• 比較・検討

【保存版】ヤマハとカワイで迷ったら?ピアノ選びの際に参考になるレビュー付き◎

Written by
2023.12.12
ナイス
【執筆・監修】ナイス

私は、小学校2年生から5年生までピアノ教室に通ったのがピアノとの出会いです。その後、高校2年生のときに保育士を目指し、再び子どもの頃に通っていた教室で短大卒業まで習いました。保育士になってからは毎日ピアノを弾きながら子ども達と歌ったりポピュラーピアノを習ったり、自作の曲でピアノの弾き語りをして活動していた時期もあります。現在は音楽教育であるリトミック講師の資格を持ち、ライターのほかにリトミック講師としても仕事をする毎日です。

こんにちは。
元保育士Webライターのナイスです。
日本で有名なピアノメーカーと言えば、ヤマハとカワイが2大メーカーです。
ピアノの購入を検討している人の中には、ヤマハとカワイのどちらかで購入しようと考えている人が多いのではないでしょうか。
今回は「ヤマハとカワイのどちらがよいのか」「具体的にどのような違いがあるのか」など、ヤマハとカワイのピアノについて詳しく解説します。
ぜひ、ピアノを購入する際の参考にしてください。

ヤマハとカワイの歴史と特徴

ヤマハとカワイの2つのメーカーにはどのような歴史があり、それぞれの特徴が形作られてきたのか比較しながら解説します。

ヤマハとカワイの創業者と創業年

ヤマハとカワイのメーカー名は、どちらも創設者の名字から名付けられています。
ヤマハはカワイより38年早く創業しました。
カワイを創設した河合小市はヤマハで働いていましたが、独立してカワイを創設した歴史があります。

ヤマハ カワイ
創業者 山葉寅楠 河合小市
創業年 1889年 1927年

ヤマハの歴史

ヤマハを創設した山葉寅楠は和歌山県出身。
機械技師として働いていましたが、1887年にアメリカ製のリードオルガンの修理をしたことから楽器の構造に興味をもち、1889年に山葉風琴製造所を設立しました。
2年後の1891年には山葉風琴製造所を畳み、新たに山葉楽器製造所を設立。1897年に株式会社となり、寅楠が初代社長に就任したのです。

1899年に、当時山葉楽器製造所に勤めていた河合小市が、ピアノの音を出すアップライトピアノアクションを発明し、翌1900年に国産としては初となるアップライトピアノを製造しました。
2年後の1902年には国産初のグランドピアノの製造も開始しましたが、1916年に創業者の寅楠が亡くなったのです。
しかし、この頃は浜松に大きな工場を構えたほか、ピアノ製造の技術が高く評価されて数々の賞を受賞するなど、ピアノメーカーとして大きな飛躍を遂げています。
戦争中はピアノの製造ができず飛行機の部品を作っていましたが、戦後の1947年にピアノの製造を再開。

1954年から音楽教室を全国に展開したり1960年からはアメリカに楽器を輸出したり、急速に成長を遂げました。
1987年の創業100周年には社名をヤマハ株式会社に変更し、日本のみならず世界でも最大の楽器メーカーとして年間に約13万台のピアノ生産数を誇っています。
2008年には音楽の都ウィーンの著名なピアノメーカー“ヴェーゼンドルファー”を買収し、話題になりました。

カワイの歴史

ヤマハに在籍し、国内初のアップライトピアノやグランドピアノの製造に関わっていた河合小市は、1927年に独立して河合楽器研究所を設立しました。

設立した年に、64鍵のアップライトピアノを初製作し、翌1928年に初のグランドピアノも製作。そして1929年には河合楽器製作所に名前を変え、1930年にはオルガン製作も開始するなど急激に規模を拡大していきます。
ヤマハ同様戦争中は楽器を制作することはできず、工場が破壊されるなどの大きな被害を受けましたが、戦後1948年に楽器の製作を再開します。

1951年に株式会社となり、1953年には楽器メーカーとしては初めての藍綬褒章を受章しますが、2年後の1955年に河合小市が亡くなりました。
1956年からは音楽家教室を開始。
業界初の分割払いの導入や海外への積極的な進出のほか、9,038坪の広さで1日に60代のグランドピアノの製作が可能な巨大な工場を建てるなどその後も成長を続け、ヤマハに次ぐ世界で2番手の楽器メーカーとして君臨しています。

ヤマハとカワイの違いは?

