミックや楽器遊びをすることができます。
リトミックや楽器遊び、片付けの合図など幅広く保育で活躍することができるでしょう。

音楽の指導は保育所保育指針で定められており、音楽の指導をしやすくするために、簡単な曲をピアノで簡単な曲を弾けるように習得することをおすすめします。

子どもが歌う曲のテンポを調節できる

ピアノが弾けると保育者や子どものペースでゆっくり歌ったり少しテンポを早めたりと調節ができます。
例えば子どもに新しい曲を覚えて欲しい時は、曲をゆっくり流すと歌詞や音が聞き取りやすくなり覚えるのに効果的です。
子どもの聴覚は年齢によって様々です。
子どもの成長・発達に合わせて曲のテンポを変えてあげると音や歌詞の聞き取りができ、新しい曲を歌えるようになります。
年齢が低い子は、聴覚の発達が不十分のため、ゆっくりと流れるようなテンポで弾くといいでしょう。
また3歳以上児は音の聞き取りができるため、テンポの早い曲がおすすめです。
同じ曲でも年齢によってテンポを変えることで、新しい曲も覚えられるようになります。

活動の切り替えができる

片付けのタイミングや朝の会歌など次の活動へ移るときの合図としてピアノの使用が可能です。
集団生活で大きな声で指示を出すよりも、音楽を使ったほうがわかりやすく簡単に指示を伝えることができます。

例えば、保育の現場で子どもたちの声が大きくて指示が通らない際にピアノを弾くことで、五感に刺激を与えられるため、子どもたちの注意をひくことができます。
片付けの曲や静かにするときの曲など決めて置くと、子どもたちも曲を聞いて行動してもらうことが可能です。
子どもが曲を聞いて、次の活動をスムーズに行えるようにピアノで活動毎に決まった曲を決めておくことがポイントです。

子どもの情操教育になる

音楽を使って自己表現をすることが子どもの「心」を育てる情操教育につながります。
ピアノが弾けることで、様々な曲や歌を本物の楽器を聴かせることができるので、聴覚の発達や精神の安定などに効果的です。

また、ピアノの演奏を聴くことで曲の世界観を考えようとする想像力も育ちます。
保育者がピアノで様々な曲を演奏できると、子どもの「心」の発達も育てることができるでしょう。

就職に役に立つ

ピアノが弾けることを重視している保育園でもひとつの強みとしてアピールできるため、就職に役立ちます。
特にリトミックに力をいれている保育園では、指導で活用するケースが多いことからピアノのスキルが求められます。

季節や行事の歌などを弾くことも多いため、少しでもピアノが弾ける方は、保育の現場で重宝してもらえる点が魅力です。
片手だけでもいいので、簡単な曲はピアノで弾けるように練習することをおすすめします。

保育士に求められるピアノのレベルは?

保育士に求められるピアノのレベルは?

保育士に求められるピアノのレベルは、「バイエル終了程度」です。
ピアノ初心者向けの入門書で、ピアノの基礎が習得でき片手だけでなく、朝の会の歌や簡単な童謡曲などを両手で弾けるように練習できます。

保育の現場では、ピアノが弾けることも大切ですが、弾き歌いができることが求められます。
子どもたちが曲に合わせて歌えないときは、保育士が先導しなければなりません。
ピアノを弾くことに慣れてきたら、弾き歌いの練習もしていきましょう。

効率的にピアノのレベルを上げる方法5選

効率的にピアノのレベルを上げる方法5選

1日でも早くピアノを上達したいと考える人は多いのではないでしょうか。
とくに季節の歌は1か月ごとに変わります。
季節の歌をやっと1曲弾けるようになったと思った時には、次の月の季節の歌を練習しないといけなくなります。

