ピアノ歴20年以上のWEBライターです。コンクールや受験、さらにピアノ指導経験を活かした記事作成を行っています。
目次
- ご自宅のアップライトピアノの種類とサイズを確認しよう
- アップライトピアノの運送方法は2種類
- 運送業者にお願いする場合
- 自分で運送する場合
- 自分で分解・運送までできる?
- 安全に梱包・分解するコツ
- 運送費用の相場とコスト削減のコツ
- アップライトピアノの基本運送費の相場
- オプション料金の相場
- コスト削減のコツ3つ
- 自宅や運送先に近い会社を選ぶ
- 追加料金について事前に相談
- 複数のピアノ運送会社を比較検討する
- アップライトピアノのおすすめ運送会社10選
- ヤマトホームコンビニエンス
- 佐川引越センター(SGムービング)
- 日本ピアノ運輸株式会社
- 田中ピアノ運送
- 共立ラインサービス株式会社
- 東京ピアノ運送株式会社
- イーエムピアノネットワーク
- 株式会社全日本ピアノ運送
- 池田ピアノ運送
- OSP moving株式会社
- 1番安いアップライトピアノの運送方法は?
- 運送中のリスクと対処法
- 室内の床や壁に傷がつく
- ピアノ内部の部品が破損する
- 運搬する人の怪我
- まとめ
アップライトピアノは内部に細かく弦が貼られている構造で、とてもデリケートな楽器です。
常にピアノを良い状態に保つためのお手入れや湿度管理も欠かせません。
そのため、アップライトピアノの運送は、専門的な知識があり経験豊富なピアノ専用の運送会社にお願いする方が安心です。
とはいえ、「引越しの費用を節約したい」「どの運送会社が良いか分からない」「自分で搬入する方法はないのか」などさまざまな疑問がありますよね。
そこで今回は、アップライトピアノの運送費用やコスト削減方法、おすすめの運送会社、自分で運送できるのかを解説していきます。
ご自宅のアップライトピアノの種類とサイズを確認しよう
アップライトピアノの運送を依頼する前に、種類(機種)やサイズ、品番・製造番号を確認しておきましょう。
品番や製造番号は、ピアノの屋根を開けると内側に記されています。
ピアノ運送費用の算出には、サイズや重量も関わるので把握しておくと安心ですよ。
以下は、ヤマハとカワイのアップライトピアノ(一部)のサイズをまとめていますので、参考にしてみてください。
サイズ | 重量 | |
ヤマハbシリーズ | 高さ:113〜121cm 奥行:53〜61cm 幅:149cm〜152cm |
194〜237kg |
ヤマハSU7 | 高さ:131cm 奥行:67cm 幅:154cm |
273kg |
ヤマハYUSシリーズ | 高さ:121〜131cm 奥行:62〜65cm 幅:152cm |
229〜253kg |
カワイKシリーズ | 高さ:130cm 奥行:62cm 幅:150cm |
238〜241kg |
カワイNF‐15 | 高さ:112cm 奥行:59cm 幅:150cm |
190kg |
カワイK‐700アンバーバーチ | 高さ:130cm 奥行:62cm 幅:150cm |
241kg |
引用元:ヤマハ公式サイト
引用元:カワイ公式サイト
アップライトピアノの運送方法は2種類
アップライトピアノの運送はピアノ専門の運送会社に依頼すると安全ですが、自分でトラックを手配して運ぶ方もいます。
ここでは、2種類のピアノ運送方法を具体的にご紹介しますね。
運送業者にお願いする場合
運送業者への依頼は、アップライトピアノを安全に運送する最も最適な方法です。
ピアノ運送会社は、その名の通りピアノの運搬を専門的に行うので、機種や大きさ、搬入場所に適した方法で安全に運送します。
さらに、すぐに搬入できない場合は、一時的な保管も可能です。
楽器店でピアノを購入したり、他人にピアノを譲る場合は、運送会社と直接交渉して運送日や搬入方法について打ち合わせをします。
一方、引越しで家具や家電と一緒に運送する場合は、引越業者と提携しているピアノ運送会社が担当するケースが多いです。
その場合、追加料金が発生する可能性もあるため、見積もりを取ることをおすすめします。
また、信頼している運送会社や楽器店に相談して、ピアノ運搬だけを依頼する方法もあります。
自分で運送する場合
アップライトピアノの運送は、力持ちの人が複数人で持ち上げてトラックで運搬すれば自分でもできる、と思われがちです。
不可能ではありませんが、アップライトピアノの運び方や搬入経路の確認など、経験者でないと難しい点もたくさんあります。
そのため、ピアノの運送は専門業者にお任せするのが一番です。
自分で分解・運送までできる?