ヤマハとカワイのピアノは具体的にどのような違いがあるのか、それぞれの特徴を比較しながら解説します。
尚、特徴については一般的に言われている傾向によるもので、個人による感じ方や製品による違いもありますので、実際に弾き比べて自分の耳や感覚で検討してください。

音色

ヤマハのピアノの音色は明るく元気で、カワイのピアノは落ち着いた音色であると言われています
海外のメーカーに例えるとヤマハはスタインウェイ、カワイはベーゼンドルファーに近い音色です。
ヤマハの音色は華やかな印象を与えますが、金属的な音だと感じる人もいます。
カワイの音色は優しさや温かみを感じさせ、“カワイトーン”と呼ばれる重低音は海外でも評価が高いです。
その反面、華やかさが足りずこもり気味に感じる人が多いようです。
2つのメーカーの音色の違いは、倍音の設定によるものだと考えられています。
ヤマハのピアノは倍音が多く出るように設計されているため金属音に近くなり、カワイのピアノは倍音を抑えるために音がこもっている印象を与えるのでしょう。
一般的に2つのメーカーのピアノには以上のような音色の特徴がありますが、製品によっても異なります。
そして音色はそれぞれに好みがあるため、実際に弾いた好みの音色のピアノを選ぶとよいでしょう。

タッチ

ヤマハのピアノのタッチは軽めでカワイのピアノタッチは重めなので、ヤマハのピアノを弾きやすいと感じる人は多くいます。
タッチが違う理由は、ダウンウェイト(鍵盤の重さ)の設定が異なるからです。
ヤマハのピアノのダウンウェイトは50g前後、カワイは54gでわずか4gの差ですが、実際に弾いているとかなり重さには差があるように感じます。
尚、ダウンウェイトは購入後に調整をしてもらうことも可能です。

価格帯(初心者のための価格設定についても)

価格は変動しますが、2つのメーカーの価格を比較すると以下の表のとおりです。

ヤマハ カワイ
アップライトピアノ 70万円~ 50万円~
グランドピアノ 180万円~ 170万円~

カワイのピアノのほうがヤマハよりも価格は低めです
最高級モデルのピアノは両メーカーとも約2000万円で、金額はほぼ変わりません。

アクション

アクションとは鍵盤を押すとハンマーが弦を打つピアノの仕組みのこと。
両メーカーの違いが最も大きいのは、アクションかもしれません。

アクションがなければピアノの音は出せないので、非常に重要です。
ヤマハのアクションは木製がほとんどですが、カワイのピアノはプラスチック製のアクションを導入しているものが多くあります。
プラスチック製のアクションは、“スティック”と呼ばれる「回転部分の動きが鈍くなる症状」や“ジャックスティック”と呼ばれる「鍵盤を押しても、数回目からハンマーが弦を打たなくなる症状」が出やすいのが特徴です。
ただし、部屋の湿度管理によって防ぐこともできるのでそれほど心配することはないでしょう。

鍵盤の幅・長さ

通常のタイプのピアノでは両メーカーに鍵盤の幅や長さの違いはほとんどありません
ただし、カワイのグランドピアノの中でも上位クラスのものの中には鍵盤が長めに作られている製品があります。
鍵盤を長くする理由は鍵盤を長くすることで支点の位置が奥になり、鍵盤を弾く際の緩急をつけやすくして表現の幅を広げるためです。
トリルやパッセージなどのテクニックを弾きやすいメリットもあります。

サイズ

アップライトピアノの高さは、両メーカーによる違いがほとんどありません
製品によってはヤマハが高いものとカワイが高いものがありますが、差は1㎝ほどです。
グランドピアノは、全体的にヤマハよりもカワイのピアノの奥行きが長く、2〜7㎝ほどの差があります
サイズは置く場所によって重要ですが、製品によって異なるためよく確認することが必要です。

【2大ブランド】ヤマハとカワイの選び方のポイントは?