効率よくピアノが弾けるようになるにはどうしたらいいのだろうかと考えますよね。
ここでは、どのように練習を勧めれば効率的に上達するのかを解説します。

ぜひ参考にしてみてください。

片手ずつ練習する

いきなり両手で弾くことは、難易度が高いため、初めは片手ずつ、ゆっくりまずは練習することをおすすめします。

まずは、右手からチャレンジしましょう。
右手はメロディーラインのため、音をとりやすくすぐに弾けるようになります。
右手のメロディーラインをマスターしてから、左手の伴奏ラインの練習をするといいでしょう。

ゆっくりとしたテンポで弾く

焦らず、ゆっくりとしたテンポで練習します。
テンポを遅くすることで自分が苦手なところに気づけるからです。

知っている曲でも、亀のようにゆっくりとしたテンポで曲を弾くことが大切です。
ゆっくりとしたテンポに慣れてから、テンポを少しずつ早くしていくことをおすすめします。

鍵盤を見ないで弾いてみる

両手で弾けるようになったら、手元を見ずに弾く練習をしましょう。
保育の現場では、子どもの顔を見ながら弾くことがほとんどです。
実際の保育の現場を想像しながら弾いてみましょう。
瞬時に楽譜の音を判断できることも大切になります。

手元の鍵盤を見て弾くのではなく、楽譜を見て弾く練習をしていきましょう。

歌いながら弾いてみる

両手で弾くことに慣れてきたら、音符を歌いながら弾いてみることがポイントです。
初めはゆっくりとしたテンポで歌いながら弾くと「ド」の音はここだと素早く楽譜を読むことができ、弾き歌いの練習にもなります。

音符で歌うことに慣れてきたら、曲の歌詞を歌いながら弾いてみましょう。

初心者向けの動画を参考にする

初心者向けの動画を見ることで、音程や曲のテンポなど参考にできます。
初心者向けの曲はインターネット上には多く掲載されているため、好きな曲や興味のある動画を見ながら、弾いてみましょう。

また動画によっては細かく弾き方や抑揚の付け方などの解説をしているものを選択すれば、より効率よく上達できます。

自分の弾いている様子を動画で撮る

客観的に自分が引いている姿を動画で撮る方法がおすすめです。
上手く弾けてると思っていても、撮った動画を見てみるとテンポが早かったりちょっとした間違いに気づいたりすることがができます。

また、自分の弾いている様子を動画や録音して、演奏を確認してみましょう。

ピアノ教室に通う

プロの方にピアノ教室で直接教えてもらうのもおすすめです。
楽譜の見方や指の使い方など、ピアノ基礎から丁寧に教えてもらうことができます。

特に1人では練習するのが辛い、どうすればいいかわからないなど感じる人は、ピアノのプロから直接教えてもらうといいでしょう。

〈保育士がおすすめ〉ピアノの練習に最適な曲や教本は?

〈保育士がおすすめ〉ピアノの練習に最適な曲や教本は?

ピアノのスキルを向上させる曲や教本を難易度別に紹介をします。

難易度は下記の表記で示しています。

  • ★☆☆・・・初級
  • ★★☆・・・中級
  • ★★★・・・上級

1つずつみていきましょう。

ピアノの練習に最適な曲5選

ピアノを上達させるには、自分のスキルやレベルに合わせて練習していくことがポイントです。
自分のスキルやレベルよりも難易度が高い曲を練習してしまうと、両手の感覚を掴みづらいため、時間がかかってしまいます。
ピアノの練習でモチベーションを保ちながら練習するには、保育の現場ですぐに役に立つ曲を練習することです。
また保育士試験を受験する方は、過去の課題曲を練習したり受験する年の課題曲を練習したりするのもおすすめします。

今回はピアノのスキル向上につながり、保育の現場でもすぐに使える曲を選択しているので、ぜひ参考にしてみてください。

「ちょうちょ」

難易度★☆☆

ちょうちょは、ピアノ初心者でもすぐに弾ける曲です。
ドの音からソの音のみの音で演奏できるので、とても弾きやすい曲となっています。
右手のメロディーラインから練習をし、慣れたら左手の伴奏を取り入れることがポイントです。