アップライトピアノを自分で分解して運送するのは、ピアノ調律師や組み立て経験のある職人以外の方にはおすすめできません。
なぜなら、ピアノ運送の知識がない状態で安易に行うと、故障の原因や大怪我のリスク、家の床や壁に傷をつけてしまう可能性があるからです。
やむを得ず自分でアップライトピアノを分解・運送する場合は、ピアノ運送や構造に詳しい方に立ち会ってもらうことをおすすめします。
安全に梱包・分解するコツ
アップライトピアノを搬入する場所によっては、最終手段として分解してパーツごとに運送する方法もあります。
例えば、狭い廊下から搬入するため、鍵盤の棚板や腕木などの出っ張っている部分を分解する方法です。
ピアノの本体は、破損防止のため厚めの布団で梱包します。
万が一自分でピアノを梱包する場合、紙類やダンボールの使用は避けましょう。
ピアノの塗装がはがれたり、強度が弱く安全性も低いです。
分解して運ぶ方法は、アップライトピアノの運送において稀なケースであり、再び組み立てる作業とピアノの調律が必要になります。
そのため、ピアノ運送の専門業者と調律師の連携作業がスムーズに行えるように、事前に打ち合わせをしておきましょう。
運送費用の相場とコスト削減のコツ
アップライトピアノの運送費用に含まれるのは、移動距離に応じて設定する基本料金と特殊な運搬方法を行った場合のオプション料金(追加)です。
アップライトピアノの基本運送費の相場
ここでは、アップライトピアノの基本運送費の相場をご紹介します。
移動距離 | 料金相場 |
〜10km | 18,200円 |
〜20km | 20,150円 |
〜30km | 22,100円 |
〜40km | 23,400円 |
50〜79km | 27,950円 |
80〜99km | 34,450円 |
100〜120km | 37,700円 |
引用元:引越し侍
オプション料金の相場
アップライトピアノの運送基本料金に加えて、必要に応じて加算されるオプション料金(追加料金)の相場をまとめています。
2階以上のお部屋にアップライトピアノを運搬する際、使用する手段によって料金設定が異なります。
クレーン車を使用 | 10,000円〜 |
階段(1階ごとに) | 5,000〜8,000円 |
エレベーター(1階ごとに) | 2,000〜3,000円 |
手吊り(人力で運搬) | 10,000〜30,000円 |
ピアノの解体と組み立て | 30,000円〜 |
外の階段を使用(10段ごとに) | 5,000〜8,000円 |
引用元:引越し侍
コスト削減のコツ3つ
アップライトピアノの運送費用を削減するためのコツとして、3つのポイントが挙げられます。
- 自宅や運送先に近い会社を選ぶ
- 追加料金について事前に相談
- 複数のピアノ運送会社を比較検討する
自宅や運送先に近い会社を選ぶ
アップライトピアノの運送費用は、移動距離が長いほど高くなります。
また、長距離の運送により出張費が追加となるケースもあるため、注意が必要です。
出張費を抑えたり、回送距離(会社から運送先までの距離)を短くしてコスト削減をするためには、自宅や運送先に近い会社を選ぶと効果的です。
追加料金について事前に相談
ピアノ運送の基本料金は、移動距離やピアノの種類で決まります。
さらに、特殊作業(階段・クレーン車・分解)が必要になると、追加料金として加算されます。
基本料金だけでも決して安くはないので、できるだけ特殊作業を必要としない場所に搬入することもコスト削減方法の一つです。
とはいえ、住宅事情でやむを得ず2階以上のお部屋にピアノを搬入しなければならないことも多いですよね。
そこで、ピアノ運送の際には、料金プランや搬入方法などを専門業者によく相談してみてください。
複数のピアノ運送会社を比較検討する
ピアノ運送の料金設定は、各会社ごとに異なります。
例えば、A社のオプションサービスがB社では基本料金に含まれているなど、費用の内訳もさまざまです。
そのため、ピアノの運送を依頼する前に、専門業者3〜5社の料金プランやサービス内容を比較するのをおすすめします。
さらに、各ピアノ運送会社で見積もり依頼を行って、慎重に選ぶとコスト削減にもつながりますよ。