ヤマハとカワイ両メーカーの特徴を紹介しましたが、優劣をつけるのは難しいです。
そのため、いざピアノを購入するとなると迷う人が多いでしょう。
ピアノを選ぶ際のポイントを6つ紹介しますので、参考にしてください。

予算で選ぶ

ピアノは高額なので、予算が大切です。
しかし、金額が低いものを選んで買ったけど、弾いてみて気に入らなかったからと言って簡単に買い替えるわけにはいきません。
まずは予算を設定して、その予算の範囲内でいろいろなピアノを比較して慎重に選ぶことをおすすめします。
一般的にヤマハよりもカワイのピアノのほうが価格は低めですが、モデルによって異なる場合があるので注意が必要です。
また、新品ではなく中古のピアノを買う方法もありますが、中古の場合の価格帯は新品とは違うので、予算と照らし合わせてじっくり選ぶとよいでしょう。

音色で選ぶ

ヤマハのピアノは明るく、カワイのピアノは落ち着いているというように、それぞれのメーカーで音色の違いがあることを紹介しました。
ヤマハは明るい反面金属的な音も聞こえ、カワイは少しこもったような暗い印象があると感じる人もいます。
音色はモデルによっても異なり、感じ方も人それぞれなので、実際に楽器店に足を運び自分の耳で聞いて確かめると間違いがないでしょう

タッチで選ぶ

鍵盤のタッチの特色は一般的にヤマハが軽く、カワイが重めですが、どの程度違うのか実際に弾き比べて確かめましょう
重さの感触や弾きやすさは個人によって異なります。
また、6つの中でどのポイントを優先したいかという希望も人それぞれです。
タッチにこだわる人は、よく弾き比べて自分に合ったものを選びましょう。
前述したように、タッチは調整できますが、アップライトピアノよりもグランドピアノのほうがより広く調整可能です。

オススメ記事

徹底比較|クラビノーバの歴代モデルから2024年最新版について解説◎

ヤマハのクラビノーバで、アコースティックの魅力と電子ピアノの利便性を。クラビノーバの特徴やアップライトピアノとの比較で、あなたの理想のピアノを見つけましょう。

記事を見る

サイズで選ぶ

ピアノは置き場所を取るので、自宅のピアノを置くスペースによってサイズも限られます。
ピアノを置く予定のスペースのサイズをしっかりと測り、収まる範囲のサイズを選ぶ必要があるでしょう
特にグランドピアノの購入を考えている人は両メーカーやモデルによって奥行きが異なるため、よく確認してください。
また、ピアノはサイズが大きいだけではなく非常に重量があるため、ピアノを置く予定の場所をよく確認し、環境を整えておくことも必要です。

好みで選ぶ

予算やスペースは思うようにいかない場合がありますが、最終的には好みで選ぶのがよいでしょう
実際に演奏して音を聴いたうえで、弾きやすさや音色、見た目の好みなど予算やスペースの範囲内で1番気に入ったものを選びましょう。
実際にお店に足を運ぶ前に、ネットやカタログなどでいろいろなピアノを見て気に入ったモデルを絞っておくことをおすすめします。

ユーザーレビューと体験談

実際にヤマハとカワイのピアノを購入した人や演奏経験がある人達のレビューや体験談を紹介します。
ぜひ参考にしてください。
尚、個人による感じ方の違いや同じメーカーでもモデルによって特徴が異なることをご承知おきください。

ヤマハユーザーの声

  • 「音に丸みや深みがあり、四方八方から音に囲まれるような広がりや立体感が感じられた」
  • 「タッチが軽く柔らかく弾ける」
  • 「低音の響きに重量感があり、心地よく響いてくる」
  • 「音に丸みや深み、広がりがあり、四方八方から音色に包まれるような感覚になった」

カワイユーザーの声

  • 「タッチが重い分、音にも深みや重みが感じられる」
  • 「音の狂いが少ないので扱いやすい」
  • 「音の響きが明るくて深い。低音部は重厚で迫力があり、中~高音部は優しく弾くと繊細で、強く弾くと耳に心地よい美しい音色が出る」

〜よくある質問〜

ピアノの購入を検討している人の中で、よく質問される内容を紹介します。

品質についてどちらが高い評価を得ているの?

