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子供から大人まで!身長別ピアノ椅子の高さのカスタマイズ方法

Written by
2023.10.30
山崎由芽
【執筆・監修】山崎由芽

3歳から12歳までピアノ教室に通っていました。その後は中学・高校でコンクールや行事で伴奏をしていました。現在は趣味で弾き語りや基礎練習を続けて、兄弟に教えています。 音楽の楽しさと壁の乗り越え方を、経験をもとに伝えていきます。

ピアノを弾く時は椅子の高さが大切だと聞いたけど、何を基準にするのか分かりにくいですよね。
また、家族で使う場合は1人に合わせるわけにもいきません。

今回は、ピアノ演奏時の正しい姿勢や椅子の調整方法、調整時の注意点などを徹底的に説明します。
正しい姿勢で演奏も身体も美しくしていきましょう。

ピアノ演奏時の理想的な姿勢

演奏 理想 姿勢

そもそもピアノ演奏時の正しい姿勢を知っていますか。
椅子の高さ含め、最初から確認していきましょう。

基本的な正しい姿勢とは?

基本的な正しい姿勢は、5つのポイントを意識します。

鍵盤の中央に椅子を置く

鍵盤の中央とは、ただ「全体を見たときの真ん中」というわけではありません。
右手のミに親指を置いた位置が、椅子を置くべき場所です。

浅めに腰掛ける

基本的には椅子の3分の1だけに腰掛けるようにします。
ペダルを楽に踏めるように、椅子は少し引いておきましょう。
遠すぎると猫背や前傾姿勢になってしまうので、何度も座る位置と足の伸ばし具合を調整してみてください。

また、足はかかとだけ地面につけて、親指の付け根までをペダルに置いた状態を守りましょう。
これには例外があり、小さな子供など足代を使用する場合は、やや深めに腰掛けても問題ありません。

肩の力を抜く

正しい姿勢になっていると、肩の力を抜いても楽に維持できます。
間違った姿勢になっていると、肩や首、腕周りに無駄な力が入ってしまいがちです。
姿勢が整ったと思ったら、1度肩に力が入っていないか確認してみてください。

肘は鍵盤と水平にする

椅子に座り鍵盤に手を置いたら、肘を水平にします。
この時に鍵盤より下だと、強弱がつけにくく平坦でつまらない演奏になりがちです。
反対に高すぎると、細かい動きができずにミスタッチが増えてしまいます。
肘の開き具合は90度以上100度未満が理想です。
この確認は1人では難しいので、誰かと一緒に調整するのがおすすめです。

背筋は伸ばす

基本的に猫背は厳禁です。
猫背のまま演奏すると、音が濁りやすくなるからです。
綺麗な演奏はペダルを踏んでも、弾いた瞬間の音が粒のように聞こえてきます。
正しい姿勢は音に直接関係するので、前傾姿勢にならないよう気をつけましょう。

間違った椅子の高さが身体与える影響

間違った椅子の高さで練習を続けると、身体にも悪影響が出てしまいます。
演奏中の悪影響としては、足が攣る、筋肉痛などがあげられます。
実際に私も、疲れている日にだらしない姿勢で練習をしていたら、突然ペダルを踏んでいた足が攣ってしまいました。

間違った姿勢で演奏し続けていると、背骨や肩、首自体が歪んでしまいます。

ピアノ椅子の理想的な高さとは?

椅子 高さ

ピアノ椅子の理想的な高さは、2つのポイントを意識しましょう。

肘から手首が水平

座った状態で鍵盤に手を置き、肘から手首が水平になっているか確認します。
水平より高すぎる場合、強い音を出しやすいですが細かい手首や連符のコントロールが難しいです。
反対に低すぎる場合、手首や腕が動かしやすいですが強弱が難しく表現力にかけてしまいます。

どうしても微調整が難しい場合は、水平より少し高い方が望ましいです。
目線と肘の両方で、椅子の高さを調整しましょう。
角度を守ると無駄な力を使わないため、疲れにくく長時間の演奏が可能です。

足がしっかり床につく

両足がしっかり床につくようにしましょう。
そのためには、椅子の高さと腰掛ける深さが重要です。
足が付くか確認する際は、必ず椅子の手前3分の1のみに腰掛けてください。

しっかり足がついていない場合、強い音を出す時に重心がブレてしまいます。
背もたれのない椅子なら、後ろに倒れてケガに繋がりかねません。
安定した音を出すには、自分の重心を整えることが大切です。

椅子の高さ調節の具体的な方法

椅子 高さ調節

椅子の高さを調節する方法は、大きく分けて3種類あります。
椅子自体が動かせる、クッションなど小物を使用する、DIYで作る方法です。
各方法ごとに見ていきましょう。

また、ピアノ購入時に付属品として用意されている場合は、調整可能か事前に確認しておくとスムーズです。

調整可能なピアノ椅子の種類

本体を動かせる椅子は2種類あります。

背もたれタイプ

背もたれが付いているタイプで、トムソン椅子とも呼ばれています。
座面の後ろ中央に付いているつまみで、調整します。
ギザギザの段階式で、最も手早い調整が可能です。

また、背もたれが付いているため、浅く座っても重心が傾く心配なく安心です。
しかし、座面が硬いので長時間練習をする人はクッションも用意した方が良いです。
長年使っていると、きしむ音が気になりがちです。

ベンチタイプ

ベンチタイプは油圧式とハンドル式があります。
油圧式はつまみやレバーを引きながら体重をかける方法です。
職場で見かけることが多い調整方法ですが、体重の軽い子供や華奢な女性は扱いにくく感じます。