アップライトピアノのおすすめ運送会社10選
ここからは、アップライトピアノの運送におすすめの会社を10社ご紹介します。
最近は、ピアノ運送以外にもメンテナンスやクリーニングといったサービスを行っている会社が多い傾向があります。
ヤマトホームコンビニエンス
大手運送会社「クロネコヤマト」が実施しているピアノ運送は、国内の専門業者との提携サービスとなっています。
特徴 | 国内のピアノ運送専門業者との提携サービス |
料金例 | 移動距離・ピアノの種類・重量・サイズ・メーカー・製造番号+オプションで算出 (運送先の下見が必要な場合は別途料金あり) |
実績または口コミ評価 | 【口コミ】 ・受付や作業スタッフさんの対応が良かった ・ネットで申し込めるので便利 ・見積もりより安くなった 引用元:引越し侍 |
佐川引越センター(SGムービング)
佐川引越センターは、ピアノ運送専門業者と提携してオプションサービスとしてピアノの運送を行っています。
特徴 | ・国内のピアノ運送専門業者と提携 ・全国配送 |
料金例 | まずはお見積もり |
実績または口コミ評価 | 【口コミ】 ・ダンボールは別料金だった ・迅速な対応で良かった ・見積もりよりも低予算で抑えられた 引用元:引越し侍 |
日本ピアノ運輸株式会社
老舗のピアノ運送専門会社で、本社は千葉県千葉市若葉区にあります。
運送だけではなくメンテナンスや中古買い取りも対応可能です。
特徴 | ・全国各地に配送可能 ・室内移動も対応 ・ピアノクリーニングや中古ピアノの買い取りも可能 |
料金例 | 無料見積もりサービス |
実績または口コミ評価 | 【実績】 創業以来、およそ100万台のピアノ運送を実施 【口コミ】 ・事前の打ち合わせも丁寧で好印象 ・作業がスピーディーで丁寧だった ・見積もりより安くなって満足 引用元:引越し侍 |
田中ピアノ運送
埼玉県川越市にあるピアノ運送の専門会社です。
経験豊富なスタッフさんが、独自の技術で丁寧にピアノを運びます。
特徴 | ・国内どこでも配送可能 ・ピアノの梱包や保管も対応 ・ピアノの調律やクリーニングも可能 |
料金例 | ピアノの運送12,000円〜 |
実績または口コミ評価 | 【実績】 創業45年 【口コミ】 ・おすすめできる専門業者だと思う ・作業は問題なくスムーズだった 引用元:Yahoo!ロコ |
共立ラインサービス株式会社
50年以上の歴史を誇るピアノ運送会社で、本社は東京都立川市にあります。
楽器運送のプロフェッショナルとして、長年信頼されている会社です。
特徴 | ・楽器仕様の素材で梱包 ・配送エリアは東京・埼玉・千葉・神奈川 ・ピアノメンテナンスも可能 |
料金例 | ピアノ調律:13,200円〜 |
実績または口コミ評価 | 【実績】 創業45年 【口コミ】 ・チームワークが良くスムーズに運んでもらえた ・事前チェックも入念で安心して任せられた 引用元:Google |
東京ピアノ運送株式会社
本社は東京都足立区にあり、新潟と長野に事業所を持つピアノ運送会社です。
徹底した技術指導により、ピアノを傷つけず安全に運びます。
特徴 | ・全国各地に配送可能 ・ピアノの梱包にも対応 ・ピアノ以外の大型機器も運送 |
料金例 | サービスごとに設定 |
実績または口コミ評価 |
【口コミ】 ・スタッフさんがフレンドリーで手際も良い ・時間指定が曖昧だった ・好印象で信頼できる専門業者 引用元:引越し侍 |
イーエムピアノネットワーク
ピアノ運送をはじめ、調律やクリーニング、買い取りなどのサービスを展開する会社です。
本社は神奈川県横浜市にあります。
特徴 | ・ピアノ運送専門業者との提携サービスを実施 ・ピアノ運送前の点検が依頼可能 ・運送まで2週間以内は無料で保管 |
料金例 | 耐震用インシュレーター取り付け8,800円〜 |
実績または口コミ評価 |
【口コミ】 ・ピアノ運送前に点検を行っていた ・見積もりを迅速に対応してくれた ・メンテナンスや修理もお願いできた 引用元:引越し侍 |
株式会社全日本ピアノ運送
愛知県春日井市にあるピアノ運送専門会社です。