ヤマハとカワイはどちらも世界的にも評価が高く、日本を代表する2大メーカーです。
それぞれの特徴は違いますが、はっきりとした優劣はつけ難いというのが正直なところです。
歴史が古く、価格が高いのはヤマハですが、決してカワイが劣っているわけではありません。
両メーカーがお互いに切磋琢磨しながら品質改善を続けて、現在があります。

どちらのブランドが初心者にオススメ?

タッチを比較するとヤマハのピアノは軽くカワイのピアノは重めなので、子どもや初心者にはタッチが軽いピアノが弾きやすいでしょう
反対に、音大で本格的にピアノを学ぶ人やピアニストを目指して練習する人などは、カワイの重いタッチを好んで練習する人もいます。

ピアノを実際に試し弾きするときの注意点は?

立ったまま弾くだけでは、正確なタッチの感覚は分かりません。
椅子に座り、椅子の高さをきちんと合わせて弾いてみることが大切です
また、ピアノの特徴を知るためには単音や和音などを少し弾くだけではなく、1曲通して弾いてみることをおすすめします

音のよさを聴き分けるポイントは?

初心者の中には、弾き比べても音の違いが分かりにくいという人もいるでしょう。
楽器店やショールームなどで試し弾きさせてもらう際は、スタッフに解説をしてもらいながらじっくりと音を聴き比べましょう
余裕があれば、できるだけたくさんのお店に足を運んで試し弾きをして音を比べることをおすすめします
たくさんの音をじっくりと聴き比べていくうちに、自分の好みの音に巡り合えたり音の良し悪しが判断できたりするようになるでしょう。

新品と中古のどちらがよいの?

新品のピアノと中古のピアノのどちらを選ぶかは、それぞれの予算や価値観などによります。
しかし、特に新品或いは中古のどちらかに思い入れやこだわりがないなら、新品と中古の両方を候補に入れて選ぶとよいでしょう。
新品と中古の違いは以下のとおりです。

新品 中古
  • 新しいため、誰も使っていないきれいな状態であり、
    長く使用できる。
    その分、最初は音色が安定していない。
  • 値段が高い。
  • 新品の中で価格が安いものは、品質がよくない
    ものもある。
  • 高級なモデルが安い価格で手に入ることがある。
  • 状態が良いものは、新品以上に品質がよい場合がある。
    逆に、状態がよくないものは寿命が短い。

中古ピアノの状態の良し悪しを素人が判断するのは難しいため、お店のスタッフの説明をよく聞き、疑問点は遠慮せずに質問するようにしましょう

アップライトピアノとグランドピアノのどちらがおすすめ?

ピアノを置くスペースの問題が1番大きいですが、用途にもよるでしょう。
子どもや初心者が初めて弾く場合はアップライトで十分ですが、「長く続けたい」「将来は音大に進んでピアニストを目指したい」などの目標がある場合は、最初からグランドピアノを購入することをおすすめします。
ただし、安価なグランドピアノよりも高額のアップライトピアノのほうが品質がよいケースもあるため、予算やスペースに余裕があれば、品質や音質、弾きやすさを重視するとよいでしょう
また、長く続けるつもりで購入しても諸事情で続けられなくなる可能性は誰にでもあります。
そのため、将来売却することを考慮して選ぶこともおすすめです。
売却する場合は、国内シェアNo1のヤマハのピアノが、カワイよりも若干有利なことが多くあります。

まとめ

ピアノの2台メーカー、ヤマハとカワイのピアノの特徴について解説しました。
改めて弾き比べや聴き比べをしてみると、それぞれのメーカーによる違いがよく分かります。
迷ったときはお店のスタッフに相談しながら、最終的には弾きやすさ、音の好みなど自分にしっくりくるピアノを選ぶようにしましょう。
また、現実的には予算や置く場所のスペースなどが非常に重要です。
自分の好みと予算やサイズなどの現実問題とを照らし合わせて、後悔しないピアノ選びをしてください。
後悔しないためには、時間をかけてじっくりと選ぶことが大切です。
余裕をもってピアノ選びを始めましょう。

オススメ記事

徹底比較|クラビノーバの歴代モデルから2024年最新版について解説◎

ヤマハのクラビノーバで、アコースティックの魅力と電子ピアノの利便性を。クラビノーバの特徴やアップライトピアノとの比較で、あなたの理想のピアノを見つけましょう。

記事を見る

この記事を友達にシェアしよう!

関連タグ

Category