ハンドル式は横に付いている丸いハンドルを回す方法です。
メモリなど目安になるものがなく、座りながら調整するのが難しいため手間がかかります。

調整方法に関わらず、座面はクッション性が高いので長時間練習におすすめです。
また、ベンチタイプには座面下に収納できるものもあります。
基礎練習の楽譜など毎回使うものや、取扱説明書を収納する人が多いです。

クッションや足台を使った調整方法

クッションなど小物を使う方法からは、2種類を紹介します。

クッション

座面に敷くクッションは、やや硬い物を選ぶようにしましょう。
柔らかいと沈んでしまったり、しぼむのが早いため高さ調整には不向きです。
また、見栄えを気にする人は椅子やピアノと同色、合皮カバーを選ぶと良いです。
大きさや形状、素材も多様で、平坦型やドーナツ型、骨盤サポート型など自分に合ったクッションを探してみてください。

足台

足が届かない場合は、足台を使用すると良いです。
足台には角度をつけるタイプもありますが、ピアノにおいて角度は不要です。
特に子供の場合、ペダルを加えた際に変な癖がついてしまい、足が攣りやすくなったり姿勢が歪んでしまいます。
膝の角度は、90度から100度以下を目安にするとペダル練習に入ってもスムーズです。
また、普通の箱型でも良いですが、鍵盤との距離が広くなってしまうため逆さのU字型をおすすめします。

DIYで調節する方法

DIYで調節する方法も、2種類紹介します。

テニスボール

必要な物はテニスボールと工具用のカッターです。
テニスボールに十字の切り込みを入れます。
この時、かなり力が必要なので勢いあまって手を切らないように注意しましょう。
椅子の脚を差し込むので、切り込みが浅すぎると大変です。

しっかり切り込みを入れたら、椅子の脚を差し込みます。
深く切り込むとその分沈み、浅いと中央付近で固定されます。

作るのが難しい場合は、商品化しているものもあるので是非探してみてください。

Pコーン

必要な物はPコーンとドリルドライバー、固定用ネジです。
椅子の脚を真下から見て、中央に穴を開けます。
Pコーンを差し込み、完全に固定できるまでネジを回します。
この時、ガタつきがないようにこまめに確認しながら作業を進めましょう。

床に傷がつかないか不安な人は、カバーやフェルトを付ければ解決します。

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調整する際の注意点

ピアノ 調整 注意点

椅子の高さを調整する際の注意点を説明します。
完成してから失敗に気が付いては、労力もお金ももったいないです。

差分はしっかり計算する

どれくらいの高低差があるのか、しっかり測ってから作業を始めましょう。
テニスボールのように取り外しができるなら良いですが、1度固定してしまうと取れない方法だと買い直しになってしまいます。

使う人の将来を見越して計算する

誰が使うかによって、調整方法を考える必要があります。
例えば成長期が終わった人や、社会人しか使わないのであればPコーンを使っても問題ありません。
しかし、主に使う人が幼稚園児や小学生の場合、取り外しが難しい方法で調整してしまうと毎回買い直すことになります。

完全に見越すのは難しいですが、ある程度の将来は考えたうえで手段を選びましょう。

よくある質問

ピアノ 調整 よくある質問

よくある質問から3つに絞って解説します。

身長に合わせて複数の椅子を用意する必要はある?

身長に合わせて複数の椅子を用意する必要は、ありません。
実際私は幼稚園の頃にピアノを始めましたが、身長ごとの椅子は用意していないです。
というのも最初に購入した椅子が、調節可能なベンチ型だったからです。

父と共有でどうしても高さが合わないときは、リビングにある椅子と一緒に使用していました。

調整が難しい場合の対処法は?

上記で紹介した3種類の方法でも調整が難しい場合は、ピアノ専用の椅子を購入するのをおすすめします。
子供が使用するのであれば、成長のたびに買い直しが発生するので出費がかさむのは覚悟が必要です。

また経験者で正しい姿勢を理解しているのであれば、大きいバランスボールを使用するのも1つの方法です。
しかし慣れるまでは体幹に意識が行き過ぎて、演奏が曖昧になってしまいがちですので最後の手段として考えてください。

ピアノの種類によって椅子の高さは変わる?

まずピアノの種類はアップライトピアノ、グランドピアノ、電子ピアノです。
メーカーにより多少の差はありますが、ほとんどが鍵盤まで73㎝となっています。
ピアノを購入してから、あるいは同時に椅子を揃えるのが基本ですが、順番が前後する場合は頭に入れておくと良いです。

自分専用の椅子の高さで、ピアノを楽しもう!

ピアノ 椅子 まとめ

ピアノ演奏において、椅子の高さがいかに重要かお分かりいただけましたか。

では演奏中の正しい姿勢をおさらいします。

  • 鍵盤の中央に椅子を置く
  • 浅めに腰掛ける
  • 肩の力を抜く
  • 肘は鍵盤と水平にする
  • 背筋は伸ばす

この5つを無意識に維持できるよう、最初にしっかり叩き込みましょう。

 

間違った姿勢で演奏すると起こる悪影響は以下の2つです。

  • 足が攣りやすくなる
  • 背骨や肩、首が歪む

特に骨格の歪みは、気が付いたときには手遅れなので普段から意識しましょう。

 

今回の主役、椅子の調整方法は大きく分けて3種類です。

  • 調節可能な椅子を使う
  • クッションや足台の小物を使う
  • DIYで調整する

その他の注意点やよくある質問も、確認をしておきましょう。

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