熟練のスタッフさんや安全に運搬するための特殊車両など、質の高いサービスがあります。
特徴 | ・配送エリアは47都道府県 ・ピアノ調律やクリーニングも対応可能 ・ピアノ以外の大型機器や家電も対応可能 |
料金例 | お見積もりフォームよりお問い合わせ |
実績または口コミ評価 |
【口コミ】 ・他社よりもコストが抑えられた ・迅速な作業で好印象 引用元:Google |
池田ピアノ運送
横浜と東京に本社がある池田ピアノ運送株式会社は、ピアノの扱いに慣れた専門スタッフさんが運送を行っています。
特徴 | ・全国配送可能 ・ピアノの室内移動も対応 ・ピアノの修理やクリーニングサービスを実施 |
料金例 | 思いやりピアノ引越便16,500円〜 |
実績または口コミ評価 |
【口コミ】 ・スムーズで丁寧な作業で満足 ・スタッフさんの対応が素晴らしい ・料金が他社よりもリーズナブル 引用元:公式サイト「お客様の声」 |
OSP moving株式会社
福岡県にあるピアノ運送専門会社で、国内最大級のピアノ輸送グループ「オールジャパンライングループ」に加入しています。
特徴 | ・日本全国に配送可能 ・専門性・安全性に優れた装備でピアノを運搬 ・電子ピアノやグランドピアノも対応可能 |
料金例 | 直接、お問い合わせ |
実績または口コミ評価 |
【実績】 ・年間5,000台のピアノ運送実績 |
1番安いアップライトピアノの運送方法は?
アップライトピアノの運送費用を安くする方法は、特殊作業(クレーン車・階段・エレベーター)を必要としないお部屋に運送することです。
さらに、移動距離を少なくして、追加料金が発生しないように見積もりをチェックしておきましょう。
最低限のピアノ運搬作業であれば、アップライトピアノで2万円以下の専門業者もあります。
ピアノ運送を依頼する前に、じっくり比較検討してみてくださいね。
運送中のリスクと対処法
アップライトピアノの運送中に起こりやすい問題は、主に3つあります。
- 室内の床や壁に傷がつく
- ピアノ内部の部品が破損する
- 運搬する人の怪我
ここからは、3つのリスク対処法をご紹介しますね。
室内の床や壁に傷がつく
アップライトピアノは、一番小さなサイズでも100kg以上ある重たい楽器です。
そのため、少し接触しただけでも床や壁に傷がつくリスクを伴います。
特に、新居にお引越しとなると気を使いますよね。
そこで、ピアノを運送する際には、キルティング生地の布や厚手の布団などでピアノを覆ってから運び出すことが多いです。
さらに、搬入経路となる廊下や階段にも布を敷いたりマットを置いて、ピアノを安全に運ぶ準備をします。
専門業者に依頼すると、すべての作業がお任せできますよ。
ピアノ内部の部品が破損する
外見上、ピアノは頑丈で壊れることはないと思ってしまいますが、内部はとても繊細に作られています。
衝撃が加わると、ピアノ内部の弦が切れたり金具などが破損するリスクがあるので、慎重に運ばなければなりません。
対処法は、先ほどもご紹介した厚手の布団などで梱包することですが、運搬前にピアノ内部の破損がないか屋根を開けたり、音を出して確認しておくと良いです。
ピアノ運搬後に気になることがあれば、調律師さんに相談してメンテナンスを行ってください。
運搬する人の怪我
ピアノ運送会社では、アップライトピアノは2人、グランドピアノは3人で運ぶことが多いです。
少なくて不安に思いますが、実は安全にピアノを運搬するために最適な人数と言えます。
例えば、大人数でピアノを運ぶとタイミングが合わずに怪我をしたり、ピアノの破損にもつながるのです。
最小限の人数でも経験豊富なピアノ運送会社であれば、さまざまなリスクを想定して安全にピアノを運送してもらえます。
まとめ
今回は、アップライトピアノの運送について解説するとともに、おすすめの専門会社をご紹介いたしました。
ピアノは最も小さなサイズでも、他の楽器と比べてサイズが大きく重量もあります。
また、丈夫そうに見えても内部は繊細に作られている楽器です。
お引越しやピアノを他人に譲る際は、自分で運ばず専門会社に依頼して、大切なピアノを安全に運搬してくださいね。