「キラキラ星」

難易度★☆☆

ポピュラーな曲です。
ハ長調のため、ピアノ初心者はとても弾きやすいです。
左手の伴奏ラインも弾きやすくなっているので、両手で弾きながら歌う練習ができます。
同じリズムや音の繰り返しなので、指の使い方に気を付けて練習しましょう。

「グーチョキパーでなにつくろう」

難易度★★☆

保育の現場でよく歌われています。
弾けるようになると保育の現場で役に立ちます。
焦らず、ゆっくりとしたスピードで弾きましょう。
弾き歌いまで練習することをおすすめします。
伴奏ラインが難しい時は、簡単な和音などにアレンジして弾くといいです。

「手をたたきましょう」

難易度★★☆

ポピュラーな曲です。
和音で伴奏を弾く練習になります。
伴奏ラインは2つの和音で弾けるので、弾き歌いの練習もできます。
コードが途中で変化するので、左手の伴奏ラインに注意が必要です。

「おもちゃのちゃちゃちゃ」

難易度★★★

楽器あそび等で使うことができる曲です。
18分音符など拍の長さやリズムに特徴があるので、リズムかるに弾く練習になります。
右手のメロディーラインのリズムが難しいですが、片手ずつゆっくり練習しましょう。
左手の伴奏ラインが難しい時は、コードをみて1音のみで弾くこともおすすめします。

「さんぽ」

難易度★★★

誰でも知っている曲なので、弾き歌いには最適です。
フラットやシャープなどの記号も増えるので、譜読みの練習になります。
転調する箇所や、リズムが難しいところがあります。
拍の長さや転調に注意して練習しましょう。

ピアノの練習に最適な教本5選

ピアノ初心者でも楽譜の見方や譜読みの練習ができる教本から、レベルアップできる教本まで難易度別に紹介します。
今回紹介する教本には、日常の保育でも使える教本もありますので、ぜひ参考にしてみてください。

『ピアノの教科書』

難易度★☆☆

「ド」の音の場所など絵を使ってわかりやすく記載されています。
教本についているQRコードを読み込むことで動画が視聴できます。
動画を見ながら練習してみましょう。

『標準バイエルピアノ教則本 全音ピアノライブラリー』

難易度★☆☆

ピアノ初心者や入門者が使う教本になります。
簡単な曲から難しい曲まで初心者が弾きやすい曲が入っています。
「かっこう」などのポピュラーな曲も入っているため、指の使い方に十分に気を付けながら練習していきましょう。

『園の先生厳選! カンタンキレイなピアノ伴奏譜 保育のうた155』

難易度★★☆

日常の保育で使える曲がたくさん入っているので、保育の現場ですぐに役に立つでしょう。
弾き歌いの練習をしながら弾くと、実際の保育に役に立ちます。

『ブルクミュラー18の練習曲』

難易度★★☆

1曲が短く、練習曲には最適です。
ピアノ演奏でのテクニックの学習ができます。
強弱や装飾音符など演奏技術に気を付けて弾きましょう。

『シンプル! 簡単! すぐに弾ける保育のうた12か月 (ナツメ社保育シリーズ) 』

難易度★★★

季節ごとに曲がまとめられており、左手の伴奏の難易度も少し難しくなってます。
卒園式で弾ける曲もありますよ。
左手の伴奏ラインが幅広く動くので、指使いに気を付けて弾きましょう。

まとめ

まとめ

保育士は必ずピアノが弾けないといけないというわけではありませんが、ピアノが弾けると保育の現場で役に立ちます。

初めはわからないことばかりで辛く感じますが、ピアノを弾ける自分をイメージしてモチベーションを高めていきましょう。
ピアノはすぐに弾けるようになるものではなく、毎日コツコツと練習することでピアノも上達できるようになります。
ピアノが弾けることでメリットもありますので、チャレンジしてみるのもいいのではないでしょうか。

ピアノを弾くことに抵抗がある場合は、ピアノを弾かなくても、自分の得意分野を活かして保育士の仕事をすることもできます。
自分の目指す保育士像を考えてみるのもいいですね